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怒った口調とは逆に声は甘く掠れて、手の中でピクピクと震える雄の器官は正直に快感を訴えてくる。
本当は、気持ち良くて堪らないくせに。
俺の手で感じながらも、新堂は絶対に、男のプライドを保ったまま毅然とした態度を崩さない。
むしろ、俺の方が好き勝手に甘えさせてもらっているような気さえして。
「あー……や、ばっ」
「限界?」
「んっ、もう……」
そんなトコロに堪らなく惚れているんだと改めて自覚しながら、俺は熱く膨張した二人分の肉茎を扱くスピードを上げて、とりあえずのフィニッシュを目指した。
「は、あ……ぁッ、飛島、さん」
「やっべ、すげー、イイ」
「あ、イ……イクっす」
「ん」
間近に迫った射精の予感に硬直する、決して華奢ではない引き締まった身体。
先端の小さな穴から雄臭い蜜を零して震えるいやらしいペニス。
こんな風に快感の波に堪える新堂の色っぽい声を、もう俺以外の誰にも聞かせたくない。
「出しちまえよ、思いっきり」
「あぁッ、や、出る……あ、ぁッ!」
「くっそ、エロい声で……煽りやがって」
新堂を追い上げるつもりでいるのに、俺のモノまでビクビク震えて限界が近くなる。
「――あぁあッ、ん、あッ!」
狭い風呂場に、一際甘い声が響いた瞬間。
赤黒く張り詰めた新堂のモノの先端からは勢いよく白い熱液が解き放たれ、同じタイミングで、俺はキュッと締まった形のいいケツに叩き付けるように大量の雄種を放出したのだった。
「はあ、は、ぁ……あっ」
「うっわ、大量。しかも激濃!」
「……飛島さんって、マジで雰囲気ぶち壊す天才ですよね」
「今更だろ」
硬さを失いつつ小さく痙攣を続ける雄茎を緩く扱き、一滴残らずミルクを搾り取りながら、首筋に顔を埋めて笑う。
一息ついてまったり感の漂う新堂には悪いが、俺には甘い雰囲気に浸る余裕なんて全然ない。
むしろこれからが本番とばかりに、一度萎えたはずの股間の雄は逞しく力を取り戻しつつあった。
「休むなよ、若いくせに」
俺は、まだこれからなんだ。
そんな意味を込めて、満足げに深く息をついてシャワーノズルを手に汗と精液を流す新堂のケツに、回復したブツを擦りつけてやる。
熱が触れた瞬間、脱力していた身体は硬直して面白いほど露骨にうろたえた。
「げっ! も……もう、っすか!?」
「今夜は最後まで抱くって言っただろ」
「つか、今イッたばっかだし」
「ケツは熱いうちに掘れ、だ」
「何すか、それ!」
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