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「そうなんですか」

 つまり、『家族』と呼んでいる仲間の誕生日会ということか。
 そう把握して相槌を打ったナマエは、もしかしたら目の前の海賊を含む彼らは毎日が宴なのかもしれないな、と少しばかり考えた。
 ナマエが噂で聞く分だけを考えてみても、『白ひげ海賊団』というのは大所帯なのだ。
 もしも自分が乗ったら肝臓を壊しそうだな、なんてことまで考えてから、ナマエは目の前の相手へ笑いかけた。

「たくさん飲まれるなら、隣の店で薬湯も買っていかれるといいですよ」

 二日酔いに効くらしいです、と続けたナマエへ、へえ、そいつは気になるな、なんて言うふうに男が相槌を打つ。
 ちょうどそこでゴロゴロと音を立てながら店主が一樽目の酒を連れて戻ってきたので、ナマエの『白ひげ海賊団』との邂逅はそこで終了したのだった。




end

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