まるたん!
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※同年代っぽい新参クルーとマルコとイゾウさん



 もうじき、マルコの誕生日らしい。
 それを聞いてカレンダーを確認した俺は、ああ、と納得の言葉を漏らした。
 そういえば、ワンピースのキャラクターは語呂合わせの誕生日が多かった。
 マルコで十月五日だなんて、覚えやすいことこの上ない。
 そういえばトラファルガー・ローも近かったな、なんてことを考えていたら、俺の様子を見ていたイゾウが肩を竦めたのが視界の端に映った。

「……その様子じゃあ、誕生日プレゼントなんて用意していそうにないな」

 そうして寄越された言葉に、まあ、と頷く。
 イゾウだって、そういう話は前の島を出る前にしてくれたらよかったのだ。
 次の島につくより先にマルコの誕生日が来てしまう。
 マルコは慕われているし、俺からのプレゼントなんてあっても無くても変わらないくらいのプレゼントをもらいそうだが、どうせならせっかくだから何か渡したかった。
 遅れてから渡すと変な雰囲気になるだろうか。遅くなったけど、と前置いたら大丈夫だろうか。
 そんなことを考えた俺の肩を、ぽん、とイゾウが叩く。

「安心しろ、ナマエ。おれにいい考えがある」

 そうして寄越された言葉に、ずっとカレンダーに注いでいた視線を傍らに向ける。
 その際びくりと体を震わせてしまったのは、こちらを向いて微笑むイゾウが、なんともあくどい顔をしていたからだ。
 これは怖い。どう見ても海賊だ。いや、海賊だった。
 何をビビってんだ、とからから笑ったイゾウの指が、ついと俺の肩を撫でながら首筋へ向かって、辿るように俺の顎まで這っていく。

「首輪は何色がいい?」

 特別に選ばせてやろうじゃないか、なんていうイゾウの言葉の意味を知ったのは、マルコの誕生日の前日のことだった。






「……何やってんだよい」

 マルコのベッドの上で、半裸に首輪を掛けられ簀巻き状態で放置されていた俺を見下ろしたベッドの主が、気持ち悪がったりしなかったのは唯一の救いだ。
 後でイゾウが『据え膳食わなかったのか』とマルコをからかっていたが、俺では膳になりようが無いので仕方ないと思う。



end
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