お久しぶりです!


ぐいぐいと私の腕を引っ張って歩いていたハンジさんは、ある部屋の前でピタリと足を止めた。
この部屋一体何なんだろう。
ハンジさんに尋ねてみようと思ったけど、それより先にノックもなしにハンジさんはその部屋を勢い良く開けた。


「エッルヴィーンっ!名前ちゃんが来てくれたよー!!」
「名前さん?あぁ、リヴァイの。久しぶりだね。そんな格好をして一体どうしたんだい?入団希望かな?」


ハンジさんに連れられてやって来たのは、なんとエルヴィンさんの所だった。
相変わらずの優しい笑顔で私を迎え入れてくれたエルヴィンさん。
でも、これ怒られるんじゃ…。だってよそ者が調査兵団に侵入なんてしたら、団長さんとして黙っておけないよね?
ちゃんと謝らなきゃ!


「エルヴィンさんすみません!私、リヴァイさんのお仕事してる姿が見たいからってこのジャケットを着て、ここに不法侵入したんです。本当にごめんなさいっ!」


怒られると思い、目をぎゅっと瞑った私の予想とは裏腹にエルヴィンさんの笑い声が聞こえてきた。


「そうだったのか。私はてっきり入団希望かと思ったよ。まぁそんなことリヴァイが絶対にさせないとは思うが。こちらはいつでも入団してくれるのを待っているよ名前さん。」
「あっ、はい!ありがとうございます!」
「冗談だよ。名前さんをここに勧誘なんてしたら、それこそリヴァイに寝首をかかれそうだからね。止めておくよ。」
「そうだよエルヴィン!名前ちゃんを勧誘なんてしたらリヴァイにぶっ殺されちゃうよ!」
「その通りだ。」


エルヴィンさんはそう言って私を怒ったりはせずに終始笑顔だった。
調査兵団の団長さんは心も広い!


「そう言えば今、リヴァイは立体機動の指導中じゃなかったか?ハンジ、名前さんを連れて行ってあげたらどうだ?」
「もちろんそのつもりだよ!じゃあ名前ちゃん次はお望みのリヴァイの仕事中の姿を見に行こう!」
「本当ですか!?嬉しいっ!」


ハンジさんの言葉に自分の頬がニヤけるのが分かった。
待ちに待ったリヴァイさんのお仕事中の姿だぁー!立体機動ってあの駐屯兵団の人がよく壁を登る時に使ってるアレですよね?
リヴァイさんがしてるのは見たことない。どんな感じなんだろう。


「嬉しそうな顔しちゃってー。じゃあ名前ちゃん早速行こっか。」
「はい!エルヴィンさん失礼しました。」
「ああ。せっかく来たんだからゆっくりしていってくれ。」
「ありがとうございます。あっ、あと私がここに来てるのはリヴァイさんには内緒でお願いします。きっと怒ると思うんで。」
「そうか、分かったよ。リヴァイには黙っておこう。」
「ありがとうございます!」


そうして私はハンジさんと一緒にエルヴィンさんの部屋を後にした。

リヴァイさん、今度こそ今行きますっ!


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