SOMYのレッド




「今日美術の2年と3年合同な」


そう言いながらいつもと違う教師が入ってくる。
どうやら自習になったらしい。

適当に指された人が号令をかけてとりあえず着席。


2人目、標的は長門夢汰。
吹奏楽で学級副委員長。

二言目には「通報」や「捕まれ」と言われているのが印象的。
しっかりしていると言えばしている。
ふざける時は顔が五月蝿い・・・。


そしてその長門さんのレポートは私、2年の清水理沙が担当よ。
私と長門さんと関わりが無いの、全く。
長門さんとは学年も違えば委員会ではなく学級委員。
しかも副委員長というのは生徒会と関わることが無いに等しい。

と、いいますか・・・
標的が居ないのよ。
まさか休み・・・?


「おいSOMY、長門はどうしたんだ?」

悠「ググってよ先生」
がわこ「フラグが立って」
紅夜「・・・眠い」


ゲームをやりながら先生に目を向けない雛志さん。
お菓子を食べながらも答えるけど、答えが真面目じゃない塩宮さん。
長門さんの事と全く関係ない大月さん。
本当に仲間なのかと思うぐらい扱いが素晴らしく酷んですけど。
この3人は知っているのか知らないのか、もう意味の解らない返事。


夢汰「遅れましたー」


鞄を背負って、笑っている長門さん。
反省と言うものが見えないわ。
授業の遅刻は常習犯というのを感じる。
遅刻届けだって慣れている様子だし。

じっと見ていた私は視線を感じた。
長門さんと目が合う。
まさか観察しているのがバレたのか。
っと思えばすぐに逸らされてのでたまたまかしら。


「何だ何だ。遅刻か?」
夢汰「いいえ、華麗に寝坊しました」
清水「(それを遅刻って言うのよ)」


グチグチ言う教師からの言葉をスルーしていた長門さん。
とりあえず席につけっと指示される。
言われなくてもっと言いながら自分の席へ。
何故SOMYが並んで座っているのだろうかは別とする。


「はい、それじゃあ」


授業は選択芸術と言う名の美術。
芸術の授業は音楽、書道、そして美術の3つを選択することが出来る。

流石に2日続けてクラスに1人増えるのは怪しいのよ。
それに私は渋谷と違って変装は出来ないの。
・・・普通はできないのもよね。

秩序である会長が2年と3年を合同にするこの時間を作ってくれた。


美術の教師は出張だということらしい。
とりあえず居ない。
その代わりに代理の教師が指示をする。

今回は自習みたいなもの。
一応代理の教師から課題プリントが配られた。


夢汰「先生、コレ提出?」
「いや、面倒だから提出しなくて良い」
紅夜「自主的睡眠学習しないと」
悠「重力が重い」
がわこ「ちよっと寝ないと」


長門さんが教師に提出なのか聞き、提出ではないと返ってきた瞬間に。
の3人が最終的に寝るに辿り着く言葉を言った。


「え、お前ら・・・」
夢汰「先生無理っすよ。寝ると言ったら寝る人かと」
「お前SOMYレンジャーだろ?」
夢汰「アレはアレです」


先日の渋谷の塩宮さんのレポートでSOMYが仕事しているときはヘッドフォンをするというのが知らされていた。
確かに今はヘッドフォンしてない。
SOMYレンジャーだとハッキリとは言えない。

そもそも。普通は正義のヒーローは正体を隠すものじゃないのかしら・・。


夢汰「先生、イチゴオレかココアで起こしますよ」


教師に奢らせようとしてる・・・?
本人の口からは「等価交換です」っと言う。
しかもイチゴオレかココアとは甘いものばかりじゃない。

教師が拒否ると不満の様で「イチゴオレかココアですよ?」っと。
安いですよと言う様だった。
教師に奢らせる生徒だなんて仮にも正義の味方なのに。


夢汰「・・・オレ、朝飯食べて無いんですよ」


それは遅刻した貴女が悪い。
思わず口に出そうだった言葉を飲み込む。


諦めた長門さんは鞄をガサゴソ中を探る。
手には登校中にでも買ってきたのであろうココア。
後々色々な物も一緒にでくる。


「・・・夢汰」
夢汰「何ですか?」
「それは何かな?」
夢汰「先生、ココアとパンも解らないんですか?」
「見れば解るわ。誰だって解る」


長門さんはしっかりと教師をバカにしているのね。
言葉に敬意見当たらないわ。


夢汰「いただきまーす」


パンの袋を開けて食べ始める。
流石の授業中だと教師も注意した。
授業に関係あることしなさい、寝ている人もいるけどっと余計なことまで言っていた。


夢汰「でも先生」


そう言った長門さんがクルッと私の方を向いて指す。
急にこちらを向いたので驚いた。
私の表情にも正直に出ているであろう。


本日二度目。

目があってニコッと笑われた。



夢汰「授業中に観察する人も居るんですよ?」





『長門夢汰について  清水,出版委員』

・大月紅夜に抱きつく
ちょうどいいのか良く抱きついていた。
大月紅夜は反応を返したり、無言で寄りかかったりとする。

・雛志悠に威嚇される
抱きつこうとしただけで叩かれる。
これに懲りないのか長門夢汰は何度も抱きつこうとしていた。

・塩宮がわこにも威嚇される
抱きつこうとするが、許されない。
これも諦めずに何度も抱きつこうとしていた。

・味覚が変
イチゴオレにココアなど甘いものを見かける。だ
が、学食に大量の七味をかけてきたので味覚が謎。

・発言が怖い
「幼女」などという単語に堪能するため、二言目には「捕まれ」と言われる。
最近では保健所に連絡しようとされた。

・登校はバス
普通より1つ遅い電車でくる為にバスを使わないとギリギリになる。
疲れるのも嫌なため、バスで悠々と来ている。

・携帯依存
暇になればすぐに携帯を取り出す。
最近ではiPadやウォークマンなども使ってるのを見る。













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