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ジギアリ。

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ちくり。
胸に刺さったのはその射ぬく視線で、唇に柔らかな刺激をくれたのは彼のそれだった。何があったって、ただ唇が触れ合った、だけ。


「‥…すまない。忘れてくれ」


そう言って唇を放す彼は凄く弱々しく映る。言葉すら覇気を感じれない。けれど唯一鋭い彼の視線は真摯で私を解放してくれなかった。
視線でこれくらい、許せ。どうせ俺は眼中に無いのだろう?なら許してくれ。
そう訴えているように見えた。
チクリ、胸と唇が痛んだ。
それは触れた余韻の熱と、彼の思いを気付いていながら素知らぬ振りをした自分に対する罪悪感。


反省と視線と
(だって彼も私の思いを知りながら諦めてはいない)




















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