着ぐるみ。


カレスエステートにて。
打ち合わせ中の安藤&小杉。


「今回の販売会はFDC社さんとのコラボイベントだから、あちらのキャンペーンスタッフも入ることになっている」
「ご来場下さったお客さまに粗品プレゼント、というのはFDC社さんの方で何か用意しているんですか?」
「ああ、それなんだが……」
「?」
「すまん、小杉! あちらさんのたっての希望で、お前には着ぐるみ姿で粗品の『お出かけ大好き!にゃんこすぎランチボックス』を配ってもらうことになっちまったんだ!」
「着ぐるみ!?……俺がですか?」
「うん、いや、着ぐるみとはいっても猫耳フード付きの衣装で顔は見えるようになっているから完全な着ぐるみというワケでは……」
「顔が見えるなんて余計に嫌ですよ! どうして断らなかったんですか」
「ああいう着ぐるみならあちらの松崎さんの方が似合いそうだし、一応断ろうとはしたんだけどな」
「断れなかったんですか」
「というか、別件で同席していた梶木君が即答で引き受けちゃったんだよ。あまりにソッコーで、口を挟む暇もなかったっつーか」
「……あの馬鹿……」
「悪気はないだろうし、あまり怒らないでやってくれ」


小杉の着ぐるみ姿が見たいばかりに、後のことも考えずに即答で話を引き受けてしまった梶木なのでした。



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