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7

ロイエレ
提出期限に苦しむエレナ(笑)
───────────────







「金曜日だね」
「金曜日‥まの金曜日‥」


ねぇエレナ、間の金曜日?馬の金曜日?それとも魔の金曜日と聞き返すと彼女は、あいだと悪魔、と呟いて机に突っ伏した。
白いテーブルに茶色のショートの髪が散らばって、うなじが顔を覗かせる。白い肌には赤い斑点がぽつり。


「首に蚊にさされ。」
「多分ダニです。」
「お布団干そう、掃除しよう、エレナ」
「時間があればしています。ねぇ、ロイド手伝って」
「今までやってない君が悪いんじゃないか」



ムクリと顔だけ上げたエレナは白い机の向かい僕にすわる僕を見上げる。頬を膨らませるのがかわいくて、素知らぬふりして珈琲をすするのが精一杯だったりするのは秘密。
けち、と呟く茶髪の子に、自業自得だろう?と言って頭をひとなでした。髪をわしゃわしゃにしてもこちらを見上げる姿は愛らしい。しかしながら、うーと唸りだしたからこれは重症だ。
そろそろ餌を出さなきゃならないか。一息ついて、ソバカスがチャームポイントの顔を覗き込む。

「ちゃんと間に合わせたら、コンサートと水族館、行くんだろう?」
「終わんないんだもん!」
「間に合わなかったら、無しなんだよ?単位も、遊びも。」
「うー」
「やればできるから大丈夫。エレナ。できるから直前まで溜めちゃうんだよ。さぁ、頑張ろう。」



それでも、うーと唸り続けるエレナの手は完璧に止まっていた。辛うじて身を起こして用紙に向き合っているけれど、進んでいないのは明らかだ。ため息を飲み込んで、そっと作業の止まった手をとって、口付けた。


「ロイド?」
「やる気、出た?」
「微妙に?」
「じゃぁ、今年流行りのラブ注入は成功だ」


ラブは入らないから、レポート完成させる頭をちょうだい。そう呟く唇は愛らしい。自業自得だろう?と答えると再びうーと唸りだした。早く終わって魔の金曜日を素敵な金曜日にしようよ、と囁くと悪魔なロイドがいる限り無理な気がすると返された。
僕、悪魔なんだって笑うと、みんな苦しんでるレポートを一人先に終わらせて優雅に過ごしてるんだもん、羨ましくて、悪魔に見えちゃうわよ、と口を尖らす。ようやくレポートに手を滑らせた彼女に計画的にしない、君達が悪いんだよと諭す。
計画的にと言ってから、この年になるまでエレナと一緒にいられるなんて、そんな人生の計画をたてたことは無かったな、と思った。
あわよくば、と思うことは幾度とあったけど、大学までこんな関係が続けられるとは思わなかった。不安定な、暖かい関係が。
悪魔だなんだと言われるけれど、それでも、こんな関係でいられるならいいか、と彼女を眺めた。
視線に気付いて何?と問い掛けるエレナになんだろうね、と微笑むのがきっと今の僕の仕事だと思う。














ロイエレ
提出期限に苦しむエレナ(笑)
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「金曜日だね」
「金曜日‥まの金曜日‥」


ねぇエレナ、間の金曜日?馬の金曜日?それとも魔の金曜日と聞き返すと彼女は、あいだと悪魔、と呟いて机に突っ伏した。
白いテーブルに茶色のショートの髪が散らばって、うなじが顔を覗かせる。白い肌には赤い斑点がぽつり。


「首に蚊にさされ。」
「多分ダニです。」
「お布団干そう、掃除しよう、エレナ」
「時間があればしています。ねぇ、ロイド手伝って」
「今までやってない君が悪いんじゃないか」



ムクリと顔だけ上げたエレナは白い机の向かい僕にすわる僕を見上げる。頬を膨らませるのがかわいくて、素知らぬふりして珈琲をすするのが精一杯だったりするのは秘密。
けち、と呟く茶髪の子に、自業自得だろう?と言って頭をひとなでした。髪をわしゃわしゃにしてもこちらを見上げる姿は愛らしい。しかしながら、うーと唸りだしたからこれは重症だ。
そろそろ餌を出さなきゃならないか。一息ついて、ソバカスがチャームポイントの顔を覗き込む。

「ちゃんと間に合わせたら、コンサートと水族館、行くんだろう?」
「終わんないんだもん!」
「間に合わなかったら、無しなんだよ?単位も、遊びも。」
「うー」
「やればできるから大丈夫。エレナ。できるから直前まで溜めちゃうんだよ。さぁ、頑張ろう。」



それでも、うーと唸り続けるエレナの手は完璧に止まっていた。辛うじて身を起こして用紙に向き合っているけれど、進んでいないのは明らかだ。ため息を飲み込んで、そっと作業の止まった手をとって、口付けた。


「ロイド?」
「やる気、出た?」
「微妙に?」
「じゃぁ、今年流行りのラブ注入は成功だ」


ラブは入らないから、レポート完成させる頭をちょうだい。そう呟く唇は愛らしい。自業自得だろう?と答えると再びうーと唸りだした。早く終わって魔の金曜日を素敵な金曜日にしようよ、と囁くと悪魔なロイドがいる限り無理な気がすると返された。
僕、悪魔なんだって笑うと、みんな苦しんでるレポートを一人先に終わらせて優雅に過ごしてるんだもん、羨ましくて、悪魔に見えちゃうわよ、と口を尖らす。ようやくレポートに手を滑らせた彼女に計画的にしない、君達が悪いんだよと諭す。
計画的にと言ってから、この年になるまでエレナと一緒にいられるなんて、そんな人生の計画をたてたことは無かったな、と思った。
あわよくば、と思うことは幾度とあったけど、大学までこんな関係が続けられるとは思わなかった。不安定な、暖かい関係が。
悪魔だなんだと言われるけれど、それでも、こんな関係でいられるならいいか、と彼女を眺めた。
視線に気付いて何?と問い掛けるエレナになんだろうね、と微笑むのがきっと今の僕の仕事だと思う。

























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