▼ あの日の忘れ物 ∵
――体が、横たわっている。
腕が上がらないな……体全体が重い。
線路に、落ちたまでは覚えている。俺は、電車に轢かれたのだろうか?
大型トラックに踏み潰された時と同じように。
また、何か忘れ物をしてきたのだろうか……
それとも、電車に乗れたのだろうか?
今、目を開けたら、まん丸の目が覗き込んでいるんじゃないだろうか?
足がないと言う不思議な少年に、一緒に忘れ物を探しに行こうと、言われるんじゃないだろうか……。
小太郎は足の代わりを見つけた。
がいこつは届け物を届けた。
俺は……
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