月刊大金持ち2。


ブルジョア公務員・各務の元に毎月送られてくる小冊子が気になって、小冊子を読む各務の横にさりげなく腰掛けてチラチラと隣を覗き込む羽田野。


「…読みたいのか?」
「い、いえっ。何なのかなーってちょっと気になっただけなんですけど」
「ほら、カード会社からの下らない宣伝雑誌だぞ」
「『月刊大金持ち』…!何だか激しく嫌な感じのタイトルですね」
「分かりやすくていいと思うが」
「ふむふむ…『ブランド品を敢えて庶民風に!〜インテリ社長のスーツ着こなし一ヶ月〜』…。内容までとことん嫌味でビックリです」
「『庶民に人気のグルメランキング』なんていうコーナーもあるぞ」
「普通に『人気グルメランキング』じゃ駄目なんですか…。あ、このカレスー食堂のドカ盛り定食おいしそう」
「行ってみるか」
「えっ!…庶民の俺に合わせてくれなくていいですよ。各務さんは大衆食堂なんて苦手でしょ」
「坊やの顔を見ながらの食事なら、俺にとっては何より贅沢なディナーだ」
「そっ、そんなこと平気な顔で言わないで下さいよ!そういうキャラじゃないくせに!」


最近は甘い言葉責めで恥ずかしがる坊やを見るのが好きな各務さんなのでした。
ちなみに『月刊大金持ち』は大金持ちの目線から庶民を調査した特集が毎回人気のとことん嫌味な小冊子です。




(*)prev next(#)
back(0)


第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -