面が良いから仕方ない! | ナノ

もうちっと続くんじゃ

「轟くんいますか?」
「あー、轟ならさっき他の子に呼び出されてどっかいったよ」

どうもおはようございますこんにちはこんばんは苗字名前です。いやー、前回のインテは楽しかったねー!!その後のホテルは置いといて。あのド変態絶倫轟焦凍め・・・。次の日は痛む腰を抱えながらお好み焼き食べに行ったよ。焦凍くんお好み焼きひっくり返すの下手でベシャッってなったんだけどどういうこと??わたしをひっくり返すのはあんなに上手いのにお好み焼きをひっくり返すのは引くくらい下手だったんだけど??でもひっくり返して失敗したあとちょっと恥ずかしそうにちらりとこっちを見たのでその面が良すぎて100点満点花丸でした。失敗したお好み焼きはもちろん焦凍くんが食べた。え?そこはわたしが食べるって??なんで??わたしはわたしのひっくり返したやつ食べるし。
その後も少しだけ観光して新幹線でブーンって帰ったけど、観光中またポケモンバトルになりそうだったのにヤキモチを焼かせたかったのは本当だったらしく、ポケモンのメスが寄ってきてもサッサとあしらってたのをみてガチだったんだ・・・と思いました。まる。おっぱい大きい人がきても全く興味なさげに振り払ってたから、ふーーーーんってなった。ほう・・・。なるほどな・・・。まあ悪い気分じゃないね・・・。
そしてなんか知らんけど道に迷ったって近づいてきた男の人にガンギマリフェイス決めてて、初期ろきくん?!?!ってなってるうちに道がわかったらしく男の人は転がって離れてったわ。なんでそんな威嚇を・・・。美人が凄むと怖いんだよ?!わたしにはその顔あんまりしないでね怖いから、面良いけど。
そんなこんなあって帰ってきて日常にもどりはや数週間。
季節はバレンタインでした。

そう!!!バレンタイン!!!朝一緒に登校したら靴箱から溢れ出るチョコ!!!教室にいったら机の上から中から溢れ出るチョコ!!!そして休み時間の度に呼び出される焦凍!!!そしてもちかえるチョコ!!!
なんなん・・・?バレンタインってそんな、そんな総ナメできるイベントだった・・・??なんかもう凄すぎて女からモテモテでやきもちどころかドン引きだわ。隣のももちゃんに袋を作って貰って入れてるけどそれ食べれんの??全部食べんの??どうするの・・・??
峰田とか血涙流してたけどもうドン引きしてるもん。みんな引いてるわあまりの凄さに。そしてチョコを渡してくる女子の殺気よ。え?これ告白とかじゃないの??なんで殺気なの??仕留めるの??焦凍くんのこと仕留めるの??焦凍くん・・・良い奴だったよ・・・。

「名前ちゃん」
「マイスウィートエンジェル梅雨ちゃんどうしたんだい?」
「これ名前ちゃんに」
「エッ」

焦凍くんの屍をこえていく想像をしてたら肩をちょんちょんとされてまるで天使のような声の梅雨ちゃんに名前を呼ばれたのだった。oh......梅雨ちゃん今日もとっても可愛いね結婚しよう(定期)梅雨ちゃん何かな??って思ってたら梅雨ちゃんからちょ、チョコ・・・?チョコ?!梅雨ちゃんからチョコ?!?!わたしに?!梅雨ちゃんから?!はァ!!!!ここは間違いなく天国!!!GOTOヘブン!!わなわなしながらチョコを受け取って梅雨ちゃんをみるとニッコリした。そのニッコリの光でわたしは消滅した。

「梅雨ちゃん・・・・・・ありがとう・・・・・・!一生大事にするね・・・!」
「できれば今日食べて欲しいわ」
「でも食べたら無くなっちゃわない?!」
「わたしの愛は無くならないわ」
「ちゅゆちゃん・・・ッ」

もうこれ家宝だわって思ってたら食べて欲しいって言われた・・・。食べたらなくなるじゃん家宝が。梅雨ちゃんから貰ったバレンタインチョコだよ?!なくしたくないじゃん・・・!!クッ・・・ってしてたら愛はなくならないって、愛・・・梅雨ちゃんからの・・・愛!!!
感激しすぎてぎゅうぎゅうに抱きついたらよしよししてくれた。嬉しすぎる・・・。梅雨ちゃんすき・・・。結婚しよう・・・。なんか結婚って単語でさっきから頭の隅でチラッチラ焦凍くん出てくるけど落ち着いて帰ってください。

「梅雨ちゃんわたしもチョコあるよ!」
「あら本当?」
「もちろんさ!!!わたしが梅雨ちゃんにあげないわけないじゃんんん」
「嬉しいわ」

梅雨ちゃんを一通りぺろっぺろ()してからジャジャーン!と取り出したるはチョコレートなり!市販のチョコ!!でも少しお高い可愛すぎるチョコなのだ!!なんか宇宙や宝石がモチーフのチョコのおみせだから見た目がそれはもう可愛すぎる!!可愛すぎてたべるのもったいないけど食べる!!モガっ!おいしい!!!って過去になったのでそれを梅雨ちゃんにも味わってもらいたく買ってきたで候。
嬉しいわと受け取ってくれる梅雨ちゃんにはうううってなりながら、あとでチョコ一緒に食べようねって約束した。もちろんみんなにもチョコあげたよ。男子はチロルチョコで女子はそれなりのチョコ!!梅雨ちゃんだけ特別扱いじゃん?って?そりゃそうよ梅雨ちゃんラブだもの・・・。もちろんみんな好きだけどね!!
なお休み時間ギリギリで帰ってきた焦凍くんはこれまた両手に溢れんばかりのチョコを持っていてこの雄英高校の女子全員から貰ってる疑惑が浮上した。ないと思うけどね。








学校も終わってさあ帰るかってカバンに荷物を詰めてたらまた焦凍くんは呼び出しをくらい荷物の整理も出来ずに連れてかれていった。おい・・・もう両手の紙袋で持ちきれないくらいのチョコあんのにまだ貰うんか・・・?本当にこのチョコたちどうなんの・・・??なお1個も貰えてない峰田が焦凍くんがいない隙にひとつチョコを奪っていっていた。お前にプライドはないのか??まあひとつくらいなくなったところで誰も気づきはしないさ。持ってかれたチョコの送り主が可哀想だけれども・・・。運が悪かったと思え・・・。

学校から帰ってきてタッタカターと部屋に戻り、制服から楽な部屋着にパッと着替えます。楽な格好じゃないと疲れるしね制服のシワとか気にするし。いや気にしないけど楽な体制でいたいじゃん??
とりあえず今日はダラダラしてちゃいられないんだ早く動かねば!!
着替えの時に乱れた髪を適当に手ぐしでパッパて直して携帯とお菓子持って部屋をコロコロと転がりでた。そのままエレベーターにドーン!4階ボタンバーン!!階段上がってった方がはやいかもしれんけど誰も使ってないなら使ってよくね?はやさより疲れを取るよ名前ちゃんは。
チーン!と目的の階に着いた音が鳴ってまたエレベーターのドアが開いたからころころと転がりでて目指せ勝己くんの部屋!!


「かつきくんー!」
「あ?」
「今日バレンタインイベじゃん!!やろ!!一緒にやって!」
「頼み方がなってねぇ」
「お願いします大爆殺神ダイナマイト様何卒・・・何卒・・・」

ドアをコンコンコン!!とノックして勝己くんを呼ぶとドアが開いて勝己くんが出てきたけどなんだかちょっとぶすくれてるか?まあ険しい顔してんのはいつもか。そんなことよりバレンタインイベだよ!!いつもやってるゲームアプリでバレンタインイベやってんのいまね。限定アイテムとか装備とかあるから最終ダンジョンまで進めたいじゃん?そうなるとやはり大爆殺神ダイナマイト様のお力をお借りする方がよっぽど早く到達できるし、周回まで出来ちゃうもんね。持つべきものはランカーの飼い主よ。

頼み方に不満を訴えたのでそこはもう90度にお辞儀して下から、それはもう下からお願いした。プライドもくそもないんだわ。大事なのはクエストを共にやってもらうこと。ただそれだけさっ!
それをみた勝己くんは無言で部屋の中に踵を返したのでこれは成功です!!やってくれるでしょう!!!やったねー!!キャー!と喜びながら勝己くんの後をついてってベッドにもたれ掛かる勝己くんの横に座った。定位置定位置!!もう勝己くんの部屋用に持ってきたクッションも長らくここに居候してるからこの部屋にあっても馴染んでるね!!たとえそれ1個だけがオレンジ色だとしても!!

「えっ、勝己くんもう1周したの?!」
「楽勝だわ」
「流石だ・・・すげぇよ・・・」

横でゲーム画面をひらく勝己くんを見ながらわたしもアプリのアイコン押してワクワクしてたら、勝己くんイベもう最後まで進んでるのに気づいてギョッとした。え?勝己くん昨日夜更かししたってこと?!夜更かししてクリアしたってこと?!それじゃあほんとにわたしのお手伝いと周回じゃん・・・ありがてぇ・・・。
ありがてぇと感謝してたらゲームのホーム画面になって、さあまずログインボーナスの回収を、とプレゼント画面開いたらログインボーナスの他にプレゼントが、って、

「ダイナマイトさんから?!」
「うっせぇ」
「あいたっ」

あんまりにもビックリしてはァ?!ってなってたら横から軽くはたかれた。いや確かに横で大声出したらうるさいわごめんね。でもビックリするやんだってダイナマイトさんからプレゼント来てるよ?!ダイナマイトさんてダイナマイトさんだよ!!横にいるこのダイナマイトさんだよ!!!

「な、何かな・・・!・・・・・・こ、これは・・・!!!」

な、何を・・・?!とドキドキしながら開いたら、そこには今回のイベント限定の衣装が入ってた。しかもごく稀にドロップするめちゃくちゃ可愛いやつで、たしか、たしかペア衣装だ・・・!!!なんてったってバレンタインイベだしね!!ペア衣装とか普通にあるよ!!え?!やば!!これめちゃくちゃ高値で取引されたりするよ?!だってなかなかドロップしないし可愛いしペア衣装だし!!
うっそー!うっそ・・・。ドロップしたらラッキーだなとしか思ってなかったのに・・・!!やば!!

「えっ、えっ!いいの?!これ!!」
「俺はいらねぇからな」
「かっ、勝己くんは、・・・着てる!!男の子の方着てるじゃん!!オソロだ!!」
「ステータスが上がんだよ」
「わー可愛い!!最高!!ありがとう勝己くん!!」
「おー」

勝己くんの画面覗いたら勝己くんも着てた!!たしかにイベ限衣装だからこれ着てるとイベントステージ進めやすいしね!!やっばめちゃくちゃかわいいじゃん!!もう最高だわ!!何も言うことねぇ!!こんなに強い味方いていいんか?!いいんだわ!!!
大爆殺神ダイナマイト最高!!と横の勝己くんにテンションあがって思わず飛びついたけど、「うっせえ」ってすぐに振り払われると思ったら振り払われんかった!!あーー持つべ物は優しくて強い飼い主だわー!!!

「名前チャンよォ」
「なにー?」
「ここでそういうことすんのって、誘ってるってことでいいんか?」
「へ?」
「名前チャンから続きがしたいって誘われるとは思わんかったわ」
「へっ?え?!あっ!!ちょ!!ちが!!」

嬉しくってベターっとついくっついてしまっていたら勝己くんが名前呼んだので見上げると、ニヤーっといやらしく笑って誘って、続きって、あ?!え?!?!はい?!?!何?!続きってあの続きか?!はあ!!!ヤベェ!!ってパニックになって離れようとした瞬間にぐるーんって視界が回って気がついたら床に倒れてるし上に勝己くんいるし、これは、これはやらかした・・・!!!あんまりにも嬉しくってやらかしたわ・・・!!!

「実家じゃなかったらいいんだモンな」
「よくないよくない!!なんにも良くないよ?!」
「まァ楽しもうや」
「楽しまなーい!!!あっちょっ、まっ、ッセイ!」
「ぶっ」

実家じゃなかったらいい?!よくないよね?!あの時のあれは言葉の綾だよね?!言い方も悪かったかもしれないけど実家じゃなかったらことに及ぼうぜ!なんてことにはならんのだよ!!するすると部屋着の裾から手が入ってこようとするのでちょ待てよ!!とじたばたするもそりゃふた周りも違う勝己くんにはかなわんのだよ!!どうする!!名前どうする!!考えろおおお!!ってわたわたしてたら手に持ってきたお菓子が当たって、それをとりあえず引っ掴んで勝己くんの顔にシューー!エキサイティンッ!!ちょっと強引だけど中ぐちゃぐちゃになってないか?!なってても仕方ないね!!

「・・・オイ」
「それ!!それ勝己くんにバレンタイン!!!」
「・・・は?」

顔に押し付けられたお菓子のせいかドスの効いた声が聞こえてきたけど、それ勝己くんにバレンタインだよおおって言うことでなんとか回避した。は?って言ってるすきにさかさか下から抜け出してあっぶねええええ!!ってはあはあしてたら動きの止まってた勝己くんが床に落ちたお菓子を拾った。そうそれ君へのバレンタインやで

「・・・チロルは」
「あれもそうだよ!でも勝己くんには日頃からお世話になってるから、別にね!」
「・・・ふーん」

手作りもしようと思ったけど名前ちゃんは(薄い本を読んだりゲームしたりホモを摂取したりで)忙しいんでね!!市販のチョコレートですが美味しいやつですから。みんなの前で勝己くん別にあげるとなんか峰田とかうるさそうだから後であげようと思って持ってきたけど、持ってきてよかった・・・。チョコ、ありがとな・・・。
勝己くんは拾ったチョコをしみじみ見ながらまたベッドに寄りかかった。ふう、落ち着いたらしい・・・。落ち着いたんならゲームしようぜ時間は限られてんだ

「いつも?いろいろ?ありがとう?」
「疑問符が見えてんだわすんならしっかり感謝しろ」
「まあまあ!ささっ、ゲームしよ!夕飯まで時間は限られてんだ!」

押し倒された時に転がった携帯を回収して勝己くんの隣に座り直すけど、勝己くんはまじまじとチョコを見たままゲーム始めない。ちょっと、クエスト始めたいんで参加してもらってもいいですか??そんなにチョコ好きか?と勝己くんを覗いたらチラッと目が合った。おっ、こっち見

「・・・」
「お返しはそれの100倍くれぇのやつしてやっから期待してろ」
「・・・・・・はい?」

た、と思ったら勝己くんの顔が目の前にあって唇にふにっとしたものがあたった。
うん・・・・・・。100倍???これの???
てか、ほぼノーモーションかよ!!!!







「名前」
「うん」
「名前」
「はあ」
「名前」
「え?何?なんでこんな名前呼ばれてる??」

勝己くんにキッスされて固まってたら勝己くんクエスト受けててゲーム始まったから急いで携帯見たけど、は?いまのキッスか?!わたしまたされたんか?!隙がデカすぎる!!わたし隙がデカいわ!!!こんなんでヒーローやってけんのか?!やってくけどな!!てか勝己くんの動きが猛者なんだよわたしは悪くない。
夕飯までゲームしてお夕飯で解散して、食べた後にシャワー入ってさあ通販で届いた薄い本でも読むかなとテーブルに置いてある本を手に取ろうとした瞬間にノックの音が聞こえて、誰?梅雨ちゃんか???とドア開けたら本日の主役焦凍くんがいた。いやもう主役じゃんあんなに貰ってたら。バレンタインって焦凍くんの為のイベントだったんだもんね??去年もあんなに貰ってたかは覚えてないけど。それなりには貰ってたと思うよ!妄想の中では勝己くんと緑谷くんからチョコ貰ってたしね。いやーあの時はカプ固定してなかったから轟爆と轟出も吸ってたし。いまは焦凍くんが勝己くん好きだから固定したけどね。
で、焦凍くんがなんかそわそわしてたからなんぞ?と思いつつ部屋にあげたんだけど。まあとりあえず座るかって座ったら前に膝を突き合わせるように座って名前を連呼し始めたんですけどね。にこにこしながら。うっ面が良い・・・。でもちょっとよくわかんないわ・・・。

「?まだかなって」
「?まだ?」
「チョコ」
「チョコ?!あんなに貰っといてチョコの催促?!」

なんで呼ぶのかと思ったらチョコの催促だった。
は???あんなに学校中のチョコ集めといて?!?!まだ欲しいんか?!?こいつ頭おかしいのか?!いやド変態だからおかしいのかもしれんけど!!

「あれは、手作りは何が入ってるかわかんねぇから申し訳ねぇけど食べねぇ。食べんなって言われてたしな」
「たしかに。・・・誰に?」
「クソ親父」
「エンデヴァー・・・」

たしかに焦凍くん高校からもて始めたわけじゃなさそうだもんね。そりゃこんな顔面国宝いたら小中モテモテだわチョコだって持って帰ってくるよな。何入ってるかわかんないから食べるなってのはわかる。それをエンデヴァーが言ってんのがなんかね。わかる?なんかね・・・。

「ほかのは?」
「寄付してきた。食べられないならそうした方がいいって姉さんが言ってたから」
「たしかにフードロス問題とかね・・・。偉いね・・・。」
「ちゃんと直接貰った時は食えねぇって話はしてる。受け取れないって言っても押し付けて消えてくやつが多くて」
「気持ちだけでも受け取ってくれってやつだね・・・。」

あの有り余りすぎるチョコの処理ちゃんとしてたわ。あんな寮と学校1往復じゃ持って帰れないくらいの量のやつそりゃ食べれないよね。焦凍くんへの愛が食糧難の人を救う。すげぇよ・・・。
そして押し付けて消えるのわかる。そういう人沢山居そうだもんね・・・。

「じゃあ何個食べたの?」
「食べてねぇ」
「え?1個も?」
「ああ」
「なんで?!嫌いだっけ?!」
「いや?チョコ食える。俺は名前からのチョコしかいらねぇから」

何個食べた?って聞いたら1個も食べてないって。1個も・・・。1個も?!もったいな!!絶対高級なチョコとかあったじゃん!!ごでばとか!!デパ地下のチョコもあったかもよ?!絶対美味しいのに・・・!嫌いだっけ?!チョコ!!と思ったらわたしからのチョコしかいらねぇからとか。はあ・・・??やめろよ・・・・・・。

「名前はチョコくれねぇの?」
「・・・・・・あるけど」

軽率に喜んじゃうだろ・・・。嬉しくなっちゃうだろ・・・。照れちゃうだろ・・・。好きな人にお前のチョコしかいらねぇとか言われたら、期待しちゃうだろ・・・!!もう!!勝己くんからチョコ貰えや!!!

「焦凍くん、沢山貰ってたから、いらないかなって」
「そんなわけねぇだろ」
「だから、わたし自分で食べ、」
「食べたのか?!」
「・・・てないです」
「そうか・・・」

そりゃ本命ですからチョコはもちろん用意しましたけど、あんなに貰ってるの見たらわたしのいらねーなってなるじゃん??むしろ追い討ちじゃん。トドメじゃん。
どうせ要らんだろうしって今まさに薄い本読みながら食べようと思ってたところだったんですよ。でも食べ、って言ったら食い気味に食べたのか?!って言ってくるのビックリするからやめて!!そして食べてないの分かったらあからさまにホッとするじゃん・・・。

「い、いる?わたしのチョコ」
「むしろ名前のチョコだけ欲しい」
「またそういうこと言う!」
「事実だからな」
「ぐぬぬ」

チョコ欲しい?って言ったらわたしのチョコだけ欲しいとか・・・。やめてそんな顔面国宝で言わないで!!!きゅんきゅんするじゃん!!好きな人にそんなこと言われて喜ばない女なんている?!いないから!!!なんなん!!練習の恋人でしょ!!
この前から甘いんだよ!!!結婚するとか!!!もう!!!お前と結婚するのは勝己くんだろ!!!
焦凍くんがキラキラした目で見つめてくるのでウッ面が・・・ッってなりながら隠してたチョコだした。もちろん市販ですわたしは忙しいんでね()

「・・・はい」
「ありがとな、一生大事にする」
「いや食えよ!!」

一生大事にすんな!!!カビ生えるだろ!!!おぞましいものになっちまうからやめろ!!!渡したチョコを懇切丁寧に胸に抱えて微笑む焦凍くんに突っ込みつつ面が良すぎる・・・ッ眩しい・・・ッと目を細めた。焦凍くん後光はこれデフォルトなん??装備外したりできる??

「でも勿体ねぇよ」
「来年もあげるから!ね!」
「来年も?」
「うん!!だからそれ食べよう?!」

チョコを見つめて勿体ないって言うけど食べ物は勿体ない精神だすと軽率に死んでいくからね、、。食べ盛り(?)の時に食べてくれ。それ美味しいから。来年もあげるから今年のは食ってくれと言うと来年も?と少し目を丸くした。顔面国宝は目を丸くしてもカッコよすぎるな??

「再来年もか」
「再来年?まあ再来年も・・・」
「その次も?」
「その次も」
「その次もか?」
「わかった!わかったあげるからね!!焦凍くんが要らねって言うまであげるわ!!」
「そうか」

一体何年先分のチョコの約束してんの??わたしたち練習関係いつ終わるかわからんってか近いうちに終わるのにチョコいるんか??まあ焦凍くんがいるって言うならあげるけどさ・・・。まあ求められるうちは悪い気全くしないし、むしろ渡したいから嬉しいけども!

「名前こっちきて」
「え?」
「ほら」
「えー・・・」

チョコの確約ができた焦凍くんは嬉しそうに微笑むと、ウッ面が・・・ッ。わたしのあげたチョコをテーブルに置いて両手を広げた。こっちってそこ??抱きしめてくれるってこと??いや、いや・・・なんか素面でいくの恥ずかしいじゃん・・・。いや酒なんて飲まないけど勢いとかそういうのないとさ恥ずかしいじゃんわかれよ。

「名前」
「う、」

名前呼んで催促してくるから、これいかないと終わらんな・・・行くしかねぇ覚悟決めろ名前!!と覚悟を決めた割にはのそのそ動いて焦凍くんの腕の中に収まった。うっ焦凍くんの匂い・・・!!あったかい・・・!!ううう

「好きだ」
「ひぇ」
「好きだよ」
「やめてくれ・・・」

ぎゅってされて耳元にあった髪が耳にかけられたと思ったら、耳元です、好きだなんて言う・・・!!!何回も言うな・・・!!囁くようにいうなよきゅんきゅんしちゃうだろ・・・!!!恥ずかしくて嬉しくて死んじゃうからやめろ・・・!!!

「明日も、1ヶ月後も、来年も、何年先も」
「・・・?」
「ずっとそばにいて」

そういって髪に顔埋めてスンってした、おい匂い嗅ぐな!!
ぐぬぬぬって恥ずかしさと嬉しさとなんか色々な感情でぐちゃぐちゃになりながら、胸の前にあった手を焦凍くんの背中にまわした。背中ひろ!!!そして余計ぎゅって抱きしめんな!!焦凍くんは力加減が出来ないんだから・・・。早くできるようになってくれ、わたしが死ぬ前に。

「・・・焦凍くんが、そう言うなら、」
「うん」
「焦凍くんが、もういいよって言うまで、・・・いてあげないこともないけど、」
「うん・・・嬉しい」

焦凍くんの胸元に顔を埋めながらもごもごと小っ恥ずかしいことを話してるけどこれもう顔見れないわ。恥ずかしいしわたし顔真っ赤だろうし、顔面国宝が顔近すぎんのは心臓に悪いんだい。顔面国宝のひたすらに臭いセリフとかもね!!焦凍くんがいうと臭いセリフも輝くからおかしい。

「こっちみて」
「やだ」
「名前、顔が見てぇよ」
「やだー・・・。」

何この甘ったるい雰囲気!!!バレンタインだから?!バレンタインだからなの?!!空気までチョコになったのか?!?!
抱きしめられてた手が緩められてそっと肩を掴まれてから体を離すから、必死で顔を胸元に埋めようとするけどこいつパワーSだから見た目優しいのに意外と強い力で引き剥がしてくんな?!クソっ抵抗できねぇ!!!

「真っ赤」
「うう、見るなぁ」
「かわいいな」
「うっ」
「・・・名前」
「なに・・・」
「好きだ、この世界の何よりも」


だから、好きって言ってからキスすんなって何回も言ってんだろ!!!!!




『次回予告!』
轟だ。無事に名前からチョコを貰えて嬉しい。真っ赤になってんのもかわいいしもう何よりも愛しい。これから先もずっとこうやって一緒にいてぇな。
こんな感じで気がつけば卒業で、さあ同棲結婚だと意気込んだ。ら、
・・・は?一緒に住まない?結婚しない?事務所も俺とエンデヴァー事務所じゃなくて・・・?
俺の幸せ結婚プロヒ生活が、音を立てて崩れ落ちていった。


次回!第3部 プロヒーロー編 「夢のひとり暮らし」 デュエルスタンバイ!!


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