隣の星から愛を叫ぶ


ヒロトは、何て言うか、ロマンチストってやつなんだと思う。よく、俺にはわからない事を言い出す。実は密かにポエムとか書いてるんじゃないかなって思ってる。今度見せてくれと頼んでみようか。ヒロトなら見せてくれそうだ。何となくそう思う。



入浴、夕食を終え俺の部屋に来たヒロトは、ベッドに仰向けに寝ていた俺の腹の上に乗り上げると甘えるように身を擦り寄せてきた。腹がちょっと苦しいけど、ヒロトくらいの重さならば何てことはなかった。ヒロトは、本当に同じ歳の男子なのかと疑いたくなるくらいにとても軽いのだ。同じように見た目で直ぐ細いとわかるような風丸や佐久間達なんかよりも、ヒロトはきっともっと軽い。そんな気がした。手首なんか、こちらがぎょっとする程に細いのだ。見た目よりよく食べるのに不思議だ。太らないタイプってやつなんだろうか。そういったものは生まれつきなもので、とても羨ましいことなのだと前に秋が言っていた。

機嫌よさそうに俺の上に乗っているヒロトはそのまま俺の頬を両手でそっと包み、うっとりした表情で真っ直ぐに俺を見つめた。ヒロトがこうやって甘えてくるのは珍しい事じゃないけど、未だにちょっとくすぐったいような、何だか不思議な気分になる。そう、ヒロトの目には何かこう、不思議な力があるんじゃないかと、密かに思っている。

「円堂くんの目の中には、沢山の星が住んでいるんだね」
「星?俺の目の中にか?」
「うん。キラキラしてて、とっても綺麗だよ」
「そうかあ?」
「うん。羨ましいな」

ヒロトからふんわりとシャンプーのいい匂いが降りてくる。さらさらと揺れる真っ赤な髪に触れると、ヒロトがくすぐったそうに笑った。その目はキラキラとしている。

「何言ってんだよ!絶対ヒロトの方が綺麗だし、ほら今だってヒロトの目すげーキラキラしてるぞ!きっとヒロトの目の中にも星が住んでるんだな!」
「ふふ、それは今、俺の目に円堂くんが映っているからじゃないかなあ」
「俺?」

俺は宝石とか星の事とかあんまりよくわからないけど。こんな綺麗なのは、やっぱりヒロトだからだと思うんだけどな。


「円堂くん。俺はね、この星じゃないとちゃんと呼吸が出来ないんだよ。だから傍に居てね」
「なんだ?どういうことだ?」
「ふふふ、なんだろうねぇ」


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