SOMYと生徒会2




渋谷「失礼します」


こんにちは、渋谷勇人です。
これから生徒会会議なんですよ。


会議室が薄暗い。
多分、今回はスクリーンを使うんだろうけど。


渋谷「学年委員会が長引いて遅れました」
「お疲れ、とりあえず座れ」


会長に言われて自分の席に座る。
自分以外のメンバーは既に座っていた。
どうやら自分が来るのを待っていたらしい。


清水「では、生徒会会議を始めます」


いつものように清水が進行をする。
本来なら書記の自分が記録をするんだど・・・。
今回は自分の報告がメイン。
だから他の方が会議の記録をしてくれている。


清水「まずはSOMYレンジャーのレポートについて・・・。2年、渋谷。報告を」


議長の清水の指示を受けて座ったばかりの席から立つ。


渋谷「報告します」

「おう」

渋谷「断られました」


大体は予想していたらしい。
やっぱりかっと会長はケラケラ笑う。

レポートと簡単に言えば良いかもしれない。
だけどそのレポートは自分たちで活動内容を書いて提出するものでは無い。
生徒会によって監視され、レポートが書かれていく。
学校生活を自由におくりたいのなら嫌だと言う人が多い。


渋谷「メンバーは3年A組の大月紅夜、長門夢汰、雛志悠、塩宮がわこの4人です」
「あぁ、A組の奴らか」
渋谷「どうなさいますか?」
「じゃあ・・・、清水」

清水「はい」


呼ばれた清水はどこからかノートパソコンを取り出して何やら操作を始めた。
タイピングが早く、つっかえる事がない。


「奴らは何か仕事してたのか?」
渋谷「いえ、課題だという数学のプリントをやってました。自分がノックをしたところ、帰れと言われましたし・・・」
「仕事する気あんのかよ!」
渋谷「無さそうですよ?」


4人中2人は依頼内容を聞こうともしていなかった。
入ったら入ったで入場料を取られそうだった。
1日でも良いと言っても断られた。


清水「会長、資料です」


清水は会長に資料っと紙を渡す。
それは写真と情報の載った紙だった。
びっしりと書かれた字は全てか個人情報。

清水の使ったパソコンには全生徒、職員の情報が入れられている。
それは何重にもロックをかけられている。
それを短時間で解き、印刷までした。


「あぁ、やっぱりコイツらな。・・・A組には生徒会居ねぇなぁ」


さぁ、どうしたものか。
資料と言う名のSOMYレンジャーの個人情報見ながら考える。
どこか楽しそうで会長の口角が上がったままだった。
会長はSOMYについてとても楽しんでいる。


「よし、1日に1人のレポートを書け。渋谷と清水で2日ずつな」
渋谷「学年が違いますけど」
「渋谷は、まぁ、大丈夫だとして、清水は後で計画をたてんぞ」


自分は大丈夫だそうだ。
確かに自分は大丈夫だという自信があるけど。

清水が交代で任された。
そこまでして調べなくても別に怪しいことしてない良いとは思う。


清水「会長は同学年ですよ?」
「そうなんだけどな、関わりがねぇんだよ」

渋谷「会長、自分は断られたんですが・・・」
「向こうの許可なんて端から関係ねぇよ。俺がやるって言ったらやる。許可取ってねぇからレポート書かれてんの気がつかせんなよ?」
清水「はい」

「どんな事をしてでも良いからな。爆破したって怪我させたって」


よく生徒会長になれたものだ。
普通生徒会長になるには選挙をするが一般生徒の目は大丈夫なのか少し不安になる。


清水「爆破はさせませんが、出版委員会にも協力して頂いても良いですか?」


怪我は良いのかよと思ってしまった。

出版委員といえばあの情報好きな大崎淳平委員長。
自分と少し関わりがある。


「あまりにSOMYレンジャーが学校に害を出したり、必要無かったら解散させるかな」


とても素敵な笑顔な会長に悪寒がした。






悠「ですって」


SOMYレンジャーの事務所。
4人が装着していたヘッドフォンを取る。


夢汰「解散は困るなぁ」


解散なんてする気が無いのは誰もが解っていた。
それも自分たちの意思ではなく他人によってだなんて尚更解散しない。


紅夜「私すら予想外なんだけど。誰だ渋谷に盗聴器つけたの」
がわこ「フッフッフ、ふはははははッ!」
紅夜「え、まさか・・・」


うわぁっと言いながらがわこを見る紅夜。
だが「ゴメン違うんだ」っと言われる。
紛らわしいからやめてほしいものだ。


夢汰「残念、私だ!」
悠「ちょ、ややこしいなぁ!」
夢汰「ごめん塩宮がややこしくって」
がわこ「ウチか」
紅夜「お前でしょ」


夢汰だったようだ。
ただ普通に依頼を聞いていただけではなかった。
依頼を聞きながらもいつのまにか盗聴器が付けられていた。


紅夜「さて、私の許可無く行動するっぽいんで」


きちんとやり返さないとなぁ。
いかにも楽しそうに紅夜が言う。
楽しそうなのは紅夜だけではない。
他の3人も困った表情はしていなく、口角が上がっていた。

しばらく暇にならないであろうと笑が溢れる。
普通に学校生活に飽き飽きしてきたところだった。


SOMYレンジャーをやっているところで普通ではなかったんだが。


紅夜「1日1人だって」
悠「じゃあまずは誰が観察されてるか知らないといけないんだね」
夢汰「あの会長素晴らしい俺様だよね」
がわこ「この学校大丈夫かなぁ」














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