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14

簡易スペック
モックは豪邸のお坊っちゃま
ネリは豪邸近くの孤児院住まい
モックの部屋へは塀と庭の木を使って窓から侵入ネリ

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熱い。茹だるように熱い。Tシャツは体にへばりつく。
窓は空いているのにろくな風は入らない。

ゴロゴロとベットの上を四方に行き来し、シワだらけにしながらモックゥ〜と声をあげた。


「クーラーつけてよ」
「お前がすぐ出れるように窓開けてるのにか」
「窓はいいからクーラー」
「扇風機独占してるだろ」
「クーラー」


ぶわわわわと確かに強のボタンを押した扇風機を独り占めしてミンミン蝉の煩い夏を過ごしているけれど、こんなの、下手をすれば孤児院でもできるかも…しれな…い。みんながいなければ。
孤児院はきっかり28度に設定をされてるからそこまで涼しくない。はっきりいって、クーラーの調子が悪いから寧ろ暑くなるときもある。真夏の避暑地として各々図書館や親友の家など様々あるも、夜は寝苦しい。そんな孤児院。
だからあたしも例のごとく避暑地に来てみたものの、避暑地がエコ中だとかで扇風機独占しかさせてくれなかったのだ。
いやモックだって窓のなまったるい微妙な風でしか勉強出来ないんだろうから辛いはずなのに。


「なぁ、モック。なんでクーラー駄目なのー!」

「女々しく叫んでも駄目なものは駄目。メイドが駆け付けてきたら困るんだろ。」

「出れるもん」

「クーラーつけたらそうはいかないじゃん。そんなこともわかってないの?」

「うーうークーラーついたら黙るからさぁ!」

「お前が黙れるか」

「よしもうわかった!廊下に出て通りすがりの人にモックと付き合ってますって言ってくる」

「勝手にすれ…やめろそれはやめろ」


さっきから堂々巡りな会話だった。だから勉強しながら適当に会話していたけれど、抜かった。
廊下に出られてしまってはそうはいかない。しかも俺の負になることをしでかそうとしている。ドアノブに手をかけていたネリがじゃぁ、さ!とこちらに飛び付いてきた。目は星のように輝いている。うぅ。ちくしょう。
ご丁寧に扇風機を持参して自分に風が当たるようにして、いいの?いいの?と嬉々として聞いてくる。両手をない胸もとで組んでお願いのポーズで、だ。
今の俺はたぶん、青筋たっていてもいい。
扇風機なしでこの灼熱で課題をひたすら解いていたと言うのにこいつはクーラークーラーざわめきそのくせ扇風機でちゃっかり涼み、ベットはしわくちゃにし、ベット近くのものにぶつかって床に倒し散らかし後片付けすらしない。
しまいには目を輝かせてお願いのポーズでいい?と聞いてくる。クーラーのリモコンを投げつけたくなるのを抑えてボタンを押した。

ドライの換気の。


それでもネリはヤッターと叫んでジャンプして窓を閉めた。
黙るんじゃなかったの、と聞くとあっと呟いてごめんねーと言ってベットの上で体育座りをし始めた。
それではこれから、ネリが沈黙をいくら続けられるか計るとしよう。
俺がクーラーのリモコンに触るまでの記録は越えられるかどうかもかけて。


クーラーまで2時間13分
それまでの下らない暑苦しい会話。
意外と、あれは心地よかった。

















わかった。
音パロネリが進まないわけが。
ジギネリベースが苦手の模様です。


この小話、ネリがモックの為にクーラーつけさせたくて、(勉強はかどるよう)クーラーついたら外に出てって、モックが何?あいつ?なお話にしようか途中で迷いました。
モクネリはモク→←←ネリよりもモク→→←ネリなイメージなので止めました(笑)


移転作業片つきません。
すいませんorz

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