初めまして先輩!
昼休み、中庭の大きめの木の下で俺はサンドイッチやおにぎりやからあげやたこ焼きなど様々な種類のものをもそもそと食べていた。
普段であればミリオと食堂で食べているが、ミリオはインターンに行っている。1人であんな人混みの中で食事をするのはハードルが高すぎる。俺には中庭の隅っこがお似合いだ。
なんかの鳥がぴよぴよと鳴いていて、風が静かに吹いて木の葉が揺れる。この静かな空間が落ち着く・・・
「こんにちは!!」
「ヒッ!!!」
「こんにちは!!!」
「お、俺・・・?!俺に挨拶を・・・?いやまさかそんな」
「こんにちは!!!!!」
「どんどん近づいてくる・・・!初対面の距離感じゃない・・・怖すぎる・・・!耐えられない・・・ッ」
「こーんーにーちーはー!!!!」
「わ、わかったからそそそれ以上近づかないでくれ、こ、こここんにちは・・・」
「良かった!聞こえてないのかと思ってました!」
「それは俺の台詞・・・いや俺の声なんか誰にも届かないんだ・・・」
「天喰先輩ですよね!!ビッグ3の!!」
「た、たしかに天喰は俺だけど、ビッグ3はきっとドッキリだから俺じゃない・・・俺なんかに名乗れるものでは無い・・・辛い・・・こんな敬称が着いて歩くからこうやってからかわれるんだ・・・」
「わたし苗字名前って言います!2年生です!!以前に天喰先輩に助けられたことがあるんです!!それのお礼に来ました!!!」
「あああまり近づかないでくれ・・・これは男女の距離感じゃない・・・ッ顔が近すぎる・・・ッあと俺なんかに君を助けられるわけがない・・・」
「先輩なんで木の方向くんですか??わたしそっちにいませんよ!!お話する時は目と目を合わせないと!!」
「ムリだ・・・!!なんなんだ君は・・・!怖すぎる・・・辛い・・・ミリオ助けてくれ・・・ッ」
「以前大阪で敵に人質に取られちゃった時に先輩とファットガムが来てくれて、先輩が助けてくれました!!サンイーターですよね!!その節はありがとうございました!!」
「俺の事なんて関係なく話してくる・・・!木と俺の間にわざわざ入ってくるなんて・・・新手の敵なのか・・・でもここは雄英だからそんな・・・いや俺ならやれると思ってきたのか・・・そうだよな・・・」
「わたしは助けてくれた先輩に感銘を受けて雄英に来ました!2年になってやっと先輩を見つけられたので舞い上がっています!!!」
「ままま舞い上がりすぎて近くに来すぎている・・・でも離そうとして俺から触ったらセクハラで訴えられるんだ・・・辛い・・・それに俺なんかが感銘を受けさせるような事はしていない・・・」
「将来の夢は先輩と一緒にヒーローとしてやっていくことです!!これからよろしくお願いします!!あっチャイム!!またあいにきますね!!!では!」
「俺みたいな日陰族代表とヒーローやるなんてどうかしてる・・・そうだ、俺はハネのいい踏み台ということか・・・ってもう居ない・・・」
「怖かった・・・嵐のようだった・・・会いに来ると言っていたが俺の事なんか一瞬で忘れるからきっともう大丈夫だな・・・」