井上渉。


夕食後のまったり時間。
進路希望調査を記入中の渉の様子が気になって仕方ない井上君。


「松崎って理系志望だよな」
「んー、つかお前もう調査表出したの?」
「だって前と変わってねえし書く事ないもん」
「ふーん」
「何か、松崎は顔的に理学部ってイメージだな」
「いや、俺工学部志望だし」
「マジで!?俺も!今のトコロ渠須大狙ってるんだけど」
「お前もかよ!」
「うわー、松崎と一緒に薔薇色の大学生活!やばい、すげえ嬉しい」
「まだ受かってもいないっつーか、受験すらしてねーのに気が早過ぎだろ」
「ウチは親父が設計士だからさ、兄貴達はこれからどうなるか分からないけど、俺は工学部出て何年か実務経験積んで、いずれ一級建築士になって親父の事務所を継ぐつもりでいるんだ」
「…お前より先に一級取ってやる」
「あっ!じゃあさ、いっそ二人で独立開業とかよくねえ!?井上渉設計事務所!」
「ふざけんな!何でお前の名前が先で、しかも俺は下の名前なんだよ!」
「いいじゃん、井上渉!…俺、一生松崎のこと大切にするから!」
「うるせえよ!一級建築士どころかまだ大学にすら入ってねーのに何勝手に俺の人生まで一緒に設計してやがる!」


さりげなく頑張ってみた井上君のプロポーズ的告白。
事務所の名前はともかく、二人で開業という部分は拒否されていないことに、渉も井上君も気付いていないのでした。



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