たまにはこんな日も


愛しの人類最強が風邪を引いたらしい。
しかも部屋に引き込もって寝込んでいるらしい。珍しいことがあるもんだ。



コンコンと部屋をノックする。
「リヴァイー?入るよー?」

返事がない。寝てるんだろうか。
「リヴァイさーん。」

鍵がかかっていなかったのでそのまま入ることにした。
部屋に入ると布団を首元までしっかり被って眠っているリヴァイの姿があった。
顔は赤くて呼吸もいつもより荒い。

(何か…可愛いっ!)

いや、いかんいかん。風邪を引いて寝込んでる姿が可愛いなんて不謹慎だよね。
でも、今なら何しても勝てる気がする!

「…誰だ。」
「ひっ…!私!名前!」
「名前か。」
リヴァイがゆっくり目を開ける。

(びっくりしたぁ。心の声だだ漏れてたのかと思った。)

「リヴァイ調子悪そうだね。」
「これぐらい何ともねぇ。寝てりゃすぐ治る。」
「そうだね。でも栄養もつけないと。何か食べたい物ある?」
「…………。」


答えないリヴァイ。食欲無いんだろうなー。

「ちょっとでもリヴァイの食べれそうな物考えて作ってくるね。」
そう言って不機嫌な顔に微笑む。

「じゃあすぐ戻るから。」
そう言って部屋を出ようとする私の腕をリヴァイが掴んだ。
「名前」
「えっ…!?」
そのままベッドに引きずり込まれる。

「リヴァイ?」
私はリヴァイの腕の中にすっぽり収められてしまった。
何も言わずに私の髪に顔を埋めるリヴァイ。

(もしかして甘えてる…?)

そんなリヴァイが可愛くて、思いっきり抱きしめ返す。いつもより高いリヴァイの体温にドキドキする。

「なんか今日のリヴァイ可愛い。」
「うるせぇ。」
眉間に皺を寄せるリヴァイ。そんな顔したって怖くないんだから。


「ふふふ。だって可愛いものは可愛いんだもん。」
リヴァイの眉間の皺を指で伸ばしながら言う。

するとリヴァイがいきなり私の顎を掴み噛み付くようなキスをしてきた。

「…っ…んっ…!」


いきなりの激しいキスに頭がぼーっとする。

「良いから黙って側に居ろ。」

そう言って真っ直ぐに私を見つめるリヴァイ。
こんな時でさえリヴァイには勝てない。


(風邪が移ったらどうしてくれるのよ。)


そう思いながら私はもう1度目を閉じた。




 
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