あなたのいる朝
朝、まだ隣で寝ている大好きな人の寝顔を見てから、起こしてしまわない様にそーっと額に口付を落とす。
そんな毎朝のささやかな決まりごとを終えたら、今度はそーっとベッドを抜け出して朝の仕度を始める。
朝ごはんを作り、彼のお弁当を作る。
ハードな仕事をしている彼だから、しっかり栄養を摂ってもらいたい。
きちんとバランスの良い食事を作る事が、妻である私の大事な役割であると思う。
机の上に朝食を並べてから、まだベッドで寝息を立てている彼を起こす。
「リヴァイさん、朝ですよ。」
「名前…あと5分寝かせろ。」
その掠れた声にドキっとしてしまう。
リヴァイさんと一緒に住み出してから、ちょうど半年ぐらいになる。
仕事の都合でなかなか家に帰って来れない時もあるので、まだまだリヴァイさんの居る生活には慣れず彼の一挙一動に胸を高鳴らしてしまう自分がいる。
「きゃっ!?」
「何赤い顔してんだ名前。昨夜のことでも思い出してんのか。いやらしい奴だな。」
私を抱きしめ少し意地の悪い笑みを口元に浮かべるリヴァイさん。
そんな表情にさえもドキっとしてしまう。
「ち、違いますっ!昨日のことを思い出していた訳ではっ…!」
「…冗談だ。」
クッと笑うと私の頭に手を乗せ、そのまま頭を引き寄せられ唇に口付けられる。
これは彼が起きてからのもう1つの朝の決まりごと。
「そろそろ起きるか。」
「はいっ!」
伸びをしながら言うリヴァイさんに私は元気良く返事をした。