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「い、今……」

 今のはまさか、キス、だったのか?
 インポから復活して出すモノを出したいだけのはずの先輩が、何でキスなんか。

 さっきからもう怒涛の展開に驚きっぱなしで何を突っ込んでいいのか分からない。

 股間のモノを扱くペースを保ちながら、飛島さんが形のいい唇の端を上げて、あっさり今の行為を認めた。

「何か新堂の顔見てたら急にキスしたくなって」
「どんな酔っ払い方ですか!」
「したくなったんだからしょうがねぇだろ」

 堂々と開き直る先輩に、言い返す言葉も見つからない。

 人前でチンコを露出して触らせた挙句にキスまでするなんて。
 本当に、今までよくこのタチの悪い酒癖が外で出なかったものだ。

 仕事の飲み会でお偉いさん相手にこんな事を仕出かしたらタダでは済まされないだろうし、合コンでも女の子相手にこんな事をやったら犯罪だ。

「っていうか、新堂も勃ってるよな」
「何見てるんすか! やめて下さいよ」

 股間に視線を感じて、必死に足を閉じるが、この先輩には通じなかった。

「俺の見て興奮しちゃった?」
「んなワケないでしょ!」

 認めたくないけれど。
 俺のモノは、こんな状況だというのに元気に勃ち上がって先端を濡らし始めていた。

 飛島さんのモノを見て興奮したワケではない……と思いたい。自分が思っていた以上に酒が回って、変な雰囲気に何となく反応しただけだ。

「俺だけ抜くの悪いし、お前のも一緒に抜いてやるよ」
「や、いいです……って、飛島さん!」

 飛島さんの仕事は、いつも速くて抜かりない。

「多分上手いから、安心しろ」
「んなコト聞いてませんよ!」
「今更恥ずかしがるようなモンでもねーだろうが」
「うわっ、ちょっと……!」

 あっという間にスウェットの中に手を突っ込まれ、下着の中から取り出されてしまった俺のモノは、熱っぽい大きな手に握られて真っ赤な幹をプルプル震わせていた。

「おー、元気元気」
「やっ、……やめて下さいよ」

 さっきまで堪能していたすき焼きの鍋が置かれたテーブルの前で、男二人して下半身を露出して、お互いのモノを握り合っている。
 この状況を、一体どう解釈したらいいのか。

「結構イイ物持ってんな」
「飛島さん程ではないですけど……」

 そんなトコロを褒められて、普通に謙遜するなんて。馬鹿か俺は。もっと抵抗しろ!……と思うのに、身体が動かない。

「あんま使い込まれてなさそうだけどな」

 アンタのが使い込まれ過ぎなんだ! と反論しようとして開けた口から、自分でも想像していなかった声が出た。

「ひぁッ……」

 飛島さんの手が、握っていたモノをゆるゆると扱き始めたのだ。



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