ろんりーがーる (阿部) | ナノ

□番外編 初めてキミと話す



私と隆也が初めて話したの
は野球部のグラウンド。高
校一年の時に私は部活に入
っていなくて学校をぶらぶ
らして帰ろうとしている時
だった。キンと金属音が聴
こえて目の前にボールが転
がってきた。


『すんませーん』
『はい、どーぞ。って阿部くん?』
『あ、よう。』


私がボールを拾ってあげる
と阿部くんがありがと、と
言って背を向けて遠くにい
る人に投げた。


『田島ーお前飛ばしすぎんだよ』
『わりぃーわりぃー』
『もし当たってらどーすんだよ』
『当たってなかったんだろー?いーじゃんいーじゃん!』
『よくねえよ、怖かったかもだろ。』


阿部うるせーなと冗談混じり
言う顔にそばかすのある田島
くんと言う子が近づいてきて
ニカっと笑う。


『ごめんなー』
『当たってなかったので大丈夫です』


私も大丈夫と笑って見せる
と田島くんは良かった!と
安心して私たちの様子を一
歩離れて伺っているのが目
に入る。


『阿部くんて野球部だったんだね』
『おー。お前は部活?』
『ううん、たまたま通りかかっただけ』



そういえば阿部くんと
話したの初めて、だか
らなんだかぎこちない。


『そっか、』
『じゃあ、阿部くん部活頑張ってね』
『おう』


私が軽く手を振ると阿部
くんは軽く手をあげた。
夕日に照らされた阿部く
んの頬が赤く見えて少し
胸がドキドキしたのを覚
えている。

防具姿の阿部くんは普段
と違って逞しく見えた。



20110806.



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