4月のある日。
4人の女子高生が無事に高校3年生となった。
進級と同時にSOMYレンジャーというものを誕生させた。
それぞれ、違う色のヘッドフォンを持って机を向かい合わせて話し合う。
紅夜「じゃあ私は世界と政治を守ろっかなぁ」
SOMYレンジャー司令官、大月紅夜。
3年A組の学級委員長と吹奏楽部の部長を務めている。
黒髪の癖っ毛に白黒のヘッドフォンを首に下げている。
ネクタイをきちんと付けて、灰色のセーターを着ている。
机に肘をつき、気怠そうな表情。
守ると言った世界と政治などの社会的なものは正直苦手。
そんなものまったく興味が無い。
夢汰「オレは人間の愛と変態の恋!」
SOMYレンジャーレッド、長門夢汰。
3Aの学級副委員長、吹奏楽部所属。
身長が170近くある夢汰は足を組んでドヤ顔。
赤茶の髪につけた赤いヘッドフォンをし、更に赤いセーターで真っ赤。
ネクタイは鞄の中にあるらしく、着用する気は無い。
手には携帯を持ち、机にはiPadを置いていた。
ドヤ顔に腹立つからどっちかの画面を割ってもいいだろう。
悠「アイスと自分の本を守るよ!」
SOMYレンジャーブルーの雛志悠。
放送委員長、吹奏楽部の副部長を務める。
青メッシュの入った黒髪に青いヘッドフォン。
セーターも青。
ネクタイは、というと失くしたと答える。
自分のものだけを守る宣言をしていた。
ゲームを中断し、何度も繰り広げられる決めポーズの意味が解らない。
がわこ「ならウチは自分のパソコンとバナナ…!」
SOMYレンジャーのホワイトの塩宮がわこ。
文化委員長、吹奏楽部所属。
メガネをくいっと上げてカッコつけようとしている。
真顔で言い始めた言葉がら、途中でハッとさせた。
茶色の髪につけようとした白いヘッドフォンを持ち、硬直していた。
がわこ「間違えた間違えた、チョコレート!」
夢汰「チョコとバナナ間違えちゃったの・・・?」
がわこ「うるさい変態の恋ッ!」
夢汰「オレが変態の恋みたいじゃん!」
がわこ「え、違うの?(真顔)」
夢汰「傷ついた。全夢汰が傷ついた」
がわこ「夢汰が何人もいたら狩るよ」
悠「ワオ」
紅夜「眠たい」
夢汰「何でバナナ言ったの」
がわこ「だって、廊下にバナナ持った男子がいたから・・・!」
悠「ワオ!」
紅夜「ワオって言えば何でもいいと思うなよ」
悠「ワオ!」
紅夜「・・・ゲームに集中して話解ってないな」
紅夜の言葉は聞こえたのかバンバンバンッと机を叩く悠。違うと訴えているのだろうか。
落ち着くように言うがいつもの高いテンション。
こちらからの言葉は聞こえてはいるんだろうけど机は何度も何度も理不尽に叩かれる。
夢汰「バナナー!バナナ!」
がわこ「うっさい変態!」
悠「やーい、バナナー!」
がわこ「お前もか!」
紅夜「ちょ、うるっさいわねぇ!静かにできないんだら外いきなさいよ、外!」
がわこ「だってかーさん!夢汰が!」
夢汰「母さん違うんだよ!塩宮がバナナ!」
紅夜「がわさんはバナナじゃなくて塩だろ」
夢汰「そうだけど!」
がわこ「ちがうよッ!だいたい、かーさんだって政治とか守る気無いでしょ!」
紅夜「ガンプラと猫だよね」
がわこ「ほらー!」
紅夜「…会議をしよう」
夢汰「マジか。急にだよね!」
がわこ「OK、会議をしようか」
悠「OK OK、会議をしようか」
ふざけていた2人がけじめをつけたかのように真剣な顔をする。
叩かれた机も音を無くしていた。
無駄にキリッとした顔はキリッとしててもふざけている様にしか見えなかった。
それぞれお菓子とゲームを持っていた。
紅夜「今日の議題はですね」
悠「アヒャヒャヒャ」
がわこ「なんで笑った!」
夢汰「笑い方怖いんだけど」
紅夜「残念ながら、お子さんはもう助かりません」
夢汰「死んだ・・・!」
がわこ「悠ちゃああああああああん!」
ガクッと机に伏せる悠の机をバンバンと叩くがわこ。
そんながわこを見ながら紅夜はケラケラしていた。
紅夜「よし、バナn、じゃねぇや。会議を始めよう」
がわこ「人の傷口えぐらないで!」
悠「もうライフはゼロよ!」
紅夜「私のノリの良さ故に。ってかチョコバナナになるな」
がわこ「もうやめてくれ」
悠「OK、会議を始めよう」
脱線していた話を無理矢理戻す。
がわこはガタッと机に伏せた。
本当にライフはゼロの様だ。
がわこ「最近敵が居ないんだよね〜」
夢汰「敵を待っちゃ駄目でしょ」
紅夜「もう君ら殺られよう、司令官大変」
悠「SOMYレンジャーブルーは無敵なんだよ!」
夢汰「ブルー限定?」
紅夜「落ち着け落ち着け」
悠「いやいや、隊長だってヒュンヒュンしてるじゃんか」
紅夜「してない、してない」
夢汰「してたって」
紅夜「してないって。ねぇ、がわさん?」
がわこ「え、何」
夢汰「塩宮は何故お菓子食べようとしてるのかな」
「センパーイ!いつ部活始めるんですか?」
紅夜「・・・基礎練やりまーす!」
夢汰「あぁ、もう駄目」
がわこ「ほんともう駄目だよ」
悠「ほんんと駄目」
とりあえずSOMYレンジャーが誕生。