2.5 SSS | ナノ

クイルさんと元ラヴェジャーズの男主


「……」
「なーあお願いだよナマエ!一緒に付いてきて!」
「あのねクイル。さっきの俺とヨンドゥの会話を盗み聞いてたなら分かるよな?」
「だからお願いしてるんだろ!俺と一緒に来てくれって!」
「お前まっっったく人の話聞いてねえな!?俺はね!海賊引退するって言ってんの!!次に寄港する星で降ろしてもらって、そこでちょこちょこ貯めた金で慎ましやかだけど静かな余生を送りたいの!なんでトレジャーハンターになるとかほざいてるお前に付いてかなきゃなんねーんだよ?!危険と隣り合わせだし儲かるかも分かんねーし、トレジャーハンターなんて俺が送りたいと思ってる生活と正反対の生活一直線じゃねえか!!」
「なにジジイみたいなこと言ってるんだよ、ナマエ俺よりもちょっと年上のクセに」
「うるせえな俺は元々海賊にはなりたくなかったんだよ。ただヨンドゥにはでけえ借りがあったからな、それが帳消しになるまで働いてただけだ。借りを返し終わったら船を降ろしてもらう約束だったんだよ。その時がようやく来たんだ。やっと船を降りれるってのに、またお前は俺に別の船に乗れって言うのか?俺とお前の、2人っきりの船に?」
「ああ」
「…………クイル、一応聞くが、なんで俺なんだ」
「ナマエのことが好きだから」
「…………」
「…ここに来た時から、ナマエが俺の世話係になってから、あんたのことが好きだった。あんたの仕事ぶりにも憧れてた。あんたと仕事がしたくて、褒められたくてしたくもない盗みのスキルを磨いたんだぜ」
「…それは刷り込みってやつだろ」
「そうかもな。だがその気持ちが今も続いてるんだ、一途もいいとこだろ」
「…………俺のことが好きだから一緒に来て欲しいねえ、随分と強引だな。説得力の欠片もない」
「…………」
「……まあ、それで頷いちまう俺は相当の馬鹿だが」
「……っナマエ!」
「やめろ、そのデカイ図体でくっ付いてきたらさっきの言葉は即刻取り消すからな」






なるべく平穏な暮らしを送りたい元ラヴェジャーズの男主とピーター・クイルの話。
ヨンドゥがピーターを拉致ってからずっとピーターの世話係だった。ピーターが自分のことを好きなのは前々から知ってた。ピーターのことは普段名字で呼ぶ。名前で呼ぶことは滅多にない。
特技は戦闘など事を荒立てるのを極力避けるために磨いたスニーキングスキル。盗みの技術は一人前。ラヴェジャーズにいた年数が長かったため口が悪い。でも受け。押しに弱い。






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