SOMYと書記



はいはい、どうも。
今日も元気な雛志悠さんです。

ただ今、事務所で数学のプリント真っ最中。
珍しいでしょ、ゲームじゃないの。
やりたいけどさ!

普段ちゃんと授業受けているのに何故かSOMY限定に配られてね。
声かトーマス似の数学教師からのプレゼントされた。
いい人だと思っていたのに裏切られたよッ!


紅夜「眠い暑い眠い」
がわこ「あー…」
夢汰「塩宮が溶けてる」


現実から逃げたいが為に遠くを見る夢汰とがわ。
がわはシャーペンじゃなくてお菓子を握る。
夢汰は携帯を弄って現実逃避。
隊長は暑いと眠いを繰り返しながらプリントをやり続ける。
衣替えが終わったからワイシャツだけでいいのに、ベストを着てる隊長は暑いだろうね。
流石にネクタイはしてないけど持ってるらしい。

事務所にエアコン設置するべきだよね。
そうすれば仕事すんのに。
隊長が仕事取らないけど!


―――コンコンッ



「失礼します!」

紅夜「帰れ」
がわこ「ちょ、かーさん!」


珍しく丁寧な客だったけど、隊長の帰れの一言。
そうだ、今は客だなんてどうでもいい。
依頼は今やりたくない!
私達にはこの憎たらしきプリントを終わらせなければならない。
これは戦いなんだ!

がわにお客さんだよ!って言われるけど、先生からのプレゼントが優先。
提出が明日だよ?
しかも、1限なんですね。
客なんかの相手をしている暇などない!


がわこ「お客さんに失礼でしょ!」
紅夜「ちょ、叩くな」
がわこ「お客さん!」
紅夜「肩がああああ」
がわこ「そんな強く叩いてないわ」


がわに叩かれたから肩を押さえて机に伏せていく隊長。
伏せてから寝ようとしたのがバレバレだよ!
がわに上から押さえつけられる。


悠「誠に申し訳ございませんが一昨日来て頂けるとこちら側も嬉しく・・・」
夢汰「堅苦しい・・・!しかも余計失礼だよ」


素晴らしい敬語を並べたがそれすらダメだったようだ。
きちんと謝罪を入れたのに!

今はプリントで余裕がない!
何でこのタイミングで来たんだっと恨んでやる程だよ。


悠「ってか珍しい。教師の声じゃ無かったね」
夢汰「過去形じゃないね。本人居るからね。ほら見て、あそこに男子生徒が居るよ」
悠「そんな見ている暇が無いんだ!」


隊長がプリントをスラスラ解いていく。
家に持ち帰ってやるのが嫌なんだろうね。
この場で終わらせようとしている。
私はそのプリントを自分のプリントの書き込んでいくだけだ。
この作業は、今しかできない・・・ッ!


悠「そんな、一昨日来た客なんて覚えてないよ」
がわこ「悠ちゃん、一昨日じゃなくて今居るからね」


そんな一般生徒からの客だなんてあるわけが無いってか無くていい。
仕事を受ける以前にプリントを提出しなくてはいけない。
何度でも言おう、プリントが優先だ!


夢汰「とりあえず依頼内容を・・・ってか入って良いよ。うん、放置してゴメンね。」


夢汰だけがプリントを止めて立ち上がる。
よし、客は夢汰に任せようじゃないか。


がわこ「どうぞ〜」


おま、がわまでもか!
がわは、顔を上げてソファーの方を指す。
プリントを止めて依頼内容を記入しているノートを取りに行く。

隊長と私はプリントから顔をあげない。
上げようだなんて思ってもいない。


「・・・、失礼します」


紅夜「入場料1万です」
悠「まいどー」

夢汰「かつあげしないの!」


いや、だって隊長が言うから。
SOMYの事務所に入るんだからお金ぐらい・・・。
それを言ったら夢汰にまた注意されたよっ!

声からして、男子生徒。
応接用のソファーで依頼を聞くところだろうね。


がわこ「ほら、一旦プリント辞めようか」
紅夜「今やんねぇと心臓が」
悠「今やらないと隊長のが写せないもん」
紅夜「ちょっと待て」


フッ、今更気がついたようだ。
プリントから答えを写していた私は今やるしかなかった。
だから珍しく落書きもしないで真面目だった!


夢汰「依頼は?っというか名前いいかな?」
渋谷「はい、2年A組の渋谷勇人です」


紅夜「・・・渋谷?」


やっと顔をあげた隊長には男子生徒の名前に聞き覚えがあるらしい。
その隙に隊長のプリントを奪い、書いていく。
ついでにがわと夢汰のプリントに落書きをしとく。


紅夜「全学級委員長の集まりで遅刻する渋谷か」
渋谷「それは生徒会の仕事があるので仕方がないことなんですけど」
夢汰「え、生徒会もやってんの!?」
悠「何それ面倒」
がわこ「本人が頑張ってるんだから」
夢汰「若いねぇ」
渋谷「若いって・・・、1学年違うだけですよ?」
がわこ「それで充分だわ」
悠「x=2x…」
紅夜「ちょ、プリント」


文字を書いていたら口に出てしまったようだ。
体調は私からプリントを奪い返してプリントをやりだす。
プリントが・・・、私のプリントが・・・!
隊長のプリントだけども!


夢汰「で、依頼内容は?」
渋谷「はい。先輩方、SOMYレンジャーのレポートを書かせて頂きます」

紅夜「却下」
がわこ「は?」
夢汰「断言したし」
悠「えー、面白そうじゃん」


予想もしていなかった依頼内容。
面白そうなことだった。


紅夜「毎回思うけどお前何」
渋谷「渋谷勇人です」
悠「確かにそうだよね!」

夢汰「夢汰さん依頼内容聞きたいなー」
がわこ「聞けばいいじゃない!」
悠「どうぞどうぞ」
紅夜「あ、すんません」


依頼内容を聞きたいんだって。
どうぞお聞きになってくださいっと私と隊長がプリントに戻る。


渋谷「前回の生徒会会議でSOMYレンジャーの行動を知りたいという事になりまして」
がわこ「どういう事になったんですか」
渋谷「えっ、そういう事なんです」
がわこ「あぁ、そういう事なんですね」
夢汰「(絶対解ってない・・・)」

渋谷「それで・・・、いいですか?」
夢汰「知らない方がいいかと…」
がわこ「企業秘密だよ」
紅夜「具体的に、どうやんの」
渋谷「学校にいる間、常にご一緒かと」
悠「行動しずらッ!」

渋谷「会長が書く前に許可を取れと言われたので来たんです」
がわこ「あれ、今の会長ってさ・・・」
夢汰「あの人でしょ。俺様の人でしょ」
悠「強制みたいですよ隊長!」
紅夜「ピクソニーのレポートでも書いてろ」


懐かしきピクソニーは何処行ったんだろう。
最後に見たのはいつだろう。
声だけでは会ったことがあるけど実際は見たことがないから居ても解らないんだけどね!


渋谷「1日だけでも良いんです!明日までに考えていただけないですか?」
がわこ「かーさん、1日ぐらい良いんじゃ・・・」
悠「良いじゃん隊長!」
紅夜「うん、却下。甘やかしてはいけません」
夢汰「オカンか」


司令官だよっとプリントをやり続けながら素っ気なく言う。


紅夜「よし、帰れ。プリントやるから」



渋谷くんは許可を貰えず帰っていった。














bkm
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