伍代のアレ。


珍しく仕事帰りに一人でバータイムの『KARES』を訪れた伍代。
獲物を見つけた三上が瞳を輝かせて極上の笑顔を見せる。


「お久しぶりです、伍代さん」
「ご無沙汰してます」
「最近カフェタイムのご来店ばかりでお会いできなくて寂しかったんですよ?」
「社長がどうしてもカフェタイムに…とごねるものですから、申し訳ありません」
「ふふ。そういえば、先日佐竹さんからお聞きしました」
「?」
「すごく可愛らしいんですってね。――伍代さんのアレ」
「ぶふっ!」
「ああ、大丈夫ですか」
「…可愛いと言われたことは今まで一度もありません」
「そうなんですか?ちょこんと手に乗るくらい小さくて、色は黒っぽいけど先っぽだけは綺麗なピンク色なんだって、佐竹さんは言っていたんですけど」
「お、大きさは人並みです。そもそも、社長とはそういった仲ではありません。私のモノの形状をあの人がそんなに詳しく知っている訳がない」
「そんなにムキになって否定されると俄然興味が湧きますね」
「!」
「見たいな、隼人さんの…」
「三上さん…!」
「――文鳥」
「…え?」
「すごく人懐っこくて可愛いって、佐竹さんが誉めていたんですよ」
「文鳥…ですか」
「桜文鳥って、体の色が黒っぽいんですね。文鳥はみんな真っ白なのかと思っていました」
「……」


伍代の見事な遊ばれっぷりに、カウンターの中から同情の視線を送る下っ端バーテンダーの香田なのでした。



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