面が良いから仕方ない! | ナノ

ディープキスからの・・・

前回のあらすじ!
部屋に行く→迫られる→告白(の練習)される→(練習の)恋人になる→キス(の練習)する!
以上!


いや以上!じゃねーから!!!!
渾身の力でたたき落としたクッションが床にバシィィイン!と音を立てて埃が舞った。ゲホ
・・・とりあえず落ち着こう。クッションちゃんごめんね。なでなでして尻の下に敷いた。適当に近くにある薄い本を手探りで取って表紙を見る。こ、これは・・・!!わたしが尊敬する神絵師様の薄い本ではないか!!!お姉ちゃん買ってたんか!!神じゃん・・・。保存用とか買わなかったのかな。こんなんなんぼあってもいいですからね・・・。本当ならもっと早く読めたのに、拉致監禁されてたから・・・薄い本ちゃん・・・。でも、今から読むね・・・!姿勢をピンとして、満を持していざご開帳!!
・・・・・・・・・?この展開、どこかで・・・。壁ドンからの顎クイ、好きと言ってキス・・・。ってつい先日の轟くんの部屋で起きたことじゃん!!!!アイツこれ参考にしてたんか!!!!わたしより先に読みやがって・・・!!!

じゃなくて!!!じゃなくてだよ!!!!思い出さないでいい、思い出さないでいいからわたし!
またギャーーッっと首から顔まで赤くなる感じがしてなんなら湯気も出てる気がする。はぁとため息を吐いてベッドに寄りかかり頭も預けた。出来たばっかりでシミひとつない天井じゃ見応えないね。


この前、結局夕飯までき、キキキ、キスをされまくってしまった・・・。いやもうね、逃げ場もなかった。轟くんわたしより一回りも大きいし。何回ももう上手だって言っても向上心の塊男なのか知らんけどまだ下手で納得いってないからって続けられたわたしの身になってみ?初めてのキス奪われたと思ったらその後何十回レベルでされてもうセカンドとかサードとかライトとかレフトとか言ってる場合じゃないから。轟くんデッドボールだから。し、舌は入れられてないけどやっぱり本の知識だけじゃわたしも上手くないから息の仕方もわからないし。挙句の果てには「鼻で息するんだ」ってアドバイスもらったしね。・・・?なんでアドバイス貰ってんだ!!アドバイスする側じゃん?!てか下手な人がそんなこと言うか・・・?!ま、まああんだけ練習したらもうしなくても大丈夫でしょう。もう轟くんはプロだよ、多分。いやプロ級のキスとかしたこともされたことも無いからわかんないけどね。てかキスにプロとかあるの??資格ある??いや落ち着けわたし変なこと言ってるから。
逆によく抜け出せたよね。夕飯の時間になった時にたまたま飯田くんが轟くんの部屋の前まで呼びに来てくれたから、轟くんの動きが止まって返事をした瞬間に轟くん包囲網から抜け出してドアの近くで飯田くんがいなくなるのを待機したよ。さすがのキスのプロ資格を取り立ての轟くんもそのままつづけるつもりはなかったのか、ゼェハァしてドアに真っ赤な顔で張り付いてるわたしを哀れんだのか知らんけどその後キスされることは無かった。でも「腹減ったな。夕飯蕎麦だと嬉しくねえか?」ってめっちゃ普通に話しかけてきたの何??今の今まで何してたか分かってる??めっちゃ熱烈にちゅーしてたじゃん、、君の中ではキスはなんてことないの?てか息一つ切れてないのどして・・・?そして「天ぷらもあるかな?」って普通に返したわたしもおかしかったわ。あ、薄い本はトートバッグにサッとまとめて入れることが出来たから無事に救出できたよ。だから今読んでるんだけどね。
それにしても轟くんかっこよかったな。推しだよほんとに。髪もサラサラで、手が大きくて、唇が・・・くち・・・く・・・

「ワーーーーーーー!!!!」
「どうした?なんかあったか?」
「いや、轟くんのキスのこと思い出しちゃって・・・」
「そうか」
「うん・・・・・・・・・・・・ウン?!?!」

え?なんで独り言なのに返事かえってきてんの?!グリンって音が鳴る勢いで顔動かしたら普通に轟くんドアのところから歩いてきて隣に腰降ろしてんだけど。あれ?そう言えばドアの開く音したっけ?

「とととと轟くん?!」
「俺はとととと轟じゃないんだが」
「いやそこはわかれよ」
「?」
「ごめんね難しいこと言ったね・・・。」

首傾げて?って、顔しないで。かわいいじゃん・・・。面が良いんだから何しても絵になるのわかってんの??わかってやってんの??

「と、というか急に入ってきちゃだめだよ乙女の部屋には!」
「いや、何回かノックして声掛けたんだが返事なくて。叫び声聞こえたからなんかあったかと思って入ってきちまった。」
「めちゃちゃんとしてるしなんなら心配して入ってきてくれてる」
「何も無くてよかった」

轟の微笑む!名前とおばあちゃんに999のダメージ!!

「(キュン)ウッ・・・心配ありがと、」
「当たり前だろ。名前に何かあったら気が気じゃねぇ」
「エッ、アッ、と、轟くん、ヤサシイネ・・・?」

轟くんサービス精神旺盛すぎん??ただのクラスメイトに・・・。いや秘密を共有してキスしたりするのはただのクラスメイトじゃないな。恋の伝道師(恋愛ほぼ未経験)と弟子(テクニックS)だったわ。・・・テクニックS?テクニックSの人に未経験が何を教えんの??

「焦凍だろ、2人きりの時は」
「いやあアハハハハ。・・・で、轟くんは」
「焦凍」
「・・・し、焦凍くんは如何がなさったのかな・・・?何か用事があって来たんだよね?・・・本ならまだ読んでないから貸さないよ!!」
「本はまた借りるな。俺は名前のこと考えてて、キスしてぇって思ったから来た。」

・・・?(宇宙猫顔)

「名前も俺とのキスのこと思い出してたんだよな」

横にいた轟くんが体を乗り出してわたしが寄りかかってるベッドに手を置いた。私を挟んで。え、デジャヴ・・・?逃げ場が、ない・・・!!

「え、え、あ、あの、とどろ」
「焦凍。」

ズキュゥゥゥゥゥウン!(キスされた時に流れた効果音)

まてまてまてまだ頭が追いついてないから。2人きりの時は焦凍って難しいから心では轟くんのままだし、じゃなくて本また借りるんだ意外と気に入ったのかな、じゃなくてキスしてぇって思ったからきた????ン????で、え????
目の前には目を瞑っている轟くん。睫毛相変わらず長いな〜・・・。唇やっぱり柔らかい・・・柔らかい・・・?や・・・き、キスしてる?!?!?

「んん!!?」
「ん。」

轟くんの「ん。」かわいいじゃん・・・じゃなくて!!!肩をグイグイ押してもビクともしないんだが!!でもやれ!!やるんだ名前!!轟くんをここでとめないと二の舞になる!!

「っぷは!と、とどろ、焦凍く、まて!ステイ!!」
「どうした?」
「いやこっちのセリフだよ!!急にき、キス!!」
「したいからした」
「あれなんか聞いたことあるようなセリフだな」

何とか離れることに成功したのにまだ至近距離で聞いたことあるようなセリフいってる。あれこの人思ったら後先考えずすぐ行動に移すタイプ・・・?

「・・・まだ下手だから練習しねぇと」
「ぬぐぐ、めちゃくちゃ上手だよ・・・!!どの口が言ってんの!」
「このくち」
「あ、ハイ」

会話しながらもご尊顔をぐぐぐと近づけてくる・・・!えっすご、すごいパワー!パワーSなの知ってたけどこんなに?!力を少しでも抜いたら殺られる・・・!

「名前に気持ちよくなってもらわねぇと上手いとは言えねぇ」
「き?!じゅ、十分き、ききもちいいよ!!」
「そうか?」
「そうそう!!だから大丈夫!!もうめちゃくちゃ上手!!!」
「そうか・・・なんか照れるな」
「え、照れてんのかわい、い・・・」

「もっと気持ちよくなれるよう練習しような」

轟くんが照れてんの可愛くて思わず力抜けたら一瞬で轟くんの顔が近づいて後頭部に手を回されて、え?何今のちょっとニヒルな笑顔かっこよすぎる面が良すぎr

「っんぅ!、」

また唇に柔らかい感触がってまたキスされてら!!早い!!早業!!ダメだってもう上手いから練習いらないからこんな腐女子とキスしてるんじゃなくて猛獣を手懐けに行かなきゃダメだって!

「んん、ふっ、」
「ん・・・」

口元から聞こえるちゅって音がダイレクトに耳に響いて恥ずかしくてどうにかなりそう・・・。

角度を変えられたり唇をハムハムされて、やっぱり息が出来なくて苦しくなって

「・・・名前、口開けて」
「・・・?」

キスの合間に口を開けるよう囁かれて。あ、そっか口開けて呼吸したらいいんだ。呼吸って口でするもんねたしか。
言われた通りにするしか考えられなくて口を少し開けると酸素と共に熱い何かが口の中に入ってきた。入ってきた??

「んん?!・・・っぁ、んぅ・・・ふぅ、んぁ」

入ってきた何かはわたしの舌を絡めとって吸ったり、歯をなぞったり上顎を撫でたりしてくる。それになんとも言えないゾワゾワが背筋を走って、息が苦しくて。口の中に溜まった唾液をごくりと飲むとやっと轟くんの口が離れていった。唇同士に繋がる透明な糸・・・え、轟くんエッロ・・・。
あれ、まてよ・・・

「・・・気持ちよかったか?」
「・・・???いま、何を・・・?」
「舌入れた」
「舌か・・・舌ね・・・。し、した?!?!?!」

舌を入れた?!?!?え?!あの生き物みたいな動きしてたやつ舌だったの?!?!え、まって、てかこれ、でぃ、ディープキ、キス?!?

「ととと、と、しし、焦凍く、」
「おう」
「ななななんでし、した、いれ、」
「入れたかったから」
「しれっと言う様がもう犯行動機にしか聞こえなくなってくる」

しれっと言う轟くんにもう頭はショート寸前、焦凍だけにね。誰が上手いことをいえと。
まだ言い訳があるのか轟くんは口を開いた。

「ディープキスも練習しておかないとな」
「そそそそんな所まで練習するの??」
「する。気持ちよくしてやりてぇって思うから」
「彼氏の鏡じゃん・・・」

めちゃくちゃ愛されてんな爆豪くん。お付き合い始まったら轟くんのテクニックの前に陥落しちゃうねこりゃ。愛にも溺れちまうわ!キスの上手さは私が保証する。・・・保証していいんか??

「名前は、俺とこういうこと練習するの、嫌か・・・?」
「エッ」

また急に子犬捨てて!!!!もう何匹捨てられて何匹ヤンキーに拾わせたと思ってんの!!!
嫌じゃないけどこんな何回もしちゃうもんじゃないでしょ!!!ちゃんと言わなきゃ!言うのよ名前!!

「嫌なのか・・・」
「いいえしたいです。」

敗北。

「んん、」

また轟くんの顔が近づいてきてゆっくりと唇が重なる。未だに慣れない感覚に戸惑いながら、されるがままに受け入れるしかない。そう、轟くんの大事な練習なんだから。
舌で下唇を舐められてまたそれがゾワゾワしてどうしようもなくて、唇の間に差し込まれる舌を拒むことも出来ず。さっきみたいに口の中を好き勝手してきて、頭が酸欠とかゾワゾワとかでボーっとして。
轟くんの手がおもむろにわたしのTシャツの中に入ってきておなかを撫でて。・・・?おなか、なでて?、

「んんん??!」

触れる手がひんやりしててそれがまたゾワゾワしちゃって何が何だかでもなんでお腹触ってるの?!キスされながら何とか肩を押しても相変わらずビクともしない。パワーSめ・・・!

「ん!ぁ、んん・・・ぅう、・・・んあ?!」

おなかを触っていた手が徐々に上にズレてきたとおもったら、おもったら・・・!
むむむむ、胸!胸揉まれ!!あ?!?!

「っしょ、焦凍くん!!!なななななにを」
「?・・・胸を触った」
「その心は・・・?」
「触りたかったから」
「その面じゃなかったらすぐ捕まるわ」

キリッとして言うのも轟くんだから許されてるんだよ。これが峰田だったらすぐ豚箱だよ!!

「む、胸触る必要ある??胸ないじゃん!」
「?あるだろ」
「え?ある・・・?」
「ある」

めちゃくちゃ断言してくるけど爆豪くん男の子だよ!?胸なんて・・・いや、胸ある・・・か?爆豪くん胸筋すごいもんな・・・。胸あるわ

「あるね・・・」
「だから気持ちよくなれるよう触りたい」
「う、で、でも、」
「練習して上手くなるから・・・な?」



『次回予告!』
名前です!なんか部屋に入ってきた轟くんは、またキスし出してしかも舌まで入れてきた!?てかキス上手いね・・・?そうしたら今度はむ、胸?!胸も触る練習するの?!え?!ほんとに?!
次回「胸は揉んでも揉まれるな」デュエルスタンバイ!

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