意外性の男。


買い物袋を手に珍しく一人で来店した伍代を迎える雪矢。


「いらっしゃいませ。今日はお一人なんですね」
「ええ。休日で、近くまで買い物に来たものですから」
「えっ!伍代さん、お休みの日もそんなきっちりとしたスーツを着ていらっしゃるんですか」
「普段着のようなものです」
「な、なるほど…。あれ?スーツに何かの毛がついてますね。ブラシをお貸ししましょうか」
「ああ、さっきまで猫カフェにいたので…」
「猫カフェ…!?」
「馴染みのペットショップに併設されているんです。コーヒーはこちらでご馳走になろうと思ってお茶だけ頂いてきたのですが、失礼だったでしょうか」
「いえ、全然、失礼とかそんなことはないんですけど。もしかして伍代さん、何かペットを飼っていらっしゃるんですか」
「はい。今日は文鳥の餌を買った帰りです」
「ぶっ!…ぶんちょう…何だかものすごく意外ですね」
「まぁ、猫や犬ほどメジャーなペットではないですからね」
「いえ、文鳥がどうとかいうより…」

○●○

伍代が帰った後で、出勤してきた三上に今日一番のビッグニュースを伝えた雪矢。


「文鳥を飼う伍代さん自体が意外過ぎるんだって本人は全然気付いてないみたいで、俺もそれ以上何も言えませんでしたよ」
「あの顔でそういうトコは意外に天然なんだよ、あの人」
「猫カフェに伍代さんって…絵的に凄いでしょうね」
「是非一度見てみたいな」


極道顔の大男の意外過ぎる一面を知ってしまった雪矢なのでした。



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