瞳から星が零れてますよ


クリスマスは、大切な人と一緒に過ごす日。それくらいは、俺も知っている。理由は知らないが、それは知っているんだ。俺の中でのクリスマスとは、恋人達が馬鹿みたいに浮き足立って街中をジャックする日だ。クリスマスが近付くにつれ、イベント好きな女達なんかは至る所できゃあきゃあと騒いでいて酷く煩い。こんな女を彼女に持つ男はさぞかし大変だろう。例えば、財布的にも。

俺にも、恋人はいる。一応だが。だが相手はイベント好きな女ではないし、増してや、女では、ないのだ。
だが、安心は出来なかった。イベント等にさほど興味なんてないだろうと高を括っていたのが間違いだった。今目の前の恋人(男)は、雑誌を広げて俺に様々な質問をしている真っ最中だ。何が食べたいどこに行きたい何か欲しいものはあるかああ俺に気を使う必要はないからな俺は佐久間が居てくれればそれでいい佐久間が俺への最高のプレゼントだからな!この辺りで俺は、白目を向きたくなった。いや、実際は向かないが。心境的な、意味で。

そして当日、俺は源田の家で宅配のピザを食べることを希望した。(ちなみにコーラはさっき源田に買いに行かせた。)だって、どう考えたってこんな日はどこ行ったって人人人で溢れているし、それに対し源田の家ならばこうして二人っきりで居れるし、最高じゃないか。ほら、好き放題いちゃいちゃ出来るぞ源田!やったな!

「だからって佐久間、こんな…」
「おまえ、言ってることとやってることが、」
「言わないでくれ。自覚はあるんだ。」


クリスマスは、世界中の恋人達が一番性行為に励んでいる日らしい。冒頭の可愛らしい説明より、こっちの方がなんか納得出来るのは何故だろうか。聖なる夜に、何万人、何百万人もの人々が性行為に励むなんて、なんだが矛盾している気もするのだが…まあ、性行為は不浄な行為って訳ではないのだから問題ないだろう。愛し合った結果、その行き着く先がセックスらしいし。俺も源田とするのは…嫌いじゃないし。むしろすきだし。言ったことないけど(言ったら絶対死ぬ)

今日は特別。何でもしてやる。口でしてやるし上乗ってやるし中出しオッケーだしご希望とあらば目の前でオナって見せてやる。
二人でLサイズのピザを食べ終えた後、ベッドに寝転がりながら俺は源田にそう言った。その台詞を聞いて、源田が生唾をごくりと飲んだのは、今からどれくらい前だろうか。時計を見ていないから確認のしようがないが。それから戸惑いを隠せないでいた源田を押し倒し口でしてやって勃たせてやれば、やっと吹っ切れたたらしい源田にひっくり返されバックでがんがん突かれた。それから俺が上に乗って腰振って、今に至る。
源に今も俺の中には源田のモノがずっぽりと収まっている。俺は源田の腹に両手を付き身体を支えながら、未だ荒いままの息を落ち着ける為に一度大きく息を吐き出した。抜かずの二発目を終えた今、そこはじくじくと熱を持ち、源田の出したものでいっぱいになっているのが自分でもわかった。何度も容赦なく前立腺を突かれまくってひたすらあんあん鳴かされていた俺の声は、少しだけ枯れている気がした。軽く腰を揺すると、源田が息を呑むのがわかった。たったそれだけに俺は少し気分が良くなって、更に強弱を付けながら前後に腰を動かした。中に出されたものがぐちゅぐちゅと音を立てていて、なんだかそれがとてもいやらしいような、そんな気持ちにさせた。源田の顔をこうして見下ろせるのも、貴重な体験だ。

「はっ、なんだよおまえ。俺が居ればそれでいいっつった、ろっ」
「そうだが…」
「だったら二人っきりな今最高に幸せだろー?よかったなあー源田ぁー」
「それは、ダーリン私がプレゼントよ今日は私をすきにしていいわよっていう、夢のあれか」
「何かキモいし何言ってるかよくわかんねーけど、それでいいよもう」

そう言って上体を倒し、先程塗りたくった俺の唾液でてらてらと光っている源田の唇に吸い付き、お互いの唾液を交換するように舌を絡め取る。時折甘ったるい声を漏らしながら源田の首に腕を回すと、すぐに両手で顔を挟まれ、水音がより大きく響いた。

「っは、でもあんま、めちゃくちゃすんなよ。明日は、おまえのプランに付き合ってやるから。」

なんか世間はイヴの方が盛り上がりがちだけど、本番は明日なんだからな。そう言うと、源田は涙目になって、その中にキラキラとした星が見えた。気がした。ちょっと引いた。

「佐久間…俺は、物凄くおまえに愛されているんだな…」
「なんでそうな、んああっ」
「すきだ。幸せだ。佐久間」
「っあ、そう、かよっ」


そのまま押し倒され体制が逆転したと思ったのも束の間、もう俺の口からは甲高い気持ち悪い声しか出てなかった。急にでかくするな動くなそう言いたかったが無理だった。今日は抜かずの三発どころじゃ済まないだろう。ま、若いからな。俺も、源田も。



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テーマ「人外ファンタジー」
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