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さっさと擦って、出すモノを出せばいいのに。
まるで飛島さんに抱かれようとしているみたいな、妙に甘ったるいこの雰囲気は一体何だろう。
「う、あッ、あぁ」
「言えよ。“触って”って」
「……っ、何言ってんすか……!」
触っても何も、触らないと抜き合いにならねぇじゃねぇかよ!
俺の心のツッコミにも気付かず、飛島さんはご機嫌でスウェット越しにグリグリと股間のモノ同士を擦り合わせ、耳元に熱く囁きかけてきた。
「ほら、イカせてやるから。可愛く言えって」
「は……、あっ!」
「下着の中、もうヌルヌルじゃねぇの?」
じんわり先端を濡らしたソレが硬く張り詰めて、飛島さんのモノを感じる度に微かな震えを繰り返している。
正直、ツラい。
こうなってしまったら、もう早くイキたいだけだ。
「飛島さ、……ん」
「そーいう顔は反則」
「いいから、早く触れよ先輩……っ」
これ以上は堪えられそうになくて自分で下半身に伸ばした手は、その部分に届く前に大きな手にあっさり遮られてしまった。
「俺がヤるって言ってんのに、自分で触るな」
「ッ!」
今までに聞いた事のない、低くて甘い、オスの声。
下着ごと剥いたスウェットを乱暴に投げ捨てて俺を見下ろした飛島さんの顔は、エロくて、とろけそうに優しくて。
この年になってフルチンという悲しい格好をさせられているという事も忘れて、その目をじっと見つめ返した。
「俺以外の誰にも、触らせたくねぇんだよ。新堂本人にも」
「……俺はオナニーも禁止って事っすか」
「ヤリたい時は俺に言え」
「……」
何て無茶苦茶な。トイレの時はどうしろと。
そこまでハッキリ言っておきながら、この鈍感な先輩はきっと、その感情が何なのかを考えた事もないんだろう。
飛島さんが気付く前に、俺の方が先に気付いてしまった。
面倒見が良くて頼りになる先輩の、その目に、後輩を見守る以外の感情が含まれているかもしれない事に。
「トビシマさん……、いっ、ぁッ」
「元気だなー、ビンビンに勃って。よく見ると何か可愛いよ、お前の」
「失礼なっ……、ンッ、あぁ……あっ」
「すっげぇガマン汁零して、エロいし」
丸出しになってしまったモノを、熱い掌が包み込んで慣れた手つきで追い上げ始める。
汁まみれの竿を根本から先端にかけて扱き、敏感な筋をぬるついた親指で撫でて、絶妙な力加減で亀頭を刺激してくる飛島さんの手。
「やッ、あっ、……飛島さ、んっ、……ヤバい……っ」
「もう?」
「だって、あ、んぁッ」
早いかもしれないけど、自分の手でする時より気持ち良くて、飛島さんの視線が熱くて、とても長くは保ちそうにない。
「俺も一緒にイクから、待てよ」
そう言って、取り出した熱い屹立を重ね合わされただけで、危うくモノが暴発してしまいそうになった。
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