いざ潜入!


見覚えのある建物を目指して歩くこと30分。
やっと目的地である調査兵団本部に着いた。
ここでリヴァイさんが働いているんだと思うと少しソワソワしてくる。


それにしても大きくて立派な建物。リヴァイさんの姿を見つけ出す事ができるか少し不安だなぁ。
私は調査兵団本部のあまりの大きさに圧倒されていた。ここで生活してる人もたくさん居るんだからこれぐらい大きくて当然と言えば当然なんだろうけど。


それにしても一体どこから入ろう…。
正面の門から入るのは、もし身分証明書を見せろって言われたら終わりだからやっぱりここは窓からかな…。
建物をよく見ると忍び込むのにちょうど良さそうな高さの窓が何カ所かあった。


(うんっ!窓から潜入に決めたっ!)


さっそく1番近くにあった窓を覗いてみると、女の子達が書類の様なものを書きながら話をしているのが聞こえた。


「あ〜早くこの報告書仕上げてリヴァイ兵長に提出しに行きたい。」
「あんた本当にリヴァイ兵長好きだね。提出しに行きたいじゃなくて、会ってお話したいの間違いでしょ。」
「もちろんそうだけど?」
「まぁ、あんなに強くて清潔感ある人他に居ないもんね。あのスカーフも素敵だよね。」
「そうなの!もう兵長以外は見えないわ。」
「でも兵長って結婚したって噂無かった?」
「あ〜デマでしょ。結婚指輪もしてないし、もし結婚してても私諦めないけどね。」


そこまで聞いて私は自分の耳を塞ぎたくなった。もしかして、もしかしなくてもリヴァイさんの話ですよね?
職場でモテてるなんて知らなかった。リヴァイさんは背も低めだし、ぶっきらぼうな所があるから大丈夫だろうって思ってた。
しかも結婚してないことになってる!
あのスカーフに毎日アイロンをかけてるのは私なんです。結婚指輪をしてないのは汚れるのが嫌だという理由らしいんです。
もう!私の知らない所で勝手にモテてリヴァイさんのバカ!


聞かなきゃ良かったと半ば後悔しながら、私はコソコソ移動して隣の窓を覗いてみた。
その部屋は机や椅子に黒板みたいな物があって、教室風な部屋だった。
しかも今は誰も居ない!チャーンス!
窓を静かに開けて素早く忍び込む。
何だかすごく悪いことしてる気分…。いや実際悪いことしてるんだけど。


難なく潜入に成功した私はほっと一息ついた。
でもその瞬間、ドアが勢い良く開き若い男の子や女の子達がぞろぞろと入って来た。
嘘!?ば、ばれる!どうしよう!?


「あれ、お前早いな。そういやあんまり見たことねぇ顔だけど、名前何だっけ?」
「名前だけど。」
「俺はエレン。名前早く座らないと始まるぞ。」
「う、うん分かった!」


そのエレンという男の子に言われるがままに私は席に着いた。一体今から何が始まるんだろう。
まさかリヴァイさん来ないよね?
それにしてもエレンという名前には聞き覚えがある気がした。
リヴァイさんの話によく出てくるのもエレンって名前の男の子だったような…。


そんな事を考えていると、またしてもドアが開いて誰かが入って来た。
私は部屋に入って来たその人物の顔を見て、はっと息を飲んだ。



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