餌付け作戦。
荷造りを終えた庄司の袖を掴む柏木係長。
「庄司は……実家に帰るのか」
「すみません。本当は一緒に過ごしたいんですけど、正月くらい顔出せって親がうるさくて」
「そうか。親孝行して来いよ」
「来年は一緒に里帰りしましょう」
「な、何っ、何で!?」
「俺の大切な人ですから。両親に紹介しますよ」
「そんなの!ダメだろっ。親御さん、驚くだろ!」
「地元銘菓の大手まんぢゅう、とっても美味しいんですよ。一緒に食べたくないですか?」
「……」
「……柏木さん?」
「……まあ、ご挨拶して饅頭を食べるくらいなら」
お饅頭の力を借りて、庄司のプロポーズ(?)は成功しそうな予感です。
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