ブランケットラブ


今日は待ちに待った休日。
私、名前は久しぶりの休日に胸を踊らせていた。
天気も良いし予定も特に無いし思いっきり昼寝するんだ。昼寝なんていつもはできないしね。
こんなことリヴァイが聞いたら「掃除しろ豚野郎」とか言ってきそうだけど…。
いや、さすがに彼女に豚野郎は言わないかな。


「もしリヴァイに何か言われても、私にはこの休日という名の自由を楽しむ権利があるっ!」


そうよ、調査兵団は自由を追い求める集団なんだから!
よしっ!リヴァイとかハンジとか邪魔が入る前にレッツ昼寝だー!


「あれ!?無い!何で!?」
るんるんとベッドに足を運んだ私だったけど、すぐに異常に気がついた。
毎日使っているお気に入りのブランケットが見当たらない。
あれがないと眠れないのに!
どうして!?どこかにやった記憶は全くない。
部屋の中を隅から隅まで探し回ってみたけど結局ブランケットは見つからなかった。


「何でないの…?!」


混乱する頭抱えた時、ガチャっとノックもなしにドアが開いてリヴァイが入ってきた。

私はそのリヴァイの姿にはっと息を飲んだ。
白の三角巾を頭と口元にしている…調査兵団の中では知らない者はいない、リヴァイ兵長お掃除スタイルだったからだ。


(ま、まさか…。)


「リ、リヴァイ…。私のブランケットとか知らない…よね…?」
「ああ。あれなら汚ねえから洗っといた。」


私の嫌な予感は見事に的中してしまった。
今頃お日様の下に干されて乾かされているんだろう。


「何で勝手に洗うのよ!私のなのに!」
「汚ねえからって言ってんだろうが。名前、お前気に入ってるとかほざいてあれ全然洗濯してねぇだろ。」
「し、してるもん!」
「ほう。最後に洗ったのはいつだ?」
「え、えーと、うーん。…忘れました。」
「ちっ…不潔女。」


ひどい!でも最近洗濯してなかったのは事実だから言い返せない。
確かに洗わなきゃって思ってたんだけど、あのブランケットが無かったら眠れないんだもん。


「何か文句あんのか?」
「別に文句は無いけど、今日はお休みだからあのブランケットで気持ちよくお昼寝したかったの。あれが無いとなかなか眠れないし。」
「はっ、ガキかてめぇは。」
「ガキですみませんー。」


こんなことで頬を膨らましている自分は、リヴァイの言う通り本当に子供だと思う。


「そんなに気持ち良く寝てぇんなら俺が代わりに付き合ってやる。」
「え!?どういうこと?」
「さっさとしろ。」
「ええっ!?」


腕をぐいっと引っ張られてあっという間にベッドに組み敷かれてしまった。
ベッドに両手をついてどこか楽しそうに私を見下ろすリヴァイと目が合う。
どうしてこんなことに…。


「気持ち良く寝てぇんだろ?名前。お前の望み叶えてやるよ。」
「私はそんな卑猥な意味で言ったんじゃないから!」
「どうだかな。」


口元に意地の悪い笑みを浮かべてそんな言葉を発するリヴァイを見て、私は心の中で1人で過ごすのんびりとした休日に別れを告げた。

 
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