絶対零度。


同じ大学の先輩後輩という事をきっかけに御曹司三澤に懐かれて仲良くなった梶木係長。


「安藤課長」
「ん?」
「今日、課長の家にお邪魔してもいいすか」
「な、何でだよ」
「ちょっとした試験対策講座をやって欲しいって三澤君に頼まれてるんですよ」
「あー…なるほど。じゃ、俺も早めに切り上げるから一緒に上がろうぜ」
「すみません」
「謝る事じゃねえだろ。それにしても、あの傲慢俺様な御曹司が梶木君の前だと別人のように大人しいな」
「そうすか?一応、先輩を立ててくれてるんですかね」
「楽しそうに話してるし…いつも二人でメールとかしてるみたいだし」
「課長?まさかとは思いますけど、俺にヤキモチ焼かないで下さいよ。俺はただ久しぶりに大学の話を聞いたり出来るのが嬉しくて後輩を可愛がってるだけですからね」
「妬いてねえよ!っていうか、それは小杉に言ってやれよ」
「小杉に?」
「本当は今夜デートとかしたかったんじゃねえの。さっきから冷た〜い視線が突き刺さって痛えんだよ」
「わ、やべ。何だか怒ってますね」
「俺も人の事は言えないけど…君も相当鈍いな」


静かに冷たい空気を漂わせるヤキモチ小杉。
小杉係長が怒ると課の温度が10度は下がると営業課の間では有り難がられています。




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