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13

ジギアリ3を踏まえてのゴシュアリ
ゴーシュとアリアはマンションお部屋お隣。

──────────


これはもう、ゴーシュに伝えるしかない、と思った。

彼は知っているのだろうか?いや、きっと知らないと思う。そうであって欲しい。でないとこの感動は半減だ。
ちょうどゴーシュが大学から帰宅したらしく、玄関に鍵を差し込もうとしている。
ジギーの部屋から出て、階段で二階に降りるとユウサリハイズの廊下でその姿を確認した。
競る気持ちを押さえて、呼んだ。


「ゴーシュ!ちょっと時間いい?」
「ん?サンドイッチならもう充分だよ?」


困ったように笑ったゴーシュに違うの!サンドイッチはまだあるけれど、違うの!と主張した。自分でもテンションが高いのがわかる。落ち着け、と言い聞かせながら口を開いた。


「ジギーって料理上手なのね!」
「とうとうジギーにまで持っていったんだ」
「そうしたら、ケーキをご馳走になったの。びっくりして、美味しくて更にびっくりして」


感動しちゃって、ゴーシュに伝えずにはいられなかったの。ゴーシュは知ってた?
終始苦笑していたゴーシュに問うと、彼は苦笑のまま、あぁ、と言った。


「ロイドさんからジギーのクッキーをもらったことがあってね。」


説明をするようにアリアに話すと、彼女はなんだ、と肩を竦めた。知らないのは私だけだったのね、と苦笑する。


(ごめん、言えなくて)


ジギーが料理上手なのはよく知ってた。経緯はロイドさんだけど、最近僕の料理のレパートリーが増えたのも彼から教わったからだし、何よりケーキの腕はパティシエ並みだ。
それを知っていながら伝えなかったのは単にジギーとアリアが親しくなるのがどこかもやもやするからだ。なんで、と言われても子供みたいになんだか嫌だったとしか言えない。なんて自分勝手な理由なんだろう。
謝罪すべきだけど、その言葉を出そうにも口は動いてくれず、苦笑いを僕は張り付けたまま別の言葉を絞り出した。


「蕪のマリネがあるけれど、いるかい?」
「マリネ?じゃぁ、私生ハム持ってるから添えない?」
「じゃぁ、夕飯は僕の家で食べる?」
「お邪魔していいのなら」
「もちろん、どうぞ」
「じゃぁ、6時位になったら伺おうかな」
「了解。それまでにかるく掃除しとくよ」

ゴーシュは頻繁に掃除機かけてるじゃない、と笑った彼女に待ってるよ、と答えた。
えぇ、と頷いた彼女はあ、ホットサンドイッチ持っていっていい?と言う。僕もう一週間サンドイッチ生活なんだけど、と言いつつ、了解した。
今までと違う味付けのを持ってくるから。それもダメ?と小首を傾げた彼女には了解サインを出さざるを得ない。じゃぁ、また後で、と無邪気に隣の自宅に入っていくアリアを見て、無防備過ぎないかなぁ、と思いつつ、僕は自宅に入った。










というわけでこの日、アリアはジギー宅にもゴーシュ宅にもお邪魔する訳です。
ゴーシュが無防備過ぎないかな、と思うのはそんなところ。
そしてなんだか見ていると食べ物に釣られているように見えます気のせい?

最近どうなんだろう、と思うのがこんなゴシュアリを書くと、音パロアリアさんは天然なだけ?あれ?原作の片思いは?とか、一人で?を飛ばしてました。本編の音はちゃんと片思いな雰囲気出してるのに(苦笑)

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