第4話 3
密着する程近くに並んで初めて、鮎川は俺より少し背が高いらしい事に気が付いた。
着込んだスーツの上からではよく分からないが、意外に鍛えられたイイ身体をしている……なんて事は、今はどうでもいい。
「離せ! 締めてみせたんだから、もう気が済んだんじゃねぇのかよ!」
後ろから抱きしめられるような変な体勢に動揺して、バタバタ暴れてみても、回された腕はピクリともしなかった。
「ね、眞木さん。褌の時ってどうやってヤるんですか?」
「あぁ!?」
「解かないでも…このまま、出来そうですよね」
「お前、何して…、ぁ、やッ!」
前袋の上から、盛り上がったその部分をそっと握り込まれて、自分でも信じられないような声が漏れた。
褌に興味があるだけにしては、ちょっとこの行動は度が過ぎている。
ノンケのくせに、この妙な積極性は何だ。最近の若者はゲイじゃなくても普通に他人のブツに触ったりするのか。
「鮎川…!?」
ビンビンに硬くなったモノの形を浮かび上がらせた前袋を、大きな熱い手がなぞっていく。
「眞木さんのせいですよ。今まで男をそういう目で見た事はなかったのに…」
「やッ、っていうか、お前、手…っ!」
「さっきのソーセージを食べる姿は、かなりキました」
「んんッ」
背筋がゾクッとするような色気のある声で囁きながら、鮎川は前袋の横から手を差し入れて、いきり立った俺のモノに直接触れてきた。
久々に他人の手で触れられたソレは、ビクビク震えて一気に体積を増してしまう。
「お尻、丸出しにしちゃって。エロ過ぎますよ」
ヤバイ。
褌パの濃過ぎる雰囲気に呑まれてしまったのか、俺が盛り部屋に連れ込んで褌を締めて見せたのがいけなかったのか。
ノンケのはずの鮎川が、おかしな事になっている。
「こんなエロい格好…いつもの真面目な制服姿からは想像できませんね」
「落ち着け…ッ、馬鹿!」
というか、むしろ俺が落ち着きたい。
「さっき隣に座っていた男前が、彼氏ですか」
先端から零れ始めたいやらしい汁を絡めた指が、裏筋をなぞる。
感じやすい括れをクチュクチュと親指の腹で撫でられて、腰が揺れた。
「…恭輔さん…は、違うっ。そういうんじゃ…あぁぁッ!」
「嬉しそうに話してましたね。一度くらいは、こういう事、したんでしょ」
「してな、…ッ、うっ、ン!」
熱く育った雄を扱き上げる手の動きが、リズミカルになってくる。
「やっぱり…解いた方がいいかな」
独り言のように呟いて、鮎川はせっかく締めたばかりの褌の横ミツに手をかけてきた。
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