SOMYと生徒会



どーもどーも、ハジメマシテ。
この高校の秩序、生徒会長デス。

最近、暑い日ばっかだよなぁ。
衣替えも終わったから半袖の生徒も出てきたし。

俺が生徒会長を務める学校は駅から山を1つ越したところにある。
電車で2つ駅ほど行き、駅から坂を登る。

これだけでも疲れんだよな。
でも登り終わったと思えば今度は学校まで降る。
おかげで足が鍛えられてるけど。
夏はすんげぇの、汗か!

そんな高校は地域連携とかなんとかで。
2年前から地域のお祭りなどに多く参加してんの。
主に参加するのは部活動と俺ら生徒会。

もう1つ、SOMYレンジャー。

SOMYレンジャーを名前だけ知っている生徒や組織名だけ知っている人だっている。
ぶっちゃけ、俺もよくわかんねーの。
名前を知っているのは放送を行ったから。
でも実際に関わってない生徒が多い。
一般生徒からしたら謎の塊で教師からしても謎なんだよなぁ。


「会長、全員揃いました」


会長、と呼ばれて意識が戻る。
最初は俺だけがいた生徒会室に今では全員が集まっていた。
少し考えていただけでいつの間にかだよな。
しかも集合時間5分前。
なんて凄い奴らなんだ!


「よし、始めるとするか!」


「では、これより、生徒会会議を始めます。進行は私、2年の清水理沙が務めさせて頂きます」


俺の向かいで軽く礼をする清水。
暑いのにネクタイを崩さずに付けているほどきちんとしてる。
冷静で真面目過ぎんだろって思う奴。
2年だけど意見がしっかりして責任感がある。
だから議長を任せている。
特にすげーのは3年でもちゃんと注意できるとこ。
おかげで会議がスラスラ進む。

清水は今回の会議の流れを伝えた後、「現状報告」と一言。

始まったのは2週間に1度やってる生徒会会議。
クラスでの問題とかを学級委員長と委員会の委員長から聞いて、問題があった場合は生徒会会議で報告をする。
だいたいは問題があるんだが・・・。


「はい、1年では遅刻が多く授業に慣れてきたのか寝る生徒も増えてきました。先生への反発も見られるそうです。また、先日に窓ガラスの紛失、壁の破損などあります」
「元気過ぎんだろ」


壁の破損とか、元気が有り余ってんな!
他に使えよ。
真面目に授業を受けない1年をどうやって受けさせようか。
窓を割ることがある生徒にはどうしてやろうか・・・。
楽しみでついつい口角が上がっちゃう。


「紛失した窓は防弾ガラスにされました」
「あ、頑丈にしたのか」

「それと・・・、1年では無いのですが、SOMYレンジャーと名乗る先輩が自販の前で“アイスの自販は何で無いのさッ!”っとゲームをしながら自販機を蹴っているのが気になるという意見がありました」

「SOMYだと・・・?」


清水「次、2年です」


報告を先にさせたいのはわかるが・・・、わかるけど。
清水のスルースキルがハンパねぇ。

報告を終えた生徒は座り、替わって2年生担当が立つ。


「2年は気が抜けているのが多く遅刻と早退が多い様です。授業中に寝るのはもちろん、ゲームや音楽を聞くのが増えています」
「・・・誰かわかるか?」
「俺ですね」


お ま え か !

俺の素晴らしきコントロールで報告をしていた生徒の頭に見事に命中。
ついつい反射で投げちったわ。
どうせ慣れたことだし、誰も驚かない。
笑ってたり呆れていたり。


「あ、あと自販機の前にてお菓子を抱えて“ミルクティーがカフェオレに変わったんだけどッ!”っと不満で自販機を蹴っている奴を注意したところ、SOMYレンジャーという先輩でした」

「・・・」


またかっとため息しか出ねぇわ。
自販機を蹴る・・・だと?
しかも同じSOMYが。

悩む俺を余所に清水が3年の報告を指示する。
はいはい、とりあえず報告を終わらせたいんだな。


「3年は就職や進学などを意識してるのか授業を真面目に受けています。早退は少し居ますが遅刻は滅多にありません。先週でしたか、A組に転校生が入りました」
「あー、そうだったな」

「それと、ガンプラを持った生徒が“ミルクティーをカフェオレが乗っとったぜ”っと嬉しそうに自販機に飛び蹴りして壊したというのを聞き、誰だと聞いたところSOMYレンジャーでした」


「ついに壊したのかよ!!」


だから何で蹴るんだよッ!
しかも、ついには壊した!
多分蹴っていたのは同じ自販機だろうけど。
何故飛び蹴りまでしたんだ!

レンジャーものというのは正義のハズ…。
報告を聞くと正義どころか破壊神になっている。

まさか俺の学校で…。
しかも報告を聞く限り同じ学年だろ?
俺が気がつかなかったとは…!


清水「会長」
「何だ清水」
清水「教師の方からですが、壊した自販機の部品をバラバラにして“Skypeの電波が届かない!”っと校長に部品を投げる生徒が居たというのを聞きました」
「・・・SOMYレンジャーか?」
清水「はい」


一切の表情を変えず言う清水。

名前は知っている。
ってか名前ぐらいしか知らない。
翌々考えるとSOMYレンジャーって何なんだ。

自販機を壊す集団?
そんなわけがない、困ったら依頼がなんとかって放送してたし!


「そいつら、ちゃんと活動してるのか?」
清水「いつだか授業中に校内放送で呼ばれていたのを聴きました」

「俺は放課後に校内走って何か探してる様子も見ました」
「あ、私も走って応接室に向かうのを見ました」


走ってばかりじゃね?
忙しいってことか?
そう聞いてみるとやっている様な行動は見るが、具体的にわからないらしい。

さて、そんな奴らをどうするか。
どうするも何も、俺は良く知らない奴ら。
同学年なんだけどなぁ…。
まずは相手を知らなくてはいけない。


「2年、渋谷」

渋谷「はい?」


返事と共に立ち上がった渋谷。
急に呼ばれてビックリしてっけど!


「SOMYレンジャーに密着してレポート書いてこい」
渋谷「え、自分が、・・・ですか?」


まぁ、お前だけじゃないけど。
一応、今は渋谷だけ。

あぁ、ついつい口角が上がる。
清水と目が合えば呆れた顔してやがった。
絶対何か企んでるなぁっと思ってんだろ。

とりあえず一応、許可取りに行かせるか。











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