main | ナノ



縁側ぱろ

シンガロンの管理人みみずくちゃん宅の縁側パロ設定を拝借してのss。
許可を頂いたのでさっそく!
どこで公開するか迷いましたが、こちらで。







縁側設定省略して記載

ちょっと昔の日本(トトロ辺り
ロイアリは同居
アリアさん和装多
ご近所さんはスェード家(ラグ、ニッチ同居)
以上を踏まえてどうぞ。






縁側ロイアリ
ネタは年末年始
────────


12月は本当に師走だと、思う。
あれをした、これをした、と確認しながら台所で湯を張ると、着物の袖と一緒にちゃぷん、と動く。
まな板にある何度も畳んで伸ばした蕎麦の生地を切り始めながら、もの思いに浸った。




(今年は、特に忙しかった気がするわ)




12月は年賀状、門松、おもち、おせち。年越しの準備にバタバタと包まれてしまうのだ。
それに、急にあの人が今年は米国の"くりすます"を祝おう、だなんて言い出したから特に忙しくなっちゃったんだわ。








よくわからずに、スープと唐揚げを沢山して、大根とブロッコリーとトマトと人参で食べれるツリーを作ったのは今では大切な思い出。
そして、二人して洋服に袖を通したのも。
食べられるツリーを挟んで食卓について、夕食をいざ食べようとしたら、彼からこれを着てみて、と洋服を手渡されたのだ。
戸惑いつつ、一度部屋に戻って着替えて彼の前に来ると、開口一番に似合ってるよ、と言われたから恥ずかしくて話題をすり替えた。
洋装って、軽いですね、と。
それに動きやすいだろう?と言われた。
確かに、その通り。
はい、と笑うと彼は微笑んで、それから口を開いた。



クリスマスはね、ある人の誕生日を祝う日らしいんだけど、プレゼント交換したりもするんだって

贈り物をするって、素敵な風習ですね

うん。だから、そのワンピースは僕からの贈り物

え?あ、あの、私、何も用意できてないんですが‥

ご馳走を用意してくれただけで十分だよ。


笑った彼に私は眉尻を下げて、来年は用意しておきます、と述べた。
それにおどけて、来年は君がキスをくれたらいいよ、なんて彼が言うから私は眉をつり上げてロイドさんっ!と睨んだ。
それでも彼は微笑んでいて、さらりと話題を変えた。


来年は専用の幹を買って、飾り付けしたいね

それなら、ご近所のスェードさん達も読んで、小さなパーティにしませんか?

子供たちとプレゼント交換なんて、素敵だろうね


フフッと笑い合ったら、ランプや蝋燭も揺れた。
それはもう数日前の事。
なのに、去年のこととなる。
ロイドさんが練って伸ばしてくれたそばを包丁で切りながらそんな物思いに耽った。
そうだ。今年も色々あったのだ。
春は、花見に。
夏には、祭りと、花火を。
秋は紅葉と、栗やキノコを採ったり。
冬は雪見。冬服を新しく誂えたりもした。


そして初めての"くりすます"に、年越し準備。
31日から3日まではどのお店も閉まるから本当に29日は忙しい。買い忘れがないかのチェックに勤しんだ。30日は餅つき。御近所さんで集まって、ぺったん、ぺったん、ついた。





シルベット、知ってる?

何がですか?アリアさん

昔のお年玉は鏡餅サイズのお餅を貰うことだったそうよ

えっ!じゃ、お金に変わったのはいつからですか?

最近らしいわ





へえーと可愛く叫んだ彼女は綺麗にお餅を丸めていたっけ。
30日はそんな餅つきで一日が終わった気がする。つくのも重労働だし、後片付けも重労働。杵と臼を運んで洗って、運んで終ってと。
だからロイドさんはその日早々に眠りについていた。
そして31日と1日は、料理に忙しい。一週間前からおせち料理の準備をしていても、大半は当日に作らなきゃならないものもある。なんたって、生ものだ。
今切っている年越し蕎麦だって、さっき始めたものだし。さっきと言っても粉を練り始めたのは2時間くらい前だった。そんな料理を思うと明日の朝は早い。
疲れることばかりなのに、どうしてこんな風習をするんだろう、と思うことはよくある。
だけど、それでも蕎麦を切る手をやめないのはたった今やって来て、隣に佇んでる彼のせいだと思う。


「お湯、沸いたね」

「はい、今蕎麦を入れますね。切り終わりましたので」

「ありがとう」



微笑んでから私の頭を一撫した彼はいそいそと茶碗とお箸を用意しだした。
どんぶりがどこに終われてるのかわかるのかしら、なんて思いながら蕎麦をまな板から鍋に滑らすように入れて茹でる。
菜箸で鍋を軽くませてから後ろを振り替えると、戸棚にあるどんぶりを懸命に探すロイドさんがいる。こんな中々ない一面を見せてもらえるなら、どんなに大変であろうとも明日のおせち料理に腕を奮おうと思った。


もうすぐ、除夜の鐘がなる。
それまでに食べられるかしら、と思いながら佇んで微笑ましい彼の姿に口角を上げて待った。





















みみずくちゃん宅の雰囲気を壊さないようなssにしたかったのですが、無理でした。
柔らかくて考え抜かれたあの言葉は私には無理だ(苦笑)





ともあれ、設定を使わせていただいたお宅はこちら。
みみずくちゃん宅:SING ALONG
設定詳細:縁側屋










[ 59/116 ]
/soelil/novel/1/?ParentDataID=16


 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -