spun sugar


「エレーン!おっはよーっ!」
「名前!?何でここに居んだよ!」


ここはエレンやその他の訓練兵団の男子が使っている部屋。
私はまだベッドで寝ていたエレンにダイブした。

(あ〜久しぶりのエレンだぁ。)


今日は待ちに待った休日。
毎日血ヘドが出そうな訓練でヘトヘトだけどただ寝て過ごすなんてもったいない!
エレンで充電しないと次の1週間私は頑張れません。


「何でってせっかくの休日だからエレンに会いに来たんですけど?」
「いや、ここ男子部屋だろ。他の奴も居んだから…って誰も居ない…。」
「大丈夫大丈夫!みんなお休みだからどっかに出掛けたんじゃないの?」
「そうなのか。」


甘いわねエレン。
昨日中にエレンと同室の男子達にお願いして部屋を出て行ってもらってるんですー!
ライナーもジャンも、クリスタとミカサの名前を出したらすぐに了承してくれました!


エレンの首に抱きついて頬ずりをする。
「くすぐったいだろ。」
「良いでしょ。久しぶりなんだから。」


あぁ。癒される。
エレンと付き合うことになって数ヶ月が経つけど、訓練が忙しすぎてこんな風に2人きりでのんびりできる日なんて今まで無かった。


「てか名前、ちゃんと俺のこと男だと思ってんのか?」
「思ってるよ。何で今さらそんなこと聞くの?」
「いや、この状況あまりに無防備過ぎんだろ。どうなっても知らねぇからな。」


そう言うとエレンは私を組み敷いて唇を押し付けてきた。
「んっ…!」

エレンとのキスは初めてじゃないけど、こんなに激しいキスは初めてだった。
舌まで口内に侵入してきた。ぬるりとした感触に背筋がぞくぞくする。

初めての感覚に頭がぼーっとしていた私だったけど、エレンの手がシャツの下に入ってきた時ハッと我に返った。


「ちょっ、ちょっと待ってエレン!」
「どうなっても知らねぇって言っただろ。」

熱っぽい眼差しで見つめられて何も言い返せなくなってしまう。

「で、でも…。」
「名前、好きだ。」

そう言ってもう1度キスされ、私は制止の言葉を飲み込んだ。


「…っん…あっ…エレン。」


胸の辺りを探る手に、甘い声が漏れるのを我慢できない。

「名前」

私の名前を呼ぶエレンに愛おしさが込み上げる。


(私、エレンのことが大好き。初めてで怖いけどエレンとなら…。)




その時、ドアの辺りから信じられない声が聞こえてきた。

「おいっ、もうちょっと詰めろって。」
「そんな押したら危ねぇだろ…ってうおっ!?」


ジャン、ライナー、コニーの3人がドアからなだれ込んで来た。
これには私もエレンもかなり驚いた。

「は!?お前ら何やってんだよ!」
「まぁまぁエレンそう怒るなよ。」

ジャンがエレンをなだめるが、私の怒りは頂点に達していた。
あ、コニーが逃げた!


「ライナー、ジャン話が違うじゃない。クリスタとミカサとのデートは無しで!」
「おい!マジかよ!?」
「大マジです。」


しょんぼりしているジャンとライナーの隣で何だかエレンまでしょんぼりしている。


「もうちょっとで名前と…。ちくしょう。」

肩を落としてがっかりしてるエレン。

(可愛いなぁ。)

「エレン。」
「何だよ。」
「続きはまた今度ね。」

耳元で囁いてそのままエレンの頬にちゅっと口づける。


さっきまであんなに積極的だったのに今度は赤くなってるエレン。


「おい!お前ら見せつけてんじゃねーよ!」


ジャンが何か叫んでるけど私は気にせずエレンを抱きしめた。



 
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