オーマイブラザーズ!


次の日

またまた廊下でエレン君を発見!
ん?オルオとペトラも一緒にいる。

(昨日オルオがエレン君を呼んだりしなかったら、こんなことには…)

そう思うとメラメラとオルオに対する怒りが溢れてきた。


「オルオー!うなじ削がせろー!」
「フッ、俺の女房気取りか…名前。」
「私の話聞いてた?うなじ削がせろって言ってんのよ。あんたが昨日エレン君を呼んだりしなかったら、しなかったらぁー!バカぁー!」


うわぁぁあん!涙まで出てきたー!

「一体何なんだよ…。」
「だから昨日ね…」

私は昨日、兵長との間に起きた出来事を事細かに説明した。

「…ということで毎日兵長のお茶汲みをすることになりました。」
「なんでハンジ班のお前が!?兵長に指名されたからって調子に乗るなよ。」
「はいはい。」

こんな最悪な状況なのに何が羨ましいんだか。それならオルオが毎日兵長のお茶汲みすれば良いのにー。

「でも名前大変ね。ハンジ分隊長のお世話もあるのに…。」
「ペトラ…。」

さっすがはペトラ!よく分かっていらっしゃる!どこかの兵長のモノマネさんとは全然違う!
もう1回言うけど、全然違う!


「名前さん、すみません俺のせいで…。」
「エレン君のせいじゃないよ!あんなタイミングでエレン君を呼びつけたオルオと、あんなところで転けた私が悪かったの。」

「それでも、俺の代わりに兵長にお茶を持って行ってもらった訳ですし…。本当にすみません。」


責任を感じてしまい元気のないエレン君。頭まで下げちゃって…。なんて健気で可愛いんだ。

「エレンくーん!君は悪くないんだよー!」
「ちょっ…名前さん!?」

そう言って私はエレン君を抱きしめた。
びっくりして顔を赤くしているのもまた可愛い。

(あーほんとに可愛いなぁ。この子ハンジ班に来てくれないかなぁ。)


「おい名前、新兵を甘やかすな。」
「はいはい。」

オルオが横から邪魔してくるけど、気にせずエレン君を抱きしめ続ける。もうオルオ邪魔ー!!

…が、私の幸せタイムはペトラの発した言葉により強制終了させられた。


「あ、兵長。」


「おい名前、毎日茶をいれるんじゃなかったのか。初日からサボって何エレンと抱き合ってやがる。」

振り返ると、そこには禍々しいオーラを発していらっしゃるリヴァイ兵長が!

(や、殺られるっ!)

「す、すみません今から行こうと思ってたんです!」
「どうだかな。さっさと来い。」

私は兵長に首根っこを掴まれ、エレン君から乱暴に引き剥がされた。
しかもそのままずるずると引っ張られる。


(こ、怖すぎるー!)

「みんな助けてぇぇえー。」

必死に叫んでも誰1人目を合わせてはくれない…。この薄情者どもめっ!

「オルオ、ペトラ、エレンー!覚えとけぇー!うわぁぁあん!」


廊下には私の叫び声が虚しく響くだけだった。

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