面が良いから仕方ない! | ナノ

控えめに言って殺す

学園祭がやってきました!!緑谷出久です!!去年はバンドダンスのパリピ空間だったけど、今年はまさかの峰田くんの意見が採用されてメイド喫茶になりました!男子は執事で接客することになったけど僕に執事なんて務まるのか・・・?!って始まるまでは死ぬほどドキドキしてた・・・!いや今もドキドキしてるんだけどね?!衣装はレンタルみたいでカタログから女子が候補を3つ上げてくれてその中で男子が選ぶことになった。某執事漫画の燕尾服みたいなやつになってこれ本当に僕に着こなせるのか?!似合うのか?!服に着られるとはまさにこういうことなのでは?!と戦々恐々してました。というかこういうの似合うのってそれこそ轟くんとかかっちゃんとかのイケメンくらいなんじゃ・・・と思ってたけど、衣装が届いて着てみたらみんな似合ってた!!さすがヒーロー科!!(?)僕も鏡で見てみたけどめちゃくちゃ似合ってないって訳じゃなさそうだから少し安心した・・・。でも

「お帰りなさいませお嬢様」

轟くん似合いすぎじゃないか・・・?!?!執事の所作練習の時も様になってたけど衣装着て実際にやってるとこ見るとマジでやばい。カッコよすぎる。あんな執事いたら嫁になんていかないよお嬢様は。案内されてる女子もはわあああ!!って口開けて顔真っ赤にしてるし・・・!!
衣装着た時にも似合いすぎてて意味わかんない・・・ってなったけど、鏡みながらワックスで髪をセットしだした時はびっくりした。轟くんワックス使うんだ・・・?!ちゃんとヘアスタイルとか整えるんだ・・・!!いや失礼なのはわかってるけど、轟くんて寝癖とかぴょこんと出てたりする時あるし、普段着も普通というかなんと言うか、オシャレはあんまり興味無いのかなって思ってて!え?自分を棚に上げるなって?どういうこと??僕の服なにか問題ある・・・??
ヘアセットしてる轟くんをじっと見つめてるとそれに気づいたのか視線だけこっちに寄越してからまた鏡を見た。うわ今の視線のよこし方もかっこよ・・・。

「どうした緑谷」
「あっいや!轟くんヘアセット出来るんだって思って・・・!」
「ああ、ネットで見て練習した」
「そうなの?!凄いね・・・!なんか、そういうの勝手に興味無いって思ってたからびっくりして」
「・・・名前に、かっこいいって思われてぇから」

そう言いながら顔を弛めた轟くん・・・めちゃくちゃ・・・、めちゃくちゃ苗字さんのこと好きだね・・・。いや前からそんなの分かってたけど、分かってたけど・・・!!好きな人にかっこいいって思われたくてオシャレとか勉強するのは本物だと思うわ・・・!!そして苗字さんを想う表情が好きって語りすぎててヤバい。言い方変かもしれないし悪く言ってるつもりは全くないんだけど轟くんは苗字さんのどこにそんなにガチハマりしてんのかな??いやわかんないとかじゃなくて純粋にね!気になっただけ!!

「いつも思うけど苗字さんのこと好きなんだね・・・」
「愛してる」
「だから主語つけよう??轟くんの発言だけ聞いたら僕に言ってるみたいでおかしいからね??」



「お嬢様、何をお召し上がりになりますか」
「えっ、えっと・・・、あの・・・このクッキーセットで・・・!!」
「畏まりました。少々お待ちください」

轟くんマジで様になってる〜〜!!!!本当にかっこいい!!何回も言うけど!!男の僕から見てもマジでカッコよすぎる!!・・・・・・時々苗字さんの方見てギリギリ怖い顔しなかったら言うことないんだけどね・・・。
メイド執事喫茶だから店内にはメイドさんもいるわけで。メイドさんは女子なのでもちろん轟くんぞっこんLoveの苗字さんもメイドな訳でして。控えめに言ってもめちゃくちゃかわいい。女子のメイド服選ぶ時に意見求められてなかなか答えることが出来なかったけど、多分票が多かった奴が選ばれたんだと思う。あれは轟くんが指さしてたメイド服だ。よかったね轟くん。最初女子が着替え終わって来た時はあまりの素敵さに直視できないというか可愛すぎるというか恥ずかしいというかって感じでうわあああああ!!!ってなってたけどやっと同じ空間にいることになれた。最初女子が来た時に轟くんはいなかったんだけど、後から戻ってきて店に入ってからずっと苗字さんの方をぽー・・・って見てて、もうメロメロって感じだった。

「轟くん遅かったね」
「ああ、なんか女子がまとわりついてきて」
「ああ、うん、そうだろうね・・・」
「・・・」
「あ、苗字さん?素敵だね・・・」
「やべぇな・・・かわいすぎる。誰にも見せたくねぇ。出来れば緑谷も見ないでもらってもいいか?」
「うん同じブースで働いてる以上難しいかな!!」
「そうか・・・はぁ、本当にかわいい・・・。なぁあの靴下やべぇな。マジで」
「語彙力奪われてる・・・!」

と、こんな感じで学園祭が始まるまではぽやぽやしてたんだけど、いざ始まって男性のお客様がきて苗字さんが対応してるのをみた轟くんは修羅のような顔をしていた。あからさまに苗字さん目当ての人もいるし、チェキだって撮る時に「近すぎる・・・」って呟いてたしハートマーク作ってる時なんかお盆割ってたしね。備品壊すな・・・。執事とのチェキはポーズ無しお触りなしの隣に立つだけだけどそれでもめちゃくちゃ轟くんもチェキ注文入ってたからそこからお盆のお金は貰います。接客してる時は顔に出さないように頑張ってたけどチラッチラ苗字さんのほう見すぎだよ・・・え?僕は轟くんを見すぎだって??違うんだよ目に入ってくるんだよホールの回転率を上げるために全体を見なきゃいけない係だったから・・・。

「あ、苗字さん。そこのテーブルもう空くから綺麗にした後お客さん入れてもらうね」
「はーい」

店内を見渡していたら苗字さんが接客してたお客さんがもう帰る様なので僭越ながら指示を出させてもらった。でもほんとにすぐにってわけじゃないから苗字さんは僕の横にきて少しふぅと息を吐いた。疲れるよね、君人気筆頭だもん・・・気づいてないかもしれないけど苗字さんかなり人気高いよ・・・。やる気もあるからかもしれないけどチェキも圧倒的に枚数多いし君目当てのお客さんばっかりだから・・・。というか今日ほんとに可愛いな・・・。髪型も素敵だしメイド服もめちゃくちゃ似合ってる・・・。これは誰でもめろめろになるよ。

「大変そうだね、少し休む?」
「大丈夫!稼ぐから!ガッポガッポだよ!」
「うーん学園祭とは思えないセリフだ」
「わはは。緑谷くん燕尾服似合ってるね」
「えっ?!あっ、ありがとう・・・!!苗字さんも、す、すごく素敵だよ!」
「ほんと?ありがとう!」
「と、轟くんもすごく褒めてたよ!」
「えっ、あ、焦凍くんが、」
「うんうん」

轟くんの話題を出したら目をぱちくりしたあと轟くんの方をチラッとみて少しほっぺを赤くした。うわあかわいい・・・いや!!いや!!!大丈夫!僕は参戦しないから!!!

「焦凍くんも、すごくかっこいいよね」
「うんかっこよすぎて意味わかんないくらいだと思う」
「やっぱり緑谷くんから見てもそうなんだ」
「男子から見てもあれは凄すぎると思う」

よかったね轟くん・・・!!すごくかっこいいって思ってもらえてるよ・・・!!君の大好きな苗字さんにね・・・!!あ、そういえばかっちゃんはどう思ってるんだろう

「ねぇかっちゃんはどう思う?」
「ば、爆豪くん?!え、えっと、あの、かっこいいと、思うよ・・・メガネとか反則だと思うし」
「おお・・・」

かっちゃん!!!かっちゃん聞いたか!!!いや聞いてないね!!!苗字さんかっちゃんのことかっこいいって!!メガネ効果かわかんないけど恥ずかしそうに言ってるし!!
かっちゃんについて話してなかったけど、かっちゃんも今日猛烈にかっこいい。燕尾服が似合うのは当たり前だとして、髪は片側を撫で付けてるし
まさかのメガネをかけるという暴挙に出た。もうあれは暴力だよ。視覚への暴力。普段かけない人がメガネかけるとすごい。あと接客もまさかの丁寧にしてる。「お帰りなさいませお嬢様」って静かにやってる。ギャップがやばい。メガネとギャップで瀕死のお客さんがめちゃくちゃ出てる。絶対今日でファンクラブの会員数爆上がりしたよ。でも裏方に入ったら一気に怖い顔したりして憂さ晴らししてる。そりゃそうだそれこそかっちゃん・・・だもんね・・・我慢してるんだよね・・・。
かっちゃんといえば女子がまだ来る前にスマホ触ってたと思ったらピタッと固まって1拍置いてから食い入るように画面見てたな・・・何か気になるニュースでもあったのかな。

「なんか爆豪くん目当てのお客さんも多くて、やっぱり爆豪くんもかっこよかったんだって改めて思った」
「まあなかなか激しい性格してるからね・・・」
「あれじゃ好きになる人増えちゃうよね・・・」
「ん・・・?」

なんかアンニュイな顔してる・・・?!お?おお??苗字さんはかっちゃんを好きな人が増えるの嫌なの?!そうなの?!そういうこと?!かっちゃん脈アリ?!?!轟くんが好きだけどかっちゃんの押せ押せが効果出てきた?!

「あっいや!!わたしの飼い主だとかそう思ってないから!!!ないからね!!」
「あっそっち・・・」

いやでも飼い主ペットでもまだワンチャンあるから!!ね!!







そして学園祭2日目です。朝早くは良かったよ。朝からいちゃつけたのか轟くんはご機嫌だったし今日も平和に楽しく学園祭が終わると思っていた時期が僕にもありました。

「シフトは昨日と同じだ。あ、爆豪くんと苗字くんは午後からは外してあるから、存分にコンテストに挑んでくれ」
「はー・・・・・・・・・は?????」



「ベストカップルコンテストォォォオ?!」

苗字さんの叫び声が教室に木霊したけどみんなは我関せずで準備してる。あれ、みんな知ってたの・・・??知らなかったのは僕と苗字さんと轟くんとかっちゃん??なんで??なんで情報流れなかった??芦戸さんてでもそういうとこあるよね、意外とすっぽ抜けているというかね。
というかかっちゃんと苗字さんがベストカップルコンテストに?!た、たしかに芦戸さん達女子はあの二人が付き合ってると思ってるから、かっちゃん&苗字さんで応募するのはおかしくないけど、おかしくないけど・・・!てか推薦でいいの?!本人たちに確認しないでいいんだ実行委員会?!(でもあとできいたら代筆したってことにしてたらしい。やるな・・・)
苗字さんは絶対出ない!って言ってるし轟くんも芦戸さんにすごい顔で詰め寄ってるのに芦戸さん全然響いてなくてすごい。あそこまでだと逆に尊敬する。かっちゃんはなんか黙ってるし・・・まあかっちゃん的には付き合ってるって思われてるの悪いことじゃないしね。むしろ有利じゃん?あ、苗字さん金一封の言葉にわかりやすく揺れてる・・・!!苗字さんて結構こう、なんというか、うーんと、まあ、ちょろいよね・・・!!!かっちゃんにも簡単に餌付けされるし轟くんにグイグイ迫られたら多分逃げられてないんだろうし・・・。大丈夫なのかな??道で知らないおじさんについて行ったりしない??キャッチに引っかからない?ツボとか買わされてない??ツボは買わされてそうな気がしてきた。小さい頃変質者に誘拐されてそう・・・。大丈夫だったのかな・・・。
あっかっちゃんが苗字さんの肩抱いた!!これはコンテストでるな?!芦戸さんがいなくなって苗字さんの後ろでめちゃくちゃバッチバチしてるけどとってもじゃないけど間には入りたくないから苗字さんこっちに視線よこさないでくれる???




「と、轟くん・・・」
「・・・」
「あっちでチェキのオーダー入ったから・・・いける・・・?」
「・・・・・・ああ」

出来れば表情はもうちょっと普通にしてから撮って欲しい・・・と思ってるけど無理か・・・。常に瞳孔かっ開いたみたいな顔でいるけどなんでお客さんはこれでも大丈夫なの??怖くない??僕は怖いよ・・・こんなんとチェキ撮りたくないよ・・・。あのあとすぐに開店になってガルガルし合ってる2人をなんとか引き剥がし(いやガルってたのは轟くんだけだったかな、かっちゃんは余裕の表情で煽ってた・・・)配置に着いたけど轟くん気持ちの整理まっっったく出来ないみたいで表情が怖い。でも接客はやってる。ちゃんとお帰りなさいませお嬢様してる。でも少しでも時間が開くと苗字さんを見てたりかっちゃんを睨みつけてたり忙しそうだ。ベストカップルコンテストには出る流れになったみたいだけど、ぶっつけ本番で大丈夫なんだろうか・・・あの二人よく一緒にゲームやってたりするけどあくまで飼い主とペットみたいな立ち位置なんだよね??あ、それなら信頼関係はあるのか・・・?いや本物の飼い主とペットじゃないからそれも違うか。コンテストの内容みたけど第1ステージで付き合ってなかったら既に躓いてもおかしくないような感じだったから上手く行けばクリアって所かな・・・。

というか飯田くんもあんなみんなの前で言わなくてもね・・・。轟くんが苗字さんのこと好きなのは知ってるじゃんね??あと男子はみんなコンテストのこと知らなかったわ。女子とシフト組んでた飯田くんしか知らなかった。飯田くんに轟くんのこと言いに行ったら「爆豪くんと付き合ってると言われたからそうなんだと思っていた。そういえば轟くんは苗字くんが好きだと言っていたな」って言って女子の発言を鵜呑みにしていたよ!あんなにかっちゃんのこといつも威嚇してるのに!!まあ飯田くんは恋愛疎いから仕方ないか・・・。みんなかっちゃんと苗字さんが仲良くしてて轟くんが燃え上がってると震えてんのにね・・・。そしていまもみんな気にしてちらちらと轟くんの事見てるからね。見てないのは女子とかっちゃんくらいかな・・・。
コンテストの時間は轟くんは仕事入ってるから、むしろそれで良かったんじゃないかなって思う。だって嫌でしょ、自分の好きな女の子ってか付き合ってる子が他の男、しかもその子を好きな男とカップルでコンテスト出るなんてさ!!見るなんて精神衛生上悪いよ間違いなく!!

「緑谷」
「あ、轟くん!どうしたの?」
「お前午後からどうなってる」
「午後?午後は前半は休憩かな」
「そうか。じゃあ一緒に来てくれ」
「?どこに・・・?というか轟くんは午後前半仕事だよね・・・?」

午前の終わりも近づいてきてさて午後の休憩はどうしようかなと思ってたら轟くんがやってきて予定を聞かれた。聞いたところで轟くんとは逆のシフトだから一緒に回るとかは無理だけど・・・と思ってたらなんか一緒に来てくれって。いやだからシフトがね

「上鳴に代わってもらった。ベストカップルコンテストを見に行く」
「へぇ・・・・・・・・・へぇ?!」
「緑谷も来てくれ」
「僕も?!てか見に行くの?!見に行って大丈夫なの?!」

ベストカップルコンテストを見に行くだって?!?!見に行ったらSAN値チェック入りそうだけど大丈夫?!?というか轟くん暴れたりしない?!ステージ壊して奪いに行ったりしないよね?!?!

「見に行かねぇと落ち着かねぇ」
「逆に?!」
「何してるとか気になるだろ・・・。もうさっき肩を抱いた時点で殺したいとすら思ったのにコンテストなんて・・・」
「物騒」
「見ない方がいろいろ想像しちまって多分キツい」
「まあ・・・それは一理あるかもしれない・・・けど乱入とか個性ブッパしたりしたらダメだよ?!みんなのコンテストだからね?!」
「しねぇ・・・・・・・・・しねぇよ」
「2回言ったことが不安」

本当に見に行って大丈夫・・・?あっ待って僕っていざと言う時のストッパー??それなら納得できるわ。あと一人で飲み込めない時の共感要因とか?それも納得できる。まあなんにせよ1人で見に行かせるのは危険だ・・・。

「わかった一緒に行くよ」
「助かる・・・名前も断ってくれればいいのに。俺というものがありながら・・・」
「まあ・・・ほら、苗字さんてさ・・・こう、色々弱いじゃん・・・?」
「金一封か」
「まあそうだろうね」
「金一封の10倍くらい渡すから今からでも辞退しねぇかな」
「うーんなんかそれはそれで金に物言わせてるみたいで嫌かな!!」
「クソッ・・・エンデヴァーはなんのために稼いでるんだよ・・・」
「少なくとも息子が女を釣るために使うように稼いでるわけではないと思うな」

なんか苗字さんお金で釣れる女の子みたいになってるけどけしてそうではないよ。お金とイケメンと押しに弱そうな感じだけど多分そうじゃない。・・・そうじゃないって思いたい。






午前の仕事を終えて轟くんと会場に移動してきたけど結構みんな見るんだね?!会場自体も小さくないしお客さんもそれなりに入ってる!!何とか轟くんと真ん中のあたりの席を確保して座った。前にしなかったのは飛び出さないようにするため・・・。真ん中だと下手に個性打てないからね。いや轟くんが何も考えずブッパするなんて思わないけど、思ってないけど念の為ね。力こそパワーみたいなとこあるからね少し。そしてこの人パワーSだし。

「さて始まってますベストカップルコンテスト、第1ステージ"お互いをどのくらい知ってるかクイズ"なかなか面白いですねー!」
「優勝候補がいい感じにコケてますからね!!笑いを取りに来てくれたのかな??」
「初っ端から波乱の展開ですね!では第4ペア2‐Aヒーロー科カップル爆豪くん&苗字さんです!どうぞー!」

ちょっとしてからコンテストが始まって第1ステージのクイズはなかなかただのバカップル見せられてんなって感じだった。なるほどこのコンテストは揶揄う目的もあんのかな??楽しいね(白目)まあ金一封のためなら頑張れないことも無いね。質問もランダムみたいで何が聞かれるとかは決まってないみたい。これはかっちゃんと苗字さんはどうなるかな・・・と思ってたら2人の出番になった。
2人で手を繋いでとことこ出てきたけど、そうだよね・・・繋いでるよね・・・みんな繋いでたもんね今までのペアも・・・。

「・・・」
「と、とどろきく・・・」
「なんで手なんか・・・」
「多分これルールだよ!!ルール!!みんな繋いでた!!」
「ルールか・・・でも名前に触ってんのが無理だ。控えめに言っても殺したい」
「物騒・・・!!」

隣で闇落ちしそうな轟くんを頑張って落ち着かせてるけどこれこの後もずっと続く?!続くの?!



「問題の度に見つめあってんのが無理」
「やっぱり見にこない方が良かったんじゃ・・・でももう最終問題だから!!しかも記念日だしこれは答えられないよ!!」
「そうだな・・・」

問題でかっちゃんが苗字さんのことを答える度に俺だってそんなことくらい知ってるマウントが横で繰り返され、アイコンタクトしてるのが腹立つと怒りに震えるのを宥めてなんとか最終問題まできました。てかこれ第1ステージ?まだ第1ステージ??もうやめようここを出よう止める僕の心が無理。
でも次の問題はさすがに記念日なんてないから答えられな、

「はいじゃあサービス問題ですのですぐにフリップ開けてください!」
「はい・・・2人共同じ日ですね!!いやあサービス問題過ぎたかな??・・・ということは、全問正解ですね!!」

同じ日・・・だと・・・?!えっあの日なんなの?!何?!記念日決めておいたの?!えっあのあたりは・・・あ、轟くんと先輩のいざこざがあったときじゃない?!それこそかっちゃんと苗字さんがよく一緒にいるようになった時だよ!!

「なんの日だあれは」
「いや僕に聞かれても・・・」
「俺に内緒で付き合ってたりした・・・?」
「それは絶対ないと思うよ!!!!苗字さんはそんな人じゃないし、君のことが好きなんだよね?!」

お金とイケメンと押しに弱いかもしれないけど不誠実な女の子じゃないから苗字さんは!!押しに弱すぎるからいまこうなってるだけであってね!!!
そうでしょ?!君だって自分の顔でゴリ押したんでしょ?!たしかそうだったよね?!

なんとか轟くんを宥め続けてめちゃくちゃ疲れたから轟くんは僕になにか奢るべきだと思う。奢られてもおかしくないくらいには貢献してたと思う。第2ステージ最終ステージと進んでって途中火の輪潜りとか意味わかんないやつもあったけど苗字さんとかっちゃんは勝ち進み結果的に優勝した。この辺省くね。僕はステージの内容より轟くんを宥めるので大変だったからあんまり覚えてないんだ。でももう終わるからてこれも終わるから・・・よく頑張ったよ僕・・・。


「爆豪くん&苗字さんペア優勝おめでとうございます!!」
「ありがとうございます!」
「いやー、苗字さんの火の輪くぐり流石でした!爆豪くんとの信頼の賜物ですね!」
「火の輪くぐりは練習したことあったので!」

火の輪くぐり練習する・・・??まあ個性がらそういう所からアプローチするのも悪くないか・・・。でも練習いる・・・??そういえば自習とかでよくくぐってた気がしなくもないな・・・?

「いやー!最後までお二人の信頼関係が垣間見える様でした!おめでとうございます!」
「はい!」
「これ優勝賞品の金一封です!」
「はい!!」
「では最後にキスをお願いします!」
「はい!・・・・・・・・・はい?!」

「はい?!」
「・・・は?」

奇しくも苗字さんのはいと僕のはいと轟くんのは?が被った。待って待って轟くんの霊圧が急に強くなって息も出来ないくらい苦しいんだけど?!?!卍解した?!それとも領域展開したの?!僕はいつの間にか轟くんのテリトリーに入ってたの?!

「き、キス!?」
「はいお願いします!」
「いや、そんな、人前で?!いや、そうじゃなくて!」
「して頂かないと金一封は回収させて頂くことに・・・」
「卑怯!!!」
「・・・おい名前」
「なに勝己くんいまとりこみちゅ、」

司会の人とギャースカ言い合っていた苗字さんを横からかっちゃんが呼んで苗字さんが振り返ったと思ったら顔が近づいて、えっ

「えっ」
「・・・」

顔が離れた瞬間観客がワー!!って騒ぎ出したんだけど、あれ、キスしたのか?!かっちゃんの顔の影に隠れて全然見えなかったから、したと言えばしたのかもしれないけどしてないといえばしてないのかも?!だからしてないよきっと!!轟くん!!してないよ!!!

「大丈夫してない!あれはしてないよ!!!くっついたとこ見てないでしょ?!あれはフリだよ!!!僕もう君のフォローしきれないよ!!!」
「大丈夫だ緑谷。わかってる」
「よかっ」
「殺したら穴を掘るのを手伝ってくれ」
「よくない!!!!!!!」




『次回予告!』
緑谷です。せっかくの楽しい学園祭が殺人の隠蔽幇助で終わりそうなので何とかしてください。とりあえずかっちゃんを死なせたくないので苗字さんに何とかしてもらおうと思います・・・。それにしてもなんでベストカップルで火の輪くぐるの??実行委員会大丈夫??

次回!「寂しいから甘えたいの」デュエルスタンバイ!!


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