main | ナノ



4



ロイエレ
3の続き。
────────



バタン。


開けて閉めた扉の鍵をガチャリとかけて靴を脱ぐ。
幼馴染みの部屋とはいえ、勝手知ったる我が家のようにただいま、と言った。


「おかえりーアクエリアスまだー?」


今日の昼より些か声の良くなったエレナがお布団から声を出す。カーテンの隙間から覗く夕日が眩しく彼女を照らしている。
エレナは思いの外元気そうで、まったく、と悪態をつきながら彼女の傍に腰を下ろした。
冷たい500のペットボトルを頬に当ててやる。ちべたっと目を伏せた彼女に熱があるんだから大人しくしてなさい、と言ったらふぁい、と返された。
どうやら病人の自覚はあるらしい。
子供の頃、風邪に気付かずハープの練習をしていた彼女とは違うんだな、と思考がよぎった。


「ねぇ、ご飯はラルゴに任せていいの?」
「夕飯には腕を奮って風邪用の卵粥を作るよ」
「本当?じゃぁ、期待してる!」


潤んだ瞳からにっこり笑った彼女は魅力的だった。
アクエリアスをひと飲みし、キャップを締めたエレナの頭を撫でながら、休んで待ってるんだよ、と呟いたら子供扱いしないの、と手を優しく退けられた。
どうやらご立腹らしい。
その様子にお互い学生の肩書きを被った大人か、と思って大人しく手を引いた。
代わりに額と迷ったけれど、大人だから、と軽く頬にキスとリップ音を。
待っててね。
軽く言ったら軽く返してくれた。
外国贔屓ね。ここは日本なんだから。

熱のせいかほんのり赤い顔の彼女は笑って言っている。
その笑顔を見ると、コンサート中止はなんとも思わなかった。ただ、無理して笑っていやしないか、それが気になりつつ小さな台所で調理を始めた。
冷蔵庫にしまった食材と大きなアクエリアスと元々あったポカリが何か主張している気がして、ならなかった。







─────────
続き。
またかけるかな‥続き。
捕捉は買い出しに館長は出掛けて、帰ってきた所から始まってます。
エレナちゃんがポカリあるのにアクエリアスねだるシーンやら、一人寂しくお布団で待つシーンやら。
ロイドが呆れながら買い出しにいくシーンや、サプライズを考えるシーンやらを省きました。
だってssにならないんです。←


[ 33/116 ]
/soelil/novel/1/?ParentDataID=16


 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -