部署異動。


いつものようにウキウキと社食の蕎麦コーナーに並ぶ柚木に、麺を茹でながら話を切り出す北山。


「来月から担当が麺から日替わり定食に変わる」
「ええっ!?そんな!じゃあ…もう北山さんのお蕎麦が食べられないんですか!」
「泣きそうな顔するんじゃねえよ。業務用の安い蕎麦なんぞ誰が茹でても同じだろうが」
「全然違います!俺の一日で一番幸せな癒しタイムだったのに…これから何を支えに生きていけばいいんですか」
「あのな。これを機に蕎麦だけじゃなく定食も食え、坊主。またぶっ倒れるぞ」
「…分かりました。お昼は定食に乗り換えるけど…、たまにウチで茹でてくれますか。お蕎麦」
「たまに、な」


相変わらずの無愛想な顔の下で、実は蕎麦の担当を外れた途端柚木に別れを切り出されるのでは…と本気で不安を感じていた北山さんなのでした。




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