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11



ゴシュアリ
※襲わせてみたかったけど、無理だった産物。
※シリアス


────────
時間は真夜中。場所は彼の部屋。帰宅したのは30分前。
呆然としてベットに腰掛けている彼の前に立った。
それでも彼の視線は空を見つめている。あぁ、そうだ。無理もない。きっと、壊れてしまいそうなほど不安定で、理性で今、どうにか冷静でいるのだ。
きっと。
むしろこれほど静かなのが恐ろしい。




シルベットが行方不明になった。




誘拐なのか、家出なのか。わからないままゴーシュの両親から連絡を受け、ハチノスヒルズに住む音大のメンバーで捜索にあたった。けれど、見つからなくて、ついさっき、30分程前帰宅した。自室で軽くシャワーを浴びた後、気になって彼の家というか、部屋というか、とりあえずお隣のインタンターホンを押した。反応が無くて、ドアノブを回して引くと、あっさり扉は開いた。
用心のために、閉めた扉の鍵はかちゃり、かけた。
そして、現在に至る。
無表情で空を見つめる彼の前に膝をつき屈んで、ゴーシュ、と呼び掛ける。

「ゴーシュ、シルベットは無事よ」

彼の膝の上にある手に私の片手を重ねた。もう片方の手で、彼の髪を撫でた。そうしてようやく、彼は視線を私に向けてくれた。大丈夫よ、と囁く。根拠のない気休めでしかない。けれどこの言葉に力はある。

「大丈夫よ、シルベットは無事よ」
「どうして、そういいきれる?」

家でならまだしも、食べるものに困っているだろうし、寝場所はどうしてる?女の子が真夜中に一人はあぶないだろう、それこそ危険だ。そして誘拐ならどうなる?安全じゃないし、怖い思いをしているし、どうして、大丈夫と、言い切れるんだ!

ぷつり、琴線に触れてしまったらしく彼は珍しくシワを寄せて捲し立てて喋った。話す、でもなく、怒鳴る、でもなく喋った。
不安と、怒りを自制しているのがわかる。
私に八つ当たりしそうなのを必死にこらえて、いる。
口を動かせず、ゴーシュの隣に腰をおろした。
ただ、もう一度きつく握られた彼の手を優しく包んで、もう片方で髪を撫でた。そのまま、横から抱きしめた。
ごめんなさい、と言いそうだけど、言ってはならない。それは彼の主張を主張を認めてしまうから。だから、代わりに言霊って知ってる?と聞いた。

「言霊、って知ってる?」
「言葉に力があるとかの?」
「そう。だからシルベットが危ないかもしれないけど、でも、大丈夫って行っていたら、それはシルベットを守る力になるのよ」
「それも、根拠は無いじゃないか。アリア」


呟くゴーシュの声には捜しに行きたい焦りが溢れていた。
唇をきつくかんだまま、ゴーシュはじろりと私を睨む。ゆっくり、確実に私の回した手を戻していく。最終的に私の手は私の足の上に収まった。

「でもゴーシュ」
「すまない、アリア。出ていってくれないか」

苦く、彼は笑う。作られた笑みを顔に張り付けているけれど、今にも泣き出しそうな笑みを。
それを見て、今の彼からは離れられない。

「一人になりたいんだ」

苦い顔の理性で話す彼は今にも取り乱しそうで、一人にしたら何をしだすかわからない。だから、無理よ、と呟いた。

「無理よ、今のゴーシュの傍は離れられないわ」

私の言葉に彼が苛立っていたのはわかっている。けれど、こんなに不安定な彼から離れたら彼は消えるようにおかしくなりそうな気がして、離れられない。自分のエゴでしかないけれど、無理だわ、ともう一度呟いた。


「帰ってくれないか、アリア。気心のしれた君の前なら僕は怒りを爆発させそうなんだ」


だから、帰ってくれ、懇願するように言われた。けれど、私がここを離れたら彼は壁にでも穴を開けそうだ。そんな彼のそばを離れてはいけない、と本能が警告している。


「アリア、僕は君を殴るかもしれない」


だから、出てくんだ。
怒りが、彼を包んでいく。火に油を注いだ自覚はあった。でも、不安定な泣き出しそうで怒っていて、不安そうな彼から離れる気にはならなかった。


「ここから私が離れたらゴーシュはベランダからでも外に出て、シルベットを捜しに行きそうよ。ご両親の言い付けを破りそう。そして無茶をして、帰ってきそう。そんなゴーシュからは」

「帰ってくれ!」


怒鳴る声が響く。
そして、私はゴーシュに押し倒されていた。私の首の左右には彼の手がある。顔は蛍光灯を遮るように私の視線の真上にあった。


「帰ってくれ。そうしないなら君を怖がらすよ」


乱暴に顎を片手であげられる。不思議と、恐怖は無かった。多分それは彼の性格をわかっているから。
睨むように私を見下ろす彼を確りと見つめ返した。出来るなら、やってみてよ、と言わんばかりに。


「出てってくれ」

もう一度、脅すような声が響く。
嫌よ、と確りと彼の瞳を見て答えた。

「脅したら帰ると思った?帰らないわ。だって今の貴方を一人にしたらおかしくなりそうだもの」

「君はこのまま僕に襲われるかもしれないんだよ」

「だって、きっと今のゴーシュには無理だわ。確信があるわ。シルベットが危ないって心配でヒヤヒヤしてるときにそんなこと、できない。」


言い終わるか終わらないかに鋭い眼光の彼から降り下ろされたのは噛み付くようなキス。
離れた時に見えたゴーシュの顔はくしゃり、歪んだんで怒りではなく、涙に染まっていた。






捕捉
ゴーシュの家庭は過保護で、12時を過ぎたら出歩くな、と言われている設定。
規則正しい生活をしないといい演奏は出来ないよ、という考えから。

──────────
襲わせてみたかっただけですすいません←
やっぱり、無理でした、私が←
シルベットが危険なときにアリアを傷付けてなんになるんだ、という理性で彼はアリアの前から退くでしょう。イライラしながらココアか珈琲を入れて一夜を明かすでしょう。シルベットへの不安を愚痴愚痴アリアに話して。

結論:ゴーシュはヘタレが好きです←
  :格好いい攻めな彼も好きですが、書けません(苦笑/相互記念の品とか、奇跡だったと思う←)
  :ポイントは妹溺愛←

彼らほど甘いのが書けないのは無い気がする。だって私、甘いのを書くためにパロを思い立ったのに現実はなんかシリアスです←
いつか甘いの書けたらいいなぁ。
ヘタレなゴーシュが好きな限り無理だと思う夢です。もうアリアから動かしましょうか、公式のように。

というか、甘いのってなに何ナニ?



重層させたい。あ、重奏ね。重層で膨らむようにネタとssが膨らめば幸せですが(笑)
とりあえず本当に楽器で重奏させたい。
何のための音大パロよ。
本編でさっさと書きたい。でもまとまらない(苦笑)
わからないことを補うために音楽関連の本を読みだしたのですが、追い付かない(苦笑)
うん、音楽成績悪かったもんね。3か4だったもんね。5がとれた試しがなかったもんね。ピアノやってたのに。(笑)






シルベットはザジかラグのお家にお泊まりしています^^
パロはザジシル要素考えて無かったのですが、入れたくなりまして色々変更中です。
モクネリとかね!
ザジシルとかね!
ザジアンとかね!
ノワアリとかね!




趣味と現実逃避と愚痴、失礼しました。
愛があると怖いね。



──────
ノリとテンションとは恐ろしいですね。怖いですよ。

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