こう見えても尊敬してるんです。


「もう名前こんな所に居たの?探してたんだよー。巨人の実験を手伝ってもらいたかったのに。」
「すみませんでした。」


リヴァイ兵長の部屋に報告書を持ってきたハンジ分隊長は、どうやら私を探していたらしい。きっと巨人の実験と自分でここまで持って来たあの報告書を代わりに提出してもらいたかったんだろうな。


「そんなことよりリヴァイと何してたの!?私にはイチャついてる様に見えたんだけど!」
「ええっ!?そんなことしてませんよ!」
「うるせぇクソ眼鏡。」


ああ〜ハンジ分隊長の登場からリヴァイ兵長の機嫌が悪過ぎるー!
この空気はなかなか辛いです。


「リ、リヴァイ兵長にお茶を淹れに来てただけです。そうですよね兵長?」
「まぁな。」
「なに!?名前がリヴァイにお茶を淹れるの!?そんなの私してもらったこと無いのに!」
「うるせぇな。そういう約束なんだよコイツと。名前明日は忘れるんじゃねぇぞ。」
「えっ?今日はもう良いんですか?」
「ああ、今日はもう良い。」



何故だ!お茶を淹れに来たと思ったら、兵長に抱きしめられてお茶も淹れずにもう良いだなんて!
兵長!私はここに何の為に連れて来られたんでしょうか。


何はともあれ兵長の機嫌がよろしくないので、早くここから撤退することにした私はハンジ分隊長を連れて兵長の部屋を後にした。





「ねぇ名前、まさかリヴァイの班に入りたいなんて言わないよね?名前がどっかに行ってしまうなんて私は絶対に嫌だよ!」
「まさか!どうしてそうなるんですか!?」
「でも私、名前にお茶淹れてもらったことないし…。」



珍しくハンジ分隊長がしゅんとしている。いつもはあんなに明るいのに。
それにリヴァイ兵長の班に入りたいなんて思った事は1度もない。
私はこのドタバタしたハンジ班がけっこう気に入ってるんだから。もちろん腹が立つ事もたまにあるけど。



「ハンジ分隊長、伝わってないかもしれないですけど、私は分隊長のこと尊敬してるんです。」
「そうなの!?本当に!?」
「はい本当です。だからそんな風に言わないで下さい。」
「どんなところ!?ねぇ私のどんなところを尊敬してるの!?」


ハンジ分隊長はキラキラした瞳で畳み掛けるように聞いてくる。
こうなったらきちんと答えるまでは解放してくれないんだろうな。
私はいつも思ってるけど、口にはしたことのなかったハンジ分隊長への思いを伝えることにした。



「陽気な所とか、研究熱心なところです。巨人を前にあんなに陽気でいられるのは分隊長ぐらいですよ。だから私をこれからもハンジ班の一員で居させて下さい。」


「うおぉぉぉおー!名前ーっ!愛してるーっ!」


興奮した分隊長に思いっきり抱きしめられて窒息しそうになった。


「分隊長、ぐるじいです…。」
「名前!絶対にどこにも行かさないからね!」


分隊長が私を愛してくれているのはよく分かったからそろそろ離して欲しい。
抱きしめる力が強すぎるー!


でも、尊敬してるのは本当です!

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