なんちゃって調査兵団


調査兵団への潜入を決めた私は、さっそくハンジさんからもらったジャケットやズボンを着てみることにした。
こんなにかっこいい服は着たことがないから少しドキドキする。
自由の翼のマークが特にかっこ良くて素敵。


袖を通してみるとそれは私の体にぴったりなサイズで、今すぐにでもハンジさんにお礼を言いたくなった。
なんかこの服着たら気持ちが引き締まるような気がする。ただの週3回お花屋さんで働く主婦なんですけどね。…えへへ。
着替えが終わった私はさっそく鏡で自分の姿をチェックすることにした。
鏡の前に立って自分の姿を見た私は思わず声を上げてしまった。


「うわぁ!リヴァイさんと一緒だぁ。」


よく目にするリヴァイさんと同じ格好を今自分がしているのがとっても嬉しかった。
こんなの着てたら本当にリヴァイさんの部下みたい。
さらに調査兵団の人っぽく見えるように、いつもはおろしている長い髪を束ねて結ってみる。


「おぉ…。なんちゃって調査兵団だ。」


鏡に映る調査兵団な自分に満足した私は早速、家を出ることにした。
持ち物は…リヴァイさんのお弁当だけでいいや!
よし、しゅっぱーつ!



と言っても調査兵団本部への道のりはうろ覚えだ。確かここから歩いて20分ぐらいの所にあるはず…。
建物の見た目は覚えてるんだけどなぁ。
リヴァイさんと結婚する時に家をどこにするのかで喧嘩した時のことを思い出す。
リヴァイさんは家はシーナにするって言ったけど、そんなに遠かったらリヴァイさんが帰って来れなくて家の意味がないって言って揉めたんだっけ。
それで何とかリヴァイさんを説得して、調査兵団の本部まで歩いて行ける距離の場所にしたんだった。
まだあれから半年と少しぐらいしか経ってないのになんだか懐かしいなぁ。



そんな事を思い出しながら、何となく歩いていた私はハッと気が付いた。


「あれ…?あの建物だ!」


少し遠くに見える立派な建物。
それは私が覚えていた調査兵団の本部と全く同じ物だった。
まさかこんな家の近くから見えてたなんて!
どうして今まで気づかなかったんだ自分!
何にせよこれで問題は無くなった。あとはあの建物を目指すだけだ。


「よしっ!リヴァイさん今行きますっ!」


って言ってもリヴァイさんには内緒なんだけど。



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