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いくら契約のためとはいえ、ケツを好き勝手に弄られて黙ってはいられない。
何とか指を抜かせようと顔を上げて三澤を睨み付けた瞬間。
スプリングを軋ませて、身体が大きくのけぞった。
「いっ…、あぁぁ…ッ！」
――何だ、この感覚は。
恥ずかしい場所から強引に俺の中に侵入した指がある一点を押し上げる度に、快感が電流のように身体を走り抜けていく。
「やっ…！み…さわッ、止めろ…」
零れた声は、自分のモノとは思えない程甘い色を帯びていた。
「止めていいのか？お前のいやらしい身体はこんなに喜んでいるのに。チンポがビクビク震えているぞ」
「あぁぁッ…、んんっ！ソコ、…触るな…！」
触るなと言いながらも本当は身体が嫌がっていない事など、その反応からしっかり伝わってしまっているに違いない。
「後ろは初めてか？…それにしては随分感度がいいな」
口元に僅かな笑みを浮かべて、三澤が指先で確かめるように敏感なポイントを探ってくる。
根元を握られたペニスの先端からは堪えきれなくなった蜜が押し出され、とろりと竿を伝って根元を戒める手を汚していた。
前立腺を刺激されるとイイらしいと、噂には聞いた事がある。
でもまさか、それがこんなに凄いモノだったとは。
「うっ…あ、ぁ…ッ」
今まで味わった事のない快感に身体が小刻みに震え、込み上げる射精感に呑まれて目からは涙が溢れてくる。
「イキたいか？安藤」
耳に滑り込んでくる悪魔の囁き。
もうプライドも何もない。
俺はガクガクと頷いて、救いを求める眼差しで自分に快感を与え続ける男を見上げた。
「んっ――イ…キたい…っ」
「俺にどうして欲しい？言ってみろ」
「あぁぁッ！」
グイッと中を指で押し上げられ、まるで三澤に股間のモノへの刺激をねだるように腰が浮き上がる。
「…チンポ…離して、…頼む…もう、イカせてくれっ…！」
普通あればこんなに恥ずかしい言葉を口にできるはずがない。
だが、今の俺にとってはこの戒めを解いてもらう事だけが全ての望みであって、そのためなら何をしてもいいとさえ思えた。
「ぁ、んッ…や、ぁ、ぁ…っ」
ぐいぐいと容赦なく中を犯す細長い指。
イキたくてもイケず、出口のない快感の波に何度もさらわれて意識が遠ざかる。
視界がぼやけて、もう三澤の顔も見えない…と思ったその時。
「――いいだろう…。望み通りにイカせてやる」
「…ッ…！」
待ち望んでいた解放の瞬間が訪れ、根元を戒めていたその手が破裂寸前だったペニスを包み込んで何度か扱き上げた。
「くっ…！――ぅ、あぁぁぁ…っ…！」
せき止められていた身体中の血が一気に逆流を始めたのではないかと思うような開放感。
信じられない勢いで、ビュルビュルッと大量のザーメンが弾け飛ぶ。
「…んっ…ぁ、ぁ…ッ」
こんな達成感は今までに味わった事がない。
まだ残る射精の余韻に弱々しく身体を震わせる俺の額にそっと唇を落とし、三澤が耳元で囁いた。
「契約成立だな」
この一ヶ月間何よりも聞きたかったはずのその言葉は、心に何の感動も与えず耳に入って消え、静かな部屋の中には淫靡な匂いが立ち込めていた。
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