面が良いから仕方ない! | ナノ

買った本はその日に読みたい

「いっ、いつも読んでましゅ・・・!」
「ありがとうございますー」

インテ、インテ最高・・・!!憧れの大好きな神絵師に会えるなんて・・・!そしてこの手で御本を買える!!何たる僥倖・・・!財布の中から今日の為にじゃらじゃら崩してきた100円玉と500円玉を取り出して提示された金額だけ払って、し、新刊を受け取った・・・!その時に頑張っていつも読んでます伝えたけどやっぱり噛んじまったわ。所詮雑魚なのでね。神絵師輝いてる・・・!てかなんで神絵師は見た目も神なの??なんでこんなに綺麗な人多いの??綺麗な人は軒並み腐ってるって思って大丈夫?え?ちがう?そうですか・・・。はひはひしながらスペースから離れて持参したエコバッグに大事に新刊をいれて中を見たらもうほくほくです。結構欲しいもの買えてるぞ・・・!今のところ新刊売り切れましたには出会ってない・・・!回り方も完璧なんだわ!!R18の本は姉の知り合いのは取り置きしてもらってるし姉と交代した時に買ってきてもらうことにしてるから大丈夫・・・!大手のは委託もあるし通販もあるから安心だわ・・・!!マジで神がかってる今回のイベント。そこかしこにキャラのコスプレして売ってる人もいるしほんと綺麗な人と可愛い人とかっこいい人ばっかで目の保養にしかならん。

「ねぇあのスペース売り子がめちゃくちゃかっこよくてやばいらしい!!」
「え?・・・まってわたし買いに行く予定ある!!いますぐ行こ!!」

うんうんと頷きながら歩いてたらかわいい女子二人がやべぇやべぇしながら歩いてるからなんぞやと思って話を聞いてたらすごいかっこいい人が売り子してるらしい!!なにそれ!!見に行かなきゃ・・・!!そんな話題になる人要チェックだろ!!かっこいいってことはコスプレかな?!どのキャラのコスプレだろ・・・!?やば滾る!!どのスペースかな?!わたしの宝の地図に載ってる人かな?!
わくわくしながら着いてったら異様な列が出来ててうわこのサークルすげー・・・。なんで壁じゃないんだ??こんなに列できてんのに・・・。しかもみんなキャッキャして前の方覗こうとしてるし。え?なんのサークル??
最後尾こちらですの札の方にいって、なんの最後尾か確認した・・・ら・・・。

「エッ」

最後尾の札に書いてあるスペースとサークル名が、スペースとサークル名が・・・!!あ、姉のサークル!!!と、いうことはうちのスペース?!?!か、かっこいい売り子って・・・まさか?!?!
マジで?!ってなって急ぎ足で列の先頭に向かうと先頭の方が光り輝いて、ま、眩しッ・・・!!!
ぐわあああってなって両腕で顔を覆って、その眩さに負けじと目を開くとそこには

「600円です。ありがとうございます」
「はっ、はい・・・!」
「これノベルティです」
「あっ、あ、ありがとうございま・・・っ!」

これでもかと光り輝いた顔面国宝が本を売っていた。しかもありがとうございますの時に少しにこ・・・って笑うから買ってる人軒並み心臓撃ち抜かれてる。だよね・・・そうだよね・・・。だって売り子頼んだもん・・・顔面国宝、焦凍くんに・・・。姉なんてもう見えないもんね。焦凍くんの後光のせいで影になってて全く見えない。でもなんか動いてるから多分スケブ描いてるなあれは。
いやそれにしても焦凍くんやっぱりすごいかっこいいな・・・。今日も髪型も服装もバッチバチに決めてきてるからちょっとしたら芸能人より芸能人だよ。あの人なんかの映画でてた?ってレベル。え、本当にわたしあそこにいる焦凍くんと普段いちゃこらしちゃってんの・・・??改めて遠くから見るとやべぇかっこよさでしかないんだが。いや夢の国でもそう思ったけどさ・・・!普段があまりにもド変態すぎて忘れかけてたわ!!いや面が良いのはいつもわかってたんだけどね?!?!焦凍くんのご尊顔の前には誰もがひれ伏すんだ・・・ッ!
それにしてもあの列本当に姉の本目当てか??多分ちょっとは焦凍くん見たさ話したさに並んでるだろ!!いや分からんでもないけどね?!あわよくばお近付きになりたかったりするもんね!?だってここで売ってるってことは腐ってるかBLに理解がある男ってことだもんね!!あるよ!!理解ある!!本も読むし真似してきたりするわ!!いや真似すんなや。

「お釣り受け取る時ちょっと手触っちゃった・・・!」
「やば洗えないじゃん!!」

アイドルかよ!!!いやあながち間違ってないかもしれないけどアイドルではないからね?!今度トップヒーローになる男ではあるかもしれんけど!!みんなテレビでよく見る顔になるかもしれんけどさ!!
本を買い終わってキャーってしながら横に捌ける腐った女たちを横目で見ながらあ、今の子可愛かったな・・・。てゆーかみんなあわよくばおさわりしようとしてんの??お触りは禁止ですよ?!え?いつ決めたって?今だよ!!事務所通してください事務所!!焦凍くんの方に視線を戻すと今本を買ってる女の子が焦凍くんの手をガシッと掴んだ。いや握手会じゃねーから・・・!ここは薄い本即売会であって推しの握手会じゃねーんだ・・・!
なんか何となくイライラする・・・。仮にも、いやほんとに仮なんだけどわたし恋人だからね。そこにいる顔面国宝の!いやほんとに恐れ多いんだけどさ?!恋人なんですよ・・・。それにわたしは焦凍くんのこと好きだし、好きな人が女の人に群がられてんの見るの全然楽しくないよね普通に。焦凍くんも邪険にしちゃダメだって思ってんのか振り払わないし。振り払えよ!握手はちょっと・・・って!事務所から止められてるんですってよォ!!!
不本意ながらギリギリして焦凍くんの方を見てたらちょうど1人が買い終わったあとに焦凍くんこっち見てわたしに気付いたのかふんわり笑っ、うわ面良・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。はあ・・・・・・?意味わからん・・・・・・。
焦凍くんの面の良さに撃ち抜かれてたら「こっち来ないのか?」みたいな首傾げるし目の前に人来てるのに本売らないから急いでスペースに戻った。

「名前おかえり」
「た、ただいま・・・」
「欲しい本買えたか。あ、600円です」
「うん大体は・・・」

よっこらせっとテーブルの内側に入ると焦凍くんはすぐ声かけてくれた。おかえりって言われるのなんか照れくさいんだが。なんで?薄い本だったらご飯にする?お風呂にする?それとも俺?って続くかもしんない。わたしは万年腹へり女だからご飯にするけどね!!いくら焦凍くんが仕事から帰ってドア開けたらエプロンつけておかえりっていってラブコールしてたってご飯選ぶんだからね!!

「名前おかー。いやー轟くんすごいね・・・」
「外から見て握手会かと思ったわ」
「もう握手代とろうか迷うレベル。委託と通販に回そうと思ってた分も捌けそう」
「えっ・・・イベントに来れない人いるしねぇね需要あんだから刷り直して・・・!!可哀想だから・・・!!新刊売り切れました通販ありませんがいちばん残酷だから・・・!!」
「だよねぇ」

買ってきた本の入ったエコバックを足元に置いて一息ついたら焦凍くんの横に座ってた姉がスケブ描きながら話しかけてきたけど、うわスケブのイラストもいいな・・・姉も売らなくていいからかスケブめちゃくちゃ捗ってるぽくって何冊か終わってる、すご・・・。そして焦凍くんの握手代を取るのはまあ賛成です。100円くらいとっても良くない?てか焦凍くんと握手できんだよ???1000円払えや。いや1000円でも足りんわ!!まあ、冗談ですがね。そして姉も結構刷ってきたのに在庫が無くなりそうということで刷り直しを要求した。だってイベント来れない人なんて山ほどいるじゃん?!そういう人は通販とか虎の店での購入を心待ちにしてんだわ!!!ソースは俺!!地方住みなんてそうそうイベント来れないんだよ・・・!!いいよね都会住みは!!ほんとに!!フットワーク軽いもん!!海挟んじゃってる人のこと考えると余計辛いわ!!なんで日本は地続きじゃないんだ?!残酷・・・世界は残酷だ・・・。
イベントに来れない人のこと考えて悲しくなってる(?)と手元のスケブを描き終えた姉がチャッと立ち上がって出かける準備しだした。

「じゃあ回ってくるわ・・・!」
「うん、あ、本よろしくね!!これ宝の地図お願いバージョン」
「そんなのも作ってたんか抜かりない・・・。挨拶回りしたりしてくるから遅くなるかもだけどよろしくね」
「うん、いてらー」
「行ってらっしゃい」

パッと準備を済ませた姉に宝の地図(R18)と軍資金を手渡して焦凍くんとお見送りをしてから姉の座ってたパイプ椅子によっこらせと腰を下ろした。けど焦凍くんが立って接客してるので秒で立ち上がりました。ええ。スケブも何も書かない女が座ってる必要なんてないんですわ。少しでも列を早く捌くためにこちらにどうぞしたら焦凍くんに接客されたかったのかあからさまにガッカリした顔された。おい顔に出すなや顔に!!いやわかるよ?!そりゃ顔面国宝が売り子してたらそっちから買いたいわな!!でも顔面国宝に会いに来たんじゃなくて本を買いに来たんだよね?!なら我慢しろ!!

「焦凍くんめっちゃ動きスムーズ」
「さっきからやってっからな。慣れてきた」
「さすがです・・・。列少し掃けたら焦凍くんも回ってきてね。せっかくイベント来たんだし。買いたい本のチェックとか・・・はしてないよね」
「名前の買った本読ませてもらうつもりで来てるからチェックはしてねぇな。でもどんな雰囲気があとで回ってみる」
「うんうん」

焦凍くんのお金を貰ってお釣りを渡したり本とノベルティを渡したりする動きがあまりにもスムーズすぎて何回か売り子やってる??ってレベルになってる。さすがツートップこんな所でもデキる男だということを発揮している・・・。焦凍くんもせっかくイベント来たんだから本チェックしてなくても回ってきて雰囲気楽しんで欲しいわ。この雰囲気クセになるんだよね・・・!めちゃくちゃ楽しいし!!焦凍くんも宝の地図作らせとけばよかったな・・・。いや焦凍くんはちゃんとした腐男子じゃないから作らんか。でもわたしの買ったやつは読むから・・・なんなんだ・・・?焦凍くんの属性は何・・・??

「あの」
「はい」
「彼女とかいますか?」
「エッ」

焦凍くんの属性について考えてたらとんでもない質問が聞こえてきてエッてなって横向いたら焦凍くんの前にはちゃめちゃな美人が立ってた。やっぱり美人は腐ってるんだな・・・じゃなくて!!何?!何を聞いてんの?!ここでその会話要らないよね?!本買いに来たんでしょ?!焦凍くんもぱちくりしてるし、目の前の美人はかわいいモーション仕掛けてきてるし・・・・・・はあ?!何やってんだ本を買ったら捌けろや!!!てか何手を握ってんだ!!!彼女??いるよ横に!!!!練習だけど!!!
またギリギリしながら焦凍くんの方を盗み見てたら焦凍くんもこっち見てちょっと目が合った。あってからちょっと笑った。は?面良・・・・・・。じゃなくて!!

「いなかったら、もし良かったら」
「います」
「え、」
「います、大切な人」

美人が追い討ち掛けて連絡先を渡してこようとしたら、てか連絡先?!絶対準備してたな?!並んでる時絶対準備してたでしょ!!最初からそのつもりかよ・・・ッギリギリ超えてブチッとなりそうになったら焦凍くんが握られてた手をそっと解いて大切な人がいるって言った。そしてまたチラってこっち見るから、え、大切な人って、大切な人・・・?え?わたしの後ろ誰かいる?振り向いたけど誰もいないわ。・・・え?わたしか??わたし??いや落ち着け名前落ち着くんだわたしたちは練習の恋人であってガチの恋人じゃないからわたしが焦凍くん好きでも焦凍くんの好きな人は勝己くんだから!!そう!!大切な人って勝己くんの事だよ!!そうだそうだ!!あぶねーこっち見るからちょっと勘違いしそうになったじゃんやめてよ!!
美人もそっと手を解かれてしまっては仕方ないと判断したのか連絡先もしまって「お幸せに」って本とノベルティだけ持って捌けてった。去り際まで美人・・・。
美人の去っていった方を見てたらまた焦凍くんがこっちを見たからん?と思って見たらニコってした。グッ
こっち見て軽率に微笑むな・・・!!どんだけ一緒にいたって顔面国宝には慣れないんだよ・・・!!簡単に致命傷レベルのダメージ食らうんだよ・・・!!

「あの恋人いますか!」
「聞いてた??」

美人の次に並んでた人が前に出た瞬間にまたそうやって聞くから思わず突っ込んでしまったわ。いや会話聴こえる距離やったやろ!!さっきの今で別れるとでも?!この数秒で?!アクションもなしに?!強か!!この人強かだよ!!!






「いやー!お疲れ様でした!本当に!轟くんありがとう!」
「お役に立ててよかったです。スケブもありがとうございました」

無事に(?)インテを終えて店じまいをしてるけど
姉の本本当に全部捌けて新刊売り切れましたになった。それにヒッってなって通販や委託ありますよね?!って縋ってきた人にめちゃくちゃ気持ちわかる・・・って共感しかない。大丈夫です姉には委託と通販分を刷ってもらいますから。余っても次のイベントに持ち込めばいいんだからね!!
焦凍くんは列が少し落ち着いたあと回りに出かけて本じゃなくてハンドメイドのモチーフグッズ買ってきた。たしかにパッと見ただのストラップっぽいけどわかる人にはわかるやつだこれ・・・!しかもオシャレ!!めちゃくちゃいいもん買ってきてるじゃん・・・!!って見せてもらってたら「それ名前に」って。・・・え?くれるん??これくれるん?!いやでもこれ焦凍くんが欲しくて買ってきたやつでしょ?!ってつき返そうとしたらもう一個持ってた。

「2個買った」
「oh」
「お揃いだな」
「ウッ」

お揃いだなってまた微笑むからお前は・・・お前は!!そういうとこだよ!!!ぐぬぬってしてたら姉が帰ってきて両手にこれでもかって本持っててびっくりしたわ。でも3分の1はわたしが頼んだエロ本だった。ノベルティが大きいやつがあったみたいでエコバックがパンパンになってるんですが。いやーノベルティの大きさまで確認はしてないからまさかこんなことになるとはね。でも書いてる人もティーカップのノベルティ貰った時はこれが・・・ノベルティ・・・?!って戦慄してた。

「現地解散で大丈夫?わたしこれから同士たちとごはんなんだけど・・・」
「大丈夫!焦凍くんと軽く大阪観光してく」
「そっか。迷子にならないよう気をつけてね」
「フラグ立てないでくれる?」
「轟くんも名前のことよろしくね」
「任せて下さい」

店じまいが終了してさあ帰りますかーってなったら姉は同士たちとご飯に行くらしい。神絵師の肉を食べ合うのかな??食べてそれを糧に最強の絵を描くんですね分かります。もともとインテ終わったら焦凍くんと少しだけ食い倒れツアーしようと思ってたから問題ないよって言ったら迷子の心配だよ。いくらなんでも高校生で迷子なんて!!と反論しようとしてお正月を思い出したので黙っておきます。でもフラグは立てないでもらってもいい??焦凍くんに謎にわたしのことをお願いした姉はこっち向いてコソコソと耳元で話し出した。ん?

「爆豪くんとはどうなったの?」
「え?どうって、いやどうもないけど・・・」
「轟くんと恋人なんだよね?」
「いや、まあ、・・・まあ」
「どっちもいい男だからどっち選んでもいいと思うけど、心の赴くままに行動するんだよ」
「いや選ぶというかなんというか・・・。まず2人が真面目にわたしを相手するなんてありえないでしょ」
「・・・」
「え?何その目」

勝己くんとどうなったと言われてもなんにも無いしてか飼い主とペットの関係だし、焦凍くんとも練習の恋人っていう関係だからわたしが選ぶとかそういうんじゃないというか。この2人がくっつくんだよ最終的に!!そのためにキューピット?やってるつもりなんだよ!!でもきっと前よりよく話してるから進展はしてきてると思うんだよね・・・!!ちゃんとくっついた暁には姉に報告したい。もちろん2人の同意の元でね!!2人がくっついてイチャコラしてる妄想してたら姉に頭がおかしい目で見られた。なんで?!ホモだよ?!何もおかしいこと考えてないじゃん!!!

「轟くん頑張ってね・・・こんなんだから・・・」
「はい」
「何の話??ねえ何を頑張るの??こんなんってわたしの事か??」

わたしの与り知らぬところで何か会話が繰り広げられたんか??わたしが救いようのないバカってこと??わかった表出ろや!!あ、もう会場でる?そうですか・・・。次のイベントのこと聞くと5月だって言ってた。3月もあるけど2ヶ月しかないから落とす気しかしないって。うん、それなら5月で余裕もって描いた方がいいね。新刊落としましたってポスターのところに貼ってあるのが1番辛い。姉は冬コミで1回それやってるから余計やりたくないんだろうね。スペース悲壮感あふれるし・・・。

「何から食べる?」
「大阪はたこ焼きとかが上手いんだっけな」
「本場だしね!とりあえず駅の方戻ってその辺で食い倒れツアーしよっか」
「ああ」

姉とバイバイして焦凍くんと食い倒れツアーするために携帯でお店とか調べてるけどやっぱ知らない土地はよくわかんないね。道頓堀?のあたりが美味しいとこ多いのかな。そこは駅から近いのか??まあ駅に戻ってから色々考えればいっか!たこ焼きとかお好み焼きとかその他もろもろ食べられるだけ食べたい・・・!せっかく来たしね!!駅に戻るぞー!!って戦利品を抱えてえいえいおーしたら焦凍くんもえいえいおーしてくれた。優しいね・・・。でもその優しさで悪質なストーカーとかつかないか心配だよ。優しくなくてもストーカーは着いたりするけど。ソースはわたし。そして謎の機械に入れられたりするよ。ソースはわたし。2回も言ったわ。

「名前」
「ん?」
「行こう」
「う・・・・・・うん」

焦凍くんのストーカーの可能性について考えてたら名前を呼ばれたので顔を上げたら、顔面国宝が手を出して微笑んでた。ウッ・・・やめろ・・・。面が良すぎる・・・。手を繋がない選択肢もあるけど、わたしは何か知らんがはぐれたりしちゃうし、それがこんな見知らぬ土地なら尚更危ないので大人しく手を繋ぐことにする。いや、いつも繋いでるけどやっぱ恥ずかしいじゃん・・・緊張するし。だって焦凍くんかっこいいんだもん・・・。

「何から食べたい?」
「やっぱたこ焼き?」
「美味い店あるといいな」
「あるでしょ!」

そっと手を握ると優しく握り返されて、そこから恋人繋ぎになった。あ、やっぱりそうですか・・・。そうですよね・・・。繋がれた手を見ながら食べ物について話すけど頭の中は別のこと考えちゃってね。あの美人に手を繋がれた時も焦凍くんは解いたけど、わたしには手を伸ばしてくれるんだーなんて、なぞに、優越感を覚えたりしましてね・・・。いや、まあ練習の恋人だし手とか繋ぐけど!!てか手を繋ぐどころか体繋いじゃってるんですけどね!!わはは!!下ネタかよ

「名前」
「焦凍くんよくわたしの名前呼ぶねぇ」
「呼びてぇから。」
「そ、ソッスカ・・・大した名前でもないけどね」
「俺にとってはすげぇ大事な名前だ」
「いや・・・そういうこと軽率にいうのやめなよ・・・」

焦凍くんてよくわたしの名前呼ぶよねって、聞いてて不意に思ったんだよね。普段も、まあ、一緒に寝てる時も・・・。焦凍くんが好きだからか特別な響きに聞こえてうああ・・・ってなるからなんかくすぐったいんだけど。大した名前でもないのにね。てか大事な名前とか軽率に言うのやめな??勘違いするから!!わたしだけじゃなくて、そういうこといわれたらみんな勘違いするよ!!焦凍くんただでさえイケメンなのにそんなふうに扱われて落ちないわけないじゃん!!勝己くんだって簡単に落とせるよ!!もう完璧すぎるほどだからアプローチ仕掛けてもいいとは思うんだけどね。まあ仕掛け始めちゃったらこの関係終わるのでオススメはしないけど。ええ、わたしはズルい女なので!!ぬるま湯に浸かる女なので!!

「言い忘れてたけどよ」
「ん?」
「今日もすげぇかわいい」
「グッ・・・いや、その・・・いや、ありがと・・・」
「デート、楽しもうな」
「はひ・・・」

いやぬるま湯の温度急上昇だよわたしの体温のせいで








「名前?」
「・・・」

虫の居所が悪い。いやせっかく遠出してんのに何言ってんだと思われるかもしれないけど悪いもんは悪い。思えばインテからずっとそうだった。お国柄なのか知らんけどさ・・・

「・・・ベタベタと・・・」
「?ベタベタ?」
「・・・」
「どうした?怒ってんのか?」

そうだ腹が立ってるんだ・・・!お門違いなのは分かるけど、わかるけど!!練習の恋人の分際で頭おかしいのかもしれんけど!!餅だって焼くんだよ!!

「おっと、」
「ぐぬぬぬぬぬ」

後ろにふりかえって焦凍くんにガバッと抱きついた。これでもかと力を込めてぎゅうぎゅうしてるけど焦凍くん涼しそうにしてわたしの体に腕回すのなんなん??わたしの力はへでもないんか??余裕そうなのすら今は腹が立つぞ!!

「甘えん坊か」
「ちがう」
「俺何かしたか」
「・・・した」

「したから、焦凍くんにお仕置する!!!」



『次回予告!』
轟だ。インテは初めてだったが楽しかった。スケブも書いて貰えたし何より名前の家族に挨拶できたことはデカいと思う。このまま他の家族にも会えたらいいんだが。
食い倒れツアーをしてホテルに来たけど名前の様子がおかしい。怒ってるようだが何に怒ってんのかわかんねぇ。俺なにかしたのか?


次回!「相撲とかカーリングも気になる」デュエルスタンバイ!!


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