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9

エレナとゴーシュ
日常風景…‥?
出会った初期らへん。
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学校帰りに見かけたのは、スーパーからの帰りのエレナだった。角を曲がって出た通りの先、譜面の入った鞄を持つ僕の前をスーパーの袋を3つ抱えて歩いている。


「あれ?エレナさん?」
「ん?あ、ゴーシュ君?今学校帰り?」
「えぇ。袋を持ちますよ、エレナさん」 

すっ、と無造作に茶髪のエレナさんから2つの袋をいただいた。いいのに、と呟く彼女にどうせ同じマンションですから、と言うと肩をすくめられた。

「じゃぁ、お言葉に甘えるね」
「はい」
「代わりにゴーシュ君、一つお願いがあるんだけど」
「…?なんでしょう」


首を傾げて頭一つ分小さいエレナさんを見ると、えっと、その、と視線を斜め下に下げられた。睫毛長いなぁ、なんて思ったらその下で忙しなく動いていた瞳と、ぱちり、と合う。突然の事に目をしばたかせたのは、秘密だ。


「あの、さん付け、やめて?」
「え?」

もう一度僕が目をぱちばちさせるに時間はかからなかった。年上のエレナさんにさん付けをするのは当たり前かと思っていたから。
不思議に思いつつ、は、はい、わかりました…‥と呟いたら、とびきりの笑顔で破顔されて、捲し立てて喋り始めたエレナさん。


「よかった‥!年齢は違えど同級生だし、私はさん付けされる柄じゃないし、もうどうしようかと思ってたの!あぁ、よかった!」


そしてるんるんで歩き出した彼女のあまりの子供らしさに僕が吹き出したのは言うまでもない。何?どうしたのゴーシュ君?と僕を覗き込む茶髪の人に、あなたも君づけを止めてもらえませんか、エレナと微笑みながら言うのがようやく出来たこと。
僕らの住まいのマンションはもう目の前にある。













2人は、それぞれアリアかロイドの紹介で会う予定です。
そんで、初めはさん付け、君づけ。だけど呼び捨てになるのって萌えるじゃないですか。という俺得から生まれた小話。本編の音では呼び捨てにし合う仲です。
CPじゃないけど、こんな風に絡んで欲しい願望の塊です。



では、以上報告でした。

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