お茶会は終わらない


リヴァイさんのお仕事中の姿を陰からこっそり見た後、私はハンジさんの研究室にお邪魔していた。


「まぁ名前ちゃん座ってよ。コーヒーと紅茶どっちが良い?」
「じゃあ紅茶をお願いします。」


研究室は本や書類が散乱していて、普段からこの部屋で研究に勤しむハンジさんの姿が目に浮んだ。


「はい。名前ちゃんどーぞ。」
「ありがとうございます。すごく良い香りですね。」


ハンジさんの淹れてくれた紅茶は香りも味も良くって、家とは違う場所で飲むという非日常感も合間ってとっても美味しかった。


「それで名前ちゃん!さっそく本題なんだけど、そのジャケット何回使ったの!?もう10回ぐらいは使ってくれた!?」


ハンジさんが突然そんなことを言うものだから、せっかく味わっていた紅茶を危うく口から吹き出すところだった。
まさか、いきなりそんな卑猥な質問が飛び出すとは!!


「…それはもしかして、もしかしなくても卑猥な意味での使ったですよね?」
「当たり前だよ!それ以外に何があるの!?ねぇ、リヴァイの奴どんな反応だった!?」


私の手を取り興奮気味に問いかけてくるハンジさん。…でも、これを着るのは今日が初めてなんです!期待に応えられなくてごめんなさい〜っ。


「じ、実はそういう事にはまだ使ってなくて…。」
「ええっ!?そうなの。ざんねーん。」
「はい…。せっかく頂いたのにすみません。」
「そっかぁ。じゃあまだこれからだね。ところで、リヴァイとは週に何回ぐらいするの!?そういう時のリヴァイってどんな感じ!?やっぱりちょっと強引なの!?」


まさかの卑猥な質問のオンパレード!
どうしてそんなに気になるんですかハンジさん!!でも、ジャケットを使ってなくてがっかりさせちゃったから、せめて質問ぐらいには答えないとダメですよね。頑張るんだ自分っ!


「え、えっとですね…そういう時のリヴァイさんは…意外と優しかったり…します。」
「うんうん。」
「…耳元で…意地悪なことを言ったりとかはよくありますけど……ってうわぁーっ!私何言ってるんだろ。あっ!ハンジさんメモ取らないで!」
「えー!?もう終わりー?もっと聞きたかったよ。」
「これ以上はもう…。」


顔から火が出そうなので無理です!
ううっ…恥ずかしい。どうしてこんな話してるんだろ…。本当に恥ずかし過ぎます。


「あっ!」
「何!?どうしたの名前ちゃん!」
「リヴァイさんにお弁当届けなきゃ。ハンジさん、訓練の後リヴァイさんが行そうな場所を教えて下さい。こっそりお弁当置いて来ます!」
「ああ。それなら…。」





兵士長室。そこに訓練の後リヴァイさんが戻って来るとハンジさんから教えてもらった私は、研究室を後にして急いでその部屋を目指していた。
しっかり場所も教えてもらったから大丈夫!


「確かこの辺りに…。あっ!あの部屋だ!」


少し遠いけど、確かに兵士長室って書いてある。よーし!目的地発見!兵士長室を見つけた私は、嬉しくなって駆け出した。
でも、突然横から伸びてきた手にぐいっと腕を引っ張られ後ろから身体を捕らえられた。


(何!?誰!?)


それはあまりに突然で、自分でも何が起こっているのかよく分からなかった。


「いやぁっ!リヴァイさん助けてっ!リヴァイさん!」


必死にもがいて、できる限りの大きな声で叫ぶ。恐怖心から目に浮かんだ涙で視界が滲んだ。



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