Short Novel | ナノ


▼ !!! NIGHTMARE OF HALLOWEEN !!! 

第六章 WELCOME TO OUR HOUSE !!

「それで……あの」
 突然やってきた迷惑オバケの集団に、アランがおずおずと口を開く。
「別の世界から来たって、ハロウィンの冗談かなにか?」
 もじもじと指をからませるアランに、おれたちは顔を見合わせた。ていうか、ロビン、なにおまえまで不思議そうな顔してやがんだ。
「あれぇ……今、どんな時期? ヴォルトは元気?」
 ロビンがベッドの端で足をぶらつかせ、親しい友人に話しかけるように言った。
 ヴォルト、その名前にアランはびっくりしたようだった。ていうか、ここまであからさまにビックリした人間初めて見た。ドキッとした心臓の音まで聞こえてきそうな驚きようだ。
「どうして……どうしてそれを?」
「じゃあ、ヴォルトはまだ形になっていないわけだね?」
 遠慮ないロビンの質問攻めに、アランはまたも飛び上がりそうなほどビックリしていた。
 おれはなにがなんだかわからないまま、のんきにキャンディーを舐めるアルベールに目をやった。こっちは相変わらず、まるで他人事って顔だ。
 アランの呼吸が深くなった。信じられない事態を前に、無理やり自分を落ち着かせているんだろう。
「君たちは……いったい、なに?」
「あー、もう、ややこしいなぁ。こう言えばわかるかな? 僕たちは、君たちの過去も未来も、しっかり見てきたんだよ」
 ロビンはそう言って立ちあがって、おれにニコッとしてみせた。
 僕たち、って言ったか、今? おれがわけのわからない顔をしていると、ロビンも怪訝そうに顔をしかめた。
「あれっ? ダージ、忘れてるの? それともまさか知らないの……?」
「はっ? なんのことだよ」
 おれは素っ頓狂な声をあげた。あちこちで疑問符が飛び、部屋中がクエスチョンマークでパンパンになりそうだった。
 その時、部屋の奥でアルベールがため息をついた。甘いキャンディーの香りまで運んできそうな、絵になるため息だ。
「ねぇ、そもそも君の考えている時間軸が違うんだよ。ダージリンは僕らの後から来たんだ。アランを知らないよ」
「あっ、そうかー!」
 ボソッとした意見を聞いたとたん、ロビンは飛び上って額をぺちっと叩いた。
 どうやら本人は合点がいったようだが、おれたちはさっぱりわからない。おれはもう一度アランと目を合わせて、肩をすくめた。


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