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三澤と出会った頃の俺が、今の状況を目撃したら…きっと発狂してしまうに違いない。
あんなにムカついて大嫌いだったはずの生意気な御曹司にこんな事まで出来るくらい、コイツが特別な存在だと感じ始めたのはいつからだっただろう。
噎せそうになりながらも必死にモノを深くくわえ、舌先で浮き出た血管を辿って、先端の括れを舐め上げる。
「――下手くそめ…」
下手に決まってんだろ!男のモノなんて今まで舐めた事ねぇんだから!
ただ、そう呟いた三澤の声は掠れ、反り返ったペニスは先からとめどなく蜜を垂らして与えられる刺激に震えていた。
感じてるくせに。
いつもやられっぱなしだった身としてはそんな三澤の反応が少し嬉しくて、自分が今どんな格好をしているのかも忘れ、覚えたての行為に没頭してしまう。
チュプチュプと頭をスライドさせながらモノを唇で締めて舌を絡ませ、口に入らない根元を手で扱く。
三澤のモノを舐めながら、俺まで興奮して、さっき熱を放出したばかりの股間のモノは再びムクムクと育ちつつあった。
「…ッ、もういい。やめろ」
「んっ…」
もう少しでイキそうだと思ったところで髪を軽く引っ張られて抗議の視線を送るが、三澤の顔が意外に切羽詰まっている事に満足して、モノを口から離してやる。
よくよく考えてみればさすがに俺もアレを口で受け止めるだけのチャレンジ精神はまだ持ち合わせていない。
「早いな。そんなに俺のフェラテクに感じたのかよ」
さっきあっという間にイカされてしまった仕返しとばかりにからかうと、足の間にあった身体を引き上げられ、大きなその胸に抱きすくめられてしまった。
まだ小杉に揉まれた事を根に持っているのか、揉みもみと尻を揉みながら耳に唇を寄せて低く囁いてくる。
「ああ、感じた。…だから、最後はお前の中でイカせてくれ」
「……」
コイツは、どんな18歳なんだ…!
恥ずかしげもなく“お前の中でイカせてくれ”なんて言われて、俺の方が羞恥で死んでしまいそうだった。
さっきから身体が熱いのは絶対熱のせいだけではないはずだ。
「無理はさせない。多分、すぐ終わる」
熱い吐息交じりの切ない声が耳を擽る。
下半身で擦れあうお互いのモノが、熱くて、硬くて、もう後には引けない状態になっていた。
こんなにお互い苦しいのに、駄目だなんて言えるワケがない。
そっと伸ばした両腕を三澤の首に回し、赤くなった顔を見られないように、肩に顔を埋めたまま、ポソッと小さく呟いた。
「早く入れろ、馬鹿。…二週間も待たせやがって」
言葉が終わるのも待たずに、いつの間にか用意していたらしいジェルを纏った指がヌルッと入口を突いてくる。
「うわっ…!お前…っ」
結局俺がどう答えてもヤル気まんまんだったんじゃねぇか!
そんな文句も、侵入してきた不埒な指の動きに掻き消されてしまった。
「仕事で疲れているお前を無理矢理抱いて、聞き分けのないガキだと思われたくなかっただけだ」
「うっ…ん、あぁ…ッ」
熱心に奥を探ってソコを慣らしながら囁かれた言葉に、懲り固まっていた心までが柔らかく解される。
俺も素直じゃないが、三澤も大概不器用だ。
せめてこんな時だけでも、変な意地は捨てて三澤に甘えたくて。
キリッと引き締まった形のいい唇に顔を近付け、自分から唇を重ねて、そっと舌を差し入れた。
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